[語呂合わせ]
「モデムが弟子(DCE)の、コンピュータだって(DTE)」
ネットワーク内でパケットを中継する機器には幾つかの種類がある。例えば、リピーター・ブリッジ・ルーター・ゲートウェイと呼ばれるものである。
これらは歴史的な流れから混合されて使われたり、同一視されてしまうものもある。
リピーターとはパケット内のデータ内容に関与せずに、パケットを電気や光の信号と見なし、単にそのパケットを中継する機器である。単純にいえば、電流の増幅と整流のみ行う。イメージ的に、1本のホースにもう1本のホースを繋げるために、その間に存在する連結装置のようなものだ。もちろん、ホースの中を流れる水がパケットを意味する。この連結装置はあくまで連結だけが仕事で、水を調べたり、水の流れをせき止めたりはしない。
LAN内で使われるケーブル(同軸ケーブルやツイストペアケーブル)の距離があまりにも長くなると、データが最後まで到達できない現象が起こることがある。なぜならば、ケーブルは信号(電気信号や光信号)を通る導体だが、若干抵抗が存在するので、途中で電気信号が弱まってしまうからである。これを解決するのがリピーターである。リピータは弱まった電気信号を正常にして、次のケーブルに流す。これによって、ネットワークが拡大したときでも、正常なネットワーク通信が実現できるわけだ。
純粋なリピーターの他にも、リピーターハブと呼ばれる機器もリピーターの種類に分類できる。
ハブというのは複数のコンピュータを同時に接続できるようにした機器である。
リピーターの機能を持っているハブをリピーターハブという。ハブには他にもスイッチングハブと呼ばれるものもあるが、これは次のブリッジの種類に分類される。
ブリッジとはパケットの先頭にあるMACヘッダの内容によって、パケットの宛先を判断して中継する機器である。
例えば、スイッチングハブ(レイヤ2スイッチとも呼ばれる)はブリッジに分類される。また、単にスイッチと呼ばれる機器もブリッジに含まれる。
ルーターとはデータ転送レベルのプロトコルヘッダの内容によって送り先を判断してパケットを中継する機器である。ここでいうデータ転送レベルのプロトコルとはTCP/IPプロトコルなどを意味する。
リピーター、ブリッジ、ルーターとは異なる方式でパケットを中継する機器の総称をゲートウェイと呼ぶ。 ゲートウェイは異なる方式のネットワークを結ぶために、アプリケーションレベルでデータを受信してから、再度それを送り直すという動きをする。
ファイアウォール機器はアプリケーションレベルでパケットを判断して、パケットフィルタリングを実現したり、侵入検知を行うので、ゲートウェイの中に含まれるといえる。