目次 †
DFD †
- 適用業務をデータの流れに注目して視覚的に表現したもの。
- プロセス間のデータフローには流れている情報が分かるような名前を付ける。
- 構造化分析・設計の一環として、デマルコらによって考案され、DOAの普及と共に発展した。
- ビジネスプロセス分析とシステム設計の2面で使われるが、システム設計のメンでは実装技術がオブジェクト開発へシフトしつつありUMLによる表記が多くなったため、DFDを使用する機会が減りつつある。
- DFD(データフローダイアグラム)は、データの流れに着目して業務の流れを図式化する方法である。データの発生源やデータが蓄積される場所も明確にする。
- DFDにおけるプロセスは、入力データに何らかの加工を施して出力データを作成するものである。よって、出力データの各項目に着目して、それぞれが作成できるかどうかという観点で考えるとよい。そして、このとき計算や判断などによって作り出せるデータ項目以外は、すべて入力データとして必要である。
[補講]次の表現手法も一緒に覚えておくこと。
- フローチャート
- 業務などの処理手順を流れ図記号を用いて視覚的に表現したもの。
- 状態遷移図
- システムの状態がどのように推移していくかを視覚的に表現したもの。
- E-R図
- 実体及び実体間の関連という概念を用いて、データの構造を視覚的に表現したもの。
- 関連と流れの違いに注意。
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DFDの特徴 †
- 本来の処理(正常処理)以外の例外処理・異常処理・制御手順などは記述されない。
- これらは最下層のDFDにのみ記述されるミニ仕様書に記述する。
- 入出力の媒体や組織に捉われずに、業務機能を抽出する。
- 図式でわかりやすいため、ユーザとの意思疎通を図りやすい。
- データの流れや保管先が明確で、業務処理系システムに向く。
- 時系列の動きを表現できない。
- 見積もり手法であるFP法との相性がよい。
DFDのメリットとデメリット †
- メリット
- システムの構成要素を分割して図形を用いてデータの流れを中心に記述していくため、あいまいさを排除でき、システムの抜けを防ぐことができる。
- デメリット
- 時間の概念を盛り込むことができないため、いつその現象が起こるかわからない。
使用する記号 †
- データフロー【矢印】
- プロセス(処理)【丸】
- データストア(ファイル)【二重線】
- データ源泉・データ吸収(外部)【四角】
例:
データフロー †
データフロー(矢印)の使い方には次のような注意事項がある。
- 1個のプロセスから流れるデータフローは、複数本でもよい。
- 異なるプロセスから流れるデータフロー同士を合流することができる。
- データストア間のデータのやり取りは、プロセスを経由する必要がある。
- プロセス間のデータフローには、流れている情報が分かるような名前であるデータ名を付ける。
参考文献 †
- 『超図解mini 基本情報技術者試験 平成19年度版』
- 『ITアーキテクト×コンサルタント』