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目次

テロリズムとは

 テロリズム(略してテロ)とは、ある政治的・社会的目的を遂行するために個人や組織に対して行われる暴力的行為のことである。

その他の定義

 テロリズムには様々な定義がある。

・FBIによれば、「テロリスト事件とは、政府やすべての一般市民を脅かし、威圧することであり、アメリカ合衆国あるいは各州の刑法においては、人命に対する暴力行為あるいは危険行為である」と定義している。

・スタンバーグは、テロリズムを「特に威圧の手段としての、恐怖の組織的行使」と簡単に定義している。

・ハレットは、テロリズムという用語を、加害者を象徴的あるいは心理的な充足を得るためだけの、人や財産に対する劇場犯罪と定義している。

・文献に目を通すとわかるように、テロリズムには膨大な定義がある。

・おびただしい数の定義があるが、マーセラは、それらすべての共通点をいくつか見出している。「テロリズムとは広範にとらえるならば、”靂呂△襪い亘塾呂旅垰箸任△蝓↓個人あるいは集団によって、0貳婿毀韻膨樟楔けられ、ざ寡櫃鮨△付けるのを目的として、ジ朕佑泙燭禄乎弔魄勸気靴討修寮治的、社会的地位を変更させる手段となる、とみなされる」。

テロリズムの分類

 テロリズムは、政治的・社会的目的の違いによって、民族解放テロ、国家テロ、国際テロのように分類できる。また、特定の思想に根差した社会改革運動が過激化した、いわば思想テロというようなテロ活動もある。

民族解放テロ

 民族解放テロとは、抑圧されている、または抑圧されていると感じる民族や集団が、自らを抑圧する者や団体に対して行うテロ行為である。

 国家側からするとテロ行為に当たるが、やっている本人にしてみれば理由のある政治活動といったものが多く、IRAやPLOなどは独立または自治という目的を達すれば自然に消滅するといった性格を持っている。

例:

  • 中東のパレスチナ解放機構(PLO)
  • 北アイルランドのアイルランド共和国軍(IRA)
  • スペインのバスク祖国と自由(ETA)
  • フランスのコルシカ民族解放戦線(FLNC)
  • フィリピンのモロ・イスラーム解放戦線(MILF)
  • スリランカのタミル・イーラム解放の虎(LTTE)
  • インドのジャンムー・カシミール解放戦線(JKLF)
  • ダル・カルサ ・トルコのクルド労働者党(PKK)

国家テロ

 国家テロとは、国家がテロリズムを支援することを指す。現在までにテロ国家の烙印を押されたのはリビアのみである(1986年の東京サミット宣言)。ただし、アメリカ議会は独自にテロ国家のリストを持っている。その中には、イラン、イラク、スーダン、シリアなどが含まれている。

 一般に、テロ国家は、その外交目標達成のためにテロ組織に対して資金・武器・情報・訓練などを提供する。

 本当に国家がらみでテロ組織を支援しているのか、または国家から離れた過激組織がテロ組織を支援しているのかを見極めることは困難である。国家テロという言葉は、実際の組織に対する取り締まりというより、政治的な駆け引きで使われることが多い。

国際テロ

 国際テロとは、ある国境を越えて展開されるテロ行為である。

 特徴として、国境を越えたテロの連携運動という点において、個人・国家・外国の施設や飛行機などの運搬手段をターゲットとしている。

例:共産主義崩壊後に生き残りをかけた極左グループ

  • ドイツ赤軍派(RAF)
  • フランスのアクション・ディレクト(AD)
  • イタリアの赤い旅団(BR)

例:極右グループ

  • ドイツのネオ・ナチズム
  • フランスの国民戦線(FN)

思想テロ

 思想テロとは、特定の思想に根差した社会改革運動が過激化したテロ行為である。

 思想テログループの把握するのはもっとも難しいといえる。中東のイスラム原理主義組織、キリスト教原理主義組織、日本のオウム真理教などの思想的背景から組織される集団は、どこからが宗教でどこまでが政治組織かという境界線が見えにくい。とはいえ、放っておくと危険であるし、とかいって取り締まれば信教の自由の束縛になってしまうという非常に難しい問題を抱えている。

その他のテロ

 民族とはいえないが、社会の底辺層が組織する抵抗運動が、戦術的にテロ行為を行うこともある。

例1:南米コロンビアのコロンビア革命軍(FARC)

 土地所有者と借地農との極端な不平等を不服とする農民が集まり、1958年にできたコロンビア共産党の軍事部門である。1996年にはコロンビア政府軍の軍事基地を攻撃し、ほとんど壊滅状態に陥れた。彼らの資金源はコカインの密売で、現在は輸出先であるアメリカと確執が続いている。 ◇

例2:コロンビアの民族解放軍(ELN)

