キュウリは漢字で書くと「胡瓜」だが、この「胡」という字は中国の万里の長城の向こう側で活躍した中央アジアの民族を指す言葉である。この字の付く物品はシルクロード経由で伝わってきたことを意味する。例えば、「胡麻」【ごま】、「胡弓」【こきゅう】、「胡椒」【こしょう】などもシルクロード経由で伝わったものである。
キュウリは中国から日本に伝わってきたが、その頃は十分熟れて黄色くなってから食べていたのである。つまり、「黄色い瓜」だから「キウリ」、そして「キュウリ」となったのである。ところが、後にマクワウリやシロウリといったおいしい瓜がどんどん入ってきて、キュウリは黄色くなるまで待ってもらえなくなり、現在のように青い状態で食べるようになったのである。
昔のキュウリの先は苦かったものだが、最近は苦味が嫌われたために改良されて苦さがなくなった。東南アジアの国々では瓜のこの苦味がよいというので、わざわざ苦瓜が栽培されている。
