複数の端末から1台の通信相手を決める方法をアクセス制御と呼ぶ。ケーブルや電波といったひとつの伝送媒体を複数の端末で共用する技術のことである。きちんとアクセス制御ができないと通信が開始されない。開始しても、次に紹介するコリジョンなどの影響によって通信がうまくいかない。
コリジョン(衝突:collision)*1とはデータとデータの衝突して電気信号が破壊されてしまうことである。例えば、10BASE5などのLAN方式ではひとつの(同軸)ケーブルを複数のコンピュータが共有するため、データの伝送タイミングによってはデータとデータが衝突してコリジョンが発生しまう。
コリジョンが発生すると、コリジョン衝撃波が送信元コンピュータに伝わり、送信元コンピュータはデータの再送信を準備する。コリジョンが発生するには2つのデータが必要なため、2台の送信元コンピュータがあるわけで、コリジョン衝撃波はその2台に伝わる。
データの再送信の際に、送信元コンピュータは送信先コンピュータにジャム信号を送る。送信元コンピュータがジャム信号を受け取ると、すでに信号の一部が届いてもそれを捨てる。よって、時間の遅延が発生する。
[補講]他にも遅延の発生原因はある。例えば、スイッチングハブのバッファ(キュー)にデータを一時保存するのも原因になる。これをストアアンドフォワード方式と呼ぶ。
よって、ネットワークでは、コリジョンがなるべく起こらないように、また起きてもうまく再送ができるような仕組みを考えなければならない。そこで、ネットワークを主従関係・対等関係に分けて、それぞれで使われる接続方法を紹介する。
ホストコンピュータと端末装置の接続方式には、次の2つがある。
ポイントツーポイント接続
マルチポイント接続
データリンクを確立する方法は、ホストコンピュータと端末装置の接続方式に依存する。ポイントツーポイント接続のときはコンテンション方式、マルチポイント接続のときはポーリング・セレクティング方式である。
コンテンション方式
ポーリング・セレクティング方式
LANの伝送路上でデータの衝突(コリジョン)をどのように防止するのかという方法によって、次の2つの方式が特徴付けられる。
伝送路上でデータ信号がぶつかると、データ信号は正しく伝わらない。
[補講]これは2点間通信でも同じである。2点間通信のための衝突を防止するための仕組みとして、コンテンション方式(制御が送信権争奪するタイプ)とポーリング・セレクティング方式(送信権を順番に与えるタイプ)がある。