 反資本主義農地改革を目標に掲げ、キューバの支援を受けて1964年に組織された。多国籍企業が敷設した石油パイプラインの爆破や資本家の誘拐などを活動としている。 ◇

例3:ペルーの共産党組織のセンデロ・ルミノソ(PCP)とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)がある。 ◇

テロリズムの共通する目的

 テロリズムの本質は基本的に心理的なものであり、その目的は一般市民に長期にわたる恐怖と心理的衰弱を生じさせることである。

犯罪者とテロリスト

 犯罪者とテロリストたちは密接に結びついている。よって、詐欺、誘拐、住居不法侵入などの犯罪から身を守ることは、テロの脅威からも身を守ることにつながる。

テロの資金源

 テロには金がかかる。作戦を立て、戦士をトレーニングし、武器を入手し、ターゲット地域に送り込まなければならない。情報収集するために特定の地域に潜伏したり、専用機材を用意しなければならない。警察の眼をごまかしたり、賄賂を送らなければならない。 そのため、テロリストたちはそれぞれの国の実情に応じて様々なやり方で資金を調達している。

 資金調達の方法としては、色々ある。例えば、麻薬、誘拐、銀行強盗、偽札作り、税金詐欺、人身売買など。また、れっきとした企業や宗教団体がテロリストに協力していることもある。

南米

  • 麻薬
  • 誘拐

中東

  • イスラムの上納金

欧米

 欧米諸国には資金作りとして次の利点がある。

  • 警察の取締りがきつくない
  • マネーロンダリングしやすい環境
  • 移民政策がまとまっていない
  • 銃規制がゆるい
  • 偽造の文書やパスポートが容易に作れる

北朝鮮

  • 偽札作り

テロの標的

 テロの標的は、あなたとあなたの家族、そしてあなたの周りの善良な市民たちである。仮に政治家などの大物を狙っていたとしても、その巻き添えになるのは我々一般市民である。 だからこそ、我々は自分の身は自分で守らなければならないのである。

テロリスト養成

マインドコントロールによるテロリスト養成

 マインドコントロールはテロリスト募集にもよく使われる。

1:若者(テロリスト予備軍)がTV画面に映し出される紛争地域の惨状を目にする。

2:脳裏に残酷な映像がインプットされ、感情的になり、自分を同化させます。

 純粋な主義主張、政治、宗教に関心のある者はさらに熱情に駆られてしまう。

3:感情が高ぶったテロリスト予備軍は、自発的な行動に出る。例えば、人道支援団体に協力したり、インターネットで論争したりします。場合によってはこれだけでは物足りず、紛争地帯まで出かけていく。

4:このような自発的なテロリスト予備軍たちに、テロ組織がコンタクトしてきて、取り込んでしまう。  

 他にも、次のような精神操縦プログラムがあります。これはテロリスト募集の後の養成で行われる。

1:まず、相手の意思をコントロールして、機密情報を入手しやすくすること。

2:次に諜報機関に不利な悪い記憶を消し去ってしまい、新しい記憶を植え付ける。つまり、記憶の上書き。

3:行動を操作して暗殺や破壊工作といった活動を行う。

4:催眠術をかけて、無意識のうちに誰かを暗殺する指示を与える。暗殺後はその記憶を消し去るようにプログラムする。

 最高のスパイとは自分の正体を最後まで隠しとおせる者と言われるが、マインドコントロールで他人の意のままに操作されるスパイはそれに勝りる。マインドコントロールされているスパイたちは自分自身がスパイとはまったく気が付いていないからだ。

フランス近代における兵士の造型

 フーコーはフランス近代における兵士の造型について次のように述べている。

「18世紀後半になると、兵士は造型されるものとなった。まるでパスタを練り上げるように、兵役不適格な身体を材料に、必要な機会が造り出されたのである。姿勢が少しずつ矯正された。計算ずくの束縛がゆっくりと全身にゆきわたり、身体の支配者となり、全身をたわめて、いつでも使用可能なものに変えた。それはさらに日常的な動作の中にそっと入り込み、自然な反応として根付いたのである。こうして、身体から「農民臭さ」が追い払われ、「兵士の風格」が与えられたのである」(『監獄の誕生』フーコー)

兵式体操と体育座り

「軍隊では体操は、素人兵に集団戦法を訓練するときに使われました。体操は、一人一人ではたいした力を期待できない戦いの素人たちを、号令とともに一斉に秩序正しく行動できるように訓練します。近代的軍隊においては、兵士たちは個人的な判断で臨機応変に戦うというよりも、集団の中においてあらかじめ決められたわずかな役割を任命され、合図に応じてこれを繰り返し反復するだけです。(略)体操が集団秩序を高めることを目的とするのは、この戦術上の必要を満たすためであり、いいかえれば、それは平凡な能力しか持たない個人を有効に活用するための方法であったのです」(『「健康」の日本史』)

