ノンバーバルコミュニケーションの考え方で重要なのは、状況によっては言葉でないものが、言葉と同じように物事を伝えることができるということ、つまりあらゆる物事が意味を持ちえるということである。
言葉を話すときのその調子や話し振りのことである。例えば、同じ言葉でも語尾を上げたり下げたりするだけで、質問の意味になったり、反語的な意味になったりする。
アルコール依存症と医師に関する調査によれば、医師の話し方や声の調子が、アルコール依存症の新患たちにしかるべき治療を受けるように説得することの成否に影響しているという。つまり、医師が患者に話す内容より、その話し方のほうが重要というわけである。怒りと苛立ちの感じが声にこもっている医師は患者の説得に失敗しがちであり、その反対に心配している感じが声に含まれている医師は患者の説得に成功しているということである。
意志を伝達するための身振り・手振りなどの体の動きのこと。
ボディランゲージとノンバーバルコミュニケーションは同一のものと思われがちだが、そうではない。実際にはボディランゲージはノンバーバルコミュニケーションの一部でしかない。
ボディランゲージには次のような要素がある。
コミュニケーションの当事者の身体的特徴。例えば、性別・年齢・体型・年齢の色・体臭などは、相手のコミュニケーションに大きな影響を与え、それ自体がメッセージを持っている。
例:乱れた髪で肌につやのない人を見れば、誰でもその人は体調が悪いという情報を得る。
何もいわないことは、様々な意味を含むことがある。黙認・拒絶・不承認など。
文化的な時間の観念や生活のリズムは、対人的な関係に影響する。例えば、南米では30分や1時間の遅刻は遅刻に入らない。一方、アメリカでは重大な問題になってしまうだろう。
色彩には様々な情報を持つ。「情熱の赤」「クールな青」「高貴な紫」など。
また、色彩は人間の生理・心理に様々な影響を与えることがわかっている。