目次 †
ソフトウェア工学 †
ソフトウェア工学は、一般的に次のように定義されている。
ソフトウェアの開発から保守に至るまでのすべての工程の場面で、光学的な方法論や技法を体系化し、それを適用することによって、正しいソフトウェアを計画的に作成し、ソフトウェアの生産性と品質の向上を図るための理論と実践的な技術と学問領域。
ソフトウェア危機 †
1960年代半ばから、汎用コンピュータの普及と共に、ソフトウェアの量産がされ始めた。その重要は飛躍的に増大していき、ソフトウェア開発に関する次のような問題が表に出始めた。
- ソフトウェア規模の増大
- ソフトウェアコストの増大
- バックログ（開発の積み残し）の増大
- ソフトウェア生産性の低下
- ソフトウェア品質の低下
- ソフトウェア技術者の不足
これらの事象は、コンピュータ産業に対する一大障害と考えられ、ソフトウェア危機と呼ばれるようになった。
ソフトウェア工学の誕生 †
ソフトウェア危機を解決するために、ソフトウェアの作成と利用に関連した方法論や技術を系統立てて整える必要性が求められるようになった。こうして、1968年に開かれたNATO会議の中で「ソフトウェア工学」（Software Engineering）という言葉が始めて使われた。このときがソフトウェア工学の誕生と言っていいだろう。
そして、ソフトウェア工学の発展の流れの中から、ソフトウェアライフサイクルの各開発段階の明確化、要求分析、ソフトウェア仕様、設計法、検証と保守などの技術や方法が検討され、実践されてきた。
ソフトウェア工学の成果 †
1980年代以前の成果 †
- 方法論
- トップダウンアプローチとデータ指向アプローチ
- 抽象化と情報隠蔽、抽象データ型
- 段階的詳細化、構造化、分割と統合、モジュール化
- 技法
- 形式的仕様技術
- 部分機能分割法
- 構造化分析、構造化設計・複合設計
- ダイクストラ法、ジャクソン法、ワーニエ法
- 構造化定理、構造化プログラミング、構造化コーディング、トップダウンプログラミング
- モジュール集積テスト、ブラックボックステスト、ホワイトボックステスト、動的・静的テスト
- 品質管理技法、工程管理技法
1980年代から現在までの成果 †
- ソフトウェア開発方法
- 手続き型言語による構造化プログラミング
- 関数型プログラミング
- 論理型プログラミング
- オブジェクト指向プログラミング
- ソフトウェアライフサイクル
- ソフトウェア開発環境
将来期待される成果 †
- プロセスプログラミング
- ソフトウェアの開発プロセスそのものをプログラミングの対象にして、ソフトウェアの自動生産を目指す。
- WWW環境の元でのソフトウェア開発環境
参考文献 †
- 『平成12年度 【要点・重点】短期集中速攻対策 第1種』