 近代国家は、例外なしに、国民の身体を統御し、標準化し、操作可能な「管理しやすい様態」におくこと、即ち「従順な身体」を造型することを最優先の政治的課題に掲げた。

 身体を標的とする政治技術が目指しているのは、単に身体だけを支配下に置くことではない。身体の支配を通じて、精神を支配することこそ政治技術の最終目的である。この技術の要諦は、強制による支配ではない。統御されている者が、「統御されている」ということを感知しないで、自ら進んで、自らの意思に基づいて、自らの内部的な欲望に駆り立てられて、従順なる「臣民」として権力の網目の中に自己登録するように仕向けることにあった。

 政治権力が臣民をコントロールしようとするとき、権力は必ず「身体」を標的にする。いかなる政治権力も人間の「精神」にいきなり触れて、意識過程をいじくりまわすことはできない。

[補講]この理論はカルト集団がエリート信者を育成するときにも用いられる。ただし、政治権力よりは身体だけでなく精神に触れてくることもある。

「身体は政治的領域に投じられる。権力の網目が身体の上でじかに作用する。権力の網目が身体にかたちを与え、刻印を押し、訓育し、責めさいなみ、労働を強い、儀式への参加を義務付け、そして、記号を持つことを要請するのである」(『監獄の誕生』)

 権力が身体に「刻印を押し、訓練し、責めさいなんだ」実例として、日本の体育座り(三角座り)がある。竹内敏晴によると、これが日本の学校が子どもたちの身体に加えたもっとも残忍な暴力のひとつだという。両手を組ませるのは「手遊び」をさせないためであり、首も左右にうまく動かないので、注意散漫にになることを防止できる。胸部を強く圧迫し、深い呼吸ができないので、大きな声も出ない。

「古くからの日本語の用法でいえば、これは子どもを「手も足も出せない」有様に縛り付けている、ということになる。子ども自身の手で自分を文字通り縛らせているわけだ。さらに、自分でこの姿勢を取ってみればすぐ気付く。息をたっぷり吸うことができない。つまりこれは「息を殺している」姿勢である。手も足も出せず息を殺している状態に子どもを追い込んでおいて、やっと教員は安心する、とうことなのだろうか。これは教員による無自覚な、子どものからだへのいじめなのだ」(『思想する「からだ」』竹内敏晴)

 しかし、もっと残酷なのは、子どもたちがすぐに慣れてしまったということである。浅い呼吸、こわばった背中、しびれて何も感じなくなった手足、それを彼らは「普通」の状態であり、しばしば「楽な状態」だと思うようになるのである。

 竹内敏晴氏によれば、体育座りを取らせるように学校に通達したのは、文部省で、1958年のことだったようだ。

テロにどう対応するか

 国内あるいは国外において過激組織による脅威が増大しているということは、誰の目から見ても明らかである。これに対して、各国政府は喚起を促し、緊急時にどうしたらよいのかパンフレットを配っている。

 9・11テロの映像を何度も放送し、過去のテロ事件を何度も取り上げている。このことにより、テロに対する関心は高まったものの、見ているほうにすればどうしてよいのかわからず、混乱を深めただけといえる。脅威そのものを理解しないことには、どうしてよいのかわからないからである。これはコンピュータセキュリティについても同様であることはわかるだろう。

テロの驚異

 脅威としては次が挙げられる。

  • 一般的な爆弾や銃火器による無差別攻撃
  • 放射性物質、生物化学兵器による無差別攻撃
  • 爆弾や銃火器を使っての特定の標的に対する攻撃
  • 誘拐および人質
  • 暴動、略奪、道路封鎖、非難といった事態を引き起こす騒乱

 テロリストたちは無防備な標的を狙う。そのほうが安上がりだし、効率がよいからだ。無防備かどうかは、あなた次第である。防備を固めておけば、それだけ殺されることも少なくなる。

テロリストたちの追跡

  • 訓練を受けている追跡者たちは、ある決まった行動様式を取る。訓練を受けているテロリストなら、彼らも同じような行動様式を取るはずである。
  • テロリストたちは、周囲に溶け込もうとする。標的に気付かれたり、周りの人間の注意を引きたくないからである。しかし、そこまではなんともないと思えたものが、襲撃を受けた後から考えれば、やはり異常があったことに気付く。
    • 例1:エンジンをかけっぱなしにしていた駐車中の車
    • 例2:長い間止まっていた車の中にいた2人の人物
    • 例3:付近をうろついていた配達人や国勢調査の人間
  • 身も知らない人が訪ねてきたときは、その人間のID(あるいは本名、会社名)を確かめて、その会社に確認を取ってからでないと、自宅やオフィスに入れてはならない。
  • テロリストは、我々を油断させるために、女性や子供を使うこともある。
    • 実際に、中東や北アイルランドに限らず、テロリストや犯罪組織は、子供や若者を手先として使っているのだ。

参考文献

  • 『図説国際情勢早わかり2000年版』
  • 『テロ対策ハンドブック』
  • 『寝ながら学べる構造主義』
  • 『犯罪心理学 行動科学のアプローチ』