汎用コンピュータでは、ジョブ制御言語（JCL：Job Control Language）を使って、コンピュータに仕事を指示する。そのときの仕事の単位はジョブ（job）と呼ぶ。ユーザーがコンピュータに与える一塊の仕事である。つまり、ユーザー側から見た処理の単位である。
ジョブはひとつあるいは複数のジョブステップから構成される。
ジョブは大きな単位なので、OSのジョブ管理機能がこれをジョブステップに分解して（OSの管理側から見るとジョブステップはタスクに対応する）、必要なハードウェア資源（CPU・メモリ・磁気ディスク装置・プリンタなど）を割り当てて、指示された処理を行う。
[補講]パソコンやUNIXの世界では、ジョブという概念は存在せず、タスク（プロセス）の連携でジョブに相当する作業を行う。例えば、残高照会という仕事があったとすると、パスワードチェックプロセス、残高チェックプロセス、画面表示プロセスなどのプロセス群が連携して処理を行う。プロセス同士はメッセージの送受信など何らかの方法で通信を行い、連携している。 ◇
ジョブにはジョブクラスと呼ばれる属性が与えられ、ジョブクラスによりジョブの優先順位が決まる。
ジョブの処理形態には、次のものがある。
ジョブという概念はバッチ処理に基づくものといえるが、タイムシェアリングではログインとログアウトに至るセッションがジョブに相当すると考えられる。
また、リアルタイム処理では、イベントによるジョブステップが起動される（イベントドリブン）とみなすことができる。
複数のジョブがシステムに投入されるとき、ジョブ制御文およびそれと一緒に読み込むデータは、入力装置に並んだ順にアクセスがあるわけではない。また、プリンタなどへの出力もジョブごとにまとまっているわけではない。
このため、入力データ・出力データはジョブごとに用意されたディスク領域に、一旦格納する。処理プログラムは、この領域を入出力の対象とする。
ディスク装置と入出力装置の間のやり取りは、システムプログラムが行う。このような機構をスプール（SPOOL：Simultaneous Periphieral Operation OnLine）という。
コンピュータには、複数のジョブが投入される。ジョブを優先順位通りに実行させる仕組みが必要であり、これをジョブ管理機能でる。ジョブには、ジョブ投入からジョブ終了までに次の5つのステップがある。
それらのステップ全体を管理するのがジョブスケジューラというプログラムである。結果として、ターンアラウンドタイムを短縮させ、スループットを向上させる。
ジョブ開始は、次の要因に基づいてジョブ管理が制御される。
