目次 †
汎用ロジックIC †
汎用ロジックICとは、ロジック回路(ゲート)を数個、1つのパッケージに収めたICのことである。例えば、FFなどのICも汎用ロジックICに含まれる。
未だに汎用ロジックICが必要とされる理由 †
現在はマイコン・PDLなどがあり、汎用ロジックICの必要性が考えられがちだが、実際には未だに使われている。20年前などに比べれば1セット当たりの汎用ロジックICの使用数は減っているが、実はデジタル機器の普及に伴ない、汎用ロジックIC全体の生産数は年々増加しているのである。また、次に挙げる理由により、汎用ロジックICは必要とされる。
- LSI間のインタフェース
- システムの大規模化・多機能化に伴ない、1つのボードに複数のLSIが載っている。複数のLSIの電源電圧が異なる場合、それらをつなぎ合わせるために、汎用ロジックICが使用される。
- 機能追加により出力信号数が不足する場合、デコーダの機能が新たに必要になり、汎用ロジックICの出番となる。
- システムの小規模
- 小さなシステム修正が生じた場合、LSいを初めから作り直すのは膨大な時間とコストがかかる。このため、入手しやすい汎用ロジックICを使用して対処することがある。
- その際、1ゲートあるいは2ゲートのみを小型パッケージに入れた汎用ロジックICであるL-MOSが便利である。
- アナログスイッチや高駆動バッファなどの必要性
- アナログスイッチや高駆動バッファなどをLSIに取り込むとLSIのコストが増大するため、汎用ロジックICを使う場合がある。
ロジックICの形状 †
- ピン数
- 形
デジタルICの分類 †
集積度による分類 †
IC内部で使用されている素子の集積度によって、次のように分類される。
| 素子数 | 名称 | 主な用途 |
| 100以下 | SSI(Smaill Scale Integration:小規模集積回路) | 汎用の論理ゲートICなど |
| 100〜1,000程度 | MSI(Medium Scale Integration:中規模集積回路) | レジスタ、カウンタなど |
| 1,000〜10万程度 | LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路) | MPU、CPU、メモリなど |
| 10万以上 | VLSI(Very Large Scale Integration:頂戴規模集積回路) | 大規模メモリなど |
バイポーラICとユニポーラIC †
- バイポーラIC
- バイポーラ(bipolar)とは、2つ(binary)の極性(pole)の意味を持つ。
- −の電子と+の正孔の2つともが電流のもととして働く。
- シリコン基板上にN型とP型の2つの極性を持った半導体からトランジスタを形成し、それらの集合体のICである。
- このICは高周波用や中間周波の増幅やオペアンプなどに利用される。
- 代表的なICにTTLがある。
- ユニポーラIC
- ユニポーラ(unipolar)とは、1つ(uni)の極性(pole)の意味を持つ。
- シリコン基板上に1種類の半導体からFETを形成し、それらの集合体のICである。
- 代表的なICにCMOSがある。
[補講]普通のPNPとかNPNのトランジスタはバイポーラトランジスタである。 ◇
TTLとCMOS †
ICを半導体的構造や電気的特性から分類すると、TTLタイプとCMOS(C-MOS)タイプに分類できる。
- TTL
- 現在使用されているデジタルICの代表的なものは、アメリカのTI(Texas Instrument:テキサス・インスツルメンツ)社の74シリーズである。TTLの2入力NAND ICを基に、多くのICが作られ、74ファミリとも呼ばれる。
- CMOS
- RCA社のCD4000シリーズを改良した4000Bシリーズや、モトローラ社のMC14500の改良型の4500Bシリーズを標準とする。
- ピン配置や出力レベルにTTLの74シリーズと互換性を持たせ、動作速度を高めた74HCシリーズや74ACシリーズなども存在する。これらはTTLコンパチブルとして利用される。
[補講]74シリーズは2入力のNANDゲートを含むICである7400から始まる。あまり使用されない製品は生産中止となり欠番になる。
[補講]ICの型番は規格表を見れば確認できる。TTLでは74シリーズ、CMOSでは4000Bシリーズと4500Bシリーズの2タイプにほぼ統一されている。この番号に従って、各メーカーが同じ機能のICを提供している。つまり東芝のTC4011Bと日本電気のμPD4011BCは若干型番表記の違いはあるが、同じ機能を持ったICである。 ◇
[補講]同じファミリに属するICは同じ電気的特性をもつので、同一ファミリのICはそのまま接続できる。 ◇
各種ファミリ †
- LSファミリ
- TTLのファミリの一種。
- 初期の74シリーズの欠点である消費電力の問題を改良したタイプ。
- CMOSのHCファミリが出現するまではロジックICの主流になっていた。
- HCファミリ
- TTLのLSファミリと比べて動作速度が変わらず、さらに低消費電力を実現したタイプ。
- HCTファミリ
- 74シリーズのTTLとロジックレベルの互換なCMOS
TTLとCMOSにおけるGNDとVcc †
例えば、TTL(例:7400)とCMOS(例:4011B)は機能的に同等であるが、ピンの接続はまったく異なる。TTLではVCC、CMOSではVDDが使われる。
- VCC:コレクタに接続するのでCC
- VDD:ドレインに接続するのでDD
CMOSのVSSはソース側のことで、GNDと同じ意味である。 ◇
スレッショルド電圧 †
論理回路では電圧の5Vを論理信号1、0Vを倫理信号0に対応させることを正論理という(反対のときは負論理という)。
実際のデジタルICが論理信号0と1を区別する境界の電圧をスレッショルド(しきい値)電圧という。
入力ピンのスレッショルド電圧はTTLのほうがCMOSより低い。
参考文献 †
- 『デジタル回路の「しくみ」と「基本」』
- 『汎用ロジックIC』
- 『見方・かき方ディジタル回路』