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目次

はじめに

 この記事は『日本語の作文技術』を読んだ個人的なメモである。詳細は本を読んで欲しい。

修飾の順序

  1. 節を先にし、句を後にする。
  2. 長い修飾語は前に、短い修飾語は後に。
  3. 大状況から小状況へ、重大なものから重大でないものへ。
  4. 親和度(なじみ)の強弱による配置転換。

 単語が直列的にかかってゆくときは親和度の強さにしたがうとして、並列的にかかるときは親和度が強いほど引き離す。

(直列的)

初夏のみどりに→もゆる若葉が→全山を包む。

(並列的)

初夏のみどりが

もゆる夕日に

照り映えた。

 親和度の強い単語(「みどり」と「もゆる」)を遠ざける。つまり、「もゆる…」のほうを次のように先にするとよい。

もゆる夕日に初夏の緑が照り映えた。

 なお、上記4つの原則のうち、特に重要なのは最初の,鉢△2つで、この2つの重要性はほとんど同等の比重。,鉢△里匹舛蕕鰺ダ茲垢襪は、その文の情状で判断する。

句読点のうちかた

文章に現れる符号

マル・丸・句点・終止符
テン・点・区切り点・読点・コンマ
ナカテン・中点・中黒・コンマ
マルカッコ・パーレン
カギカッコ
二重カギカッコ
"ヒゲカッコ・チョンチョンカッコ
?疑問符
!感嘆符
イコール
-ハイフン
=二重ハイフン
点線・リーダー
、、、傍点・ゴマ
中線・長棒

 その他のカッコ類もある。

不正確な引用には注意

 著者による推測や引用文の編集がある場合は、決してカギカッコで引用する形式をとってはならない。カギカッコをなくした上で、「〜という意味のことを…」とか、「私には〜という意味に受け取れた」といった表現にすべきである。

ヒゲカッコ

 ヒゲカッコは、「本当はそうではない」ときとか、「いわゆる」付きのときに使われる。「"自称"ジャーナリスト」、「不正確な"引用"をされると〜」などとして使われる。

 また、自分たちでは使わないが相手側が使う言葉をそのまま使う場合に用いる。例えば、共産党が機関紙で「韓国」とするのは、共産としてはあれは南朝鮮だからである。反対に韓国では北朝鮮のことを「北韓」と呼んでいる。

ナカテン

 ナカテンは外国語の固有名詞でよく登場する。例えば、「カール・マルクス」とか「ニューヨーク・タイムズ」とか。

 また、並列や同格の語の間にも使われる。論理構造の意味でのテン(読点)と区別するために、同格のときは構文上の論理としてのナカテンを多用したほうがよい。例えば、「報道は、いつ・どこで・誰が(何が)・どのようにして・なぜ起きたのかを書くのが常識とされている」といったようにである。

 もし文字の次元のナカテンと組み合わさるときは、「カール・マルクス、アダム・スミス、チャールズ・R・ダーヴィンの3人が〜」などと書くことが多い。しかし、テンをこのように使うと構文上の重要なテンの役割を侵害することがある。だから、ナカテンが可能なときはテンを避けるようにしたほうがよい。二重ハイフンを使い、「カール=マルクス・アダム=スミス・チャールズ=R=ダーヴィンの3人が〜」というテクニックもある。

テンの打ちかた

  1. 句読点は字と同じか、それ以上に重要。
  2. 長い修飾語が2つ以上あるとき、その境界にテンを打つ。
  3. 重要でないテンはうつべきではない。何でもかんでもテンを打つと、重要なテンとの区別が付かなくなる。
  4. 語順が逆順の場合にテンを打つ。
  5. テンというものの基本的な意味は、思想の最小単位を示すもの。
  6. 原則のテン以外は、筆者の思想として自由なテン。
  7. 構文上高次元のテン(文のテン)を生かすためには低次元のテン(節のテン)は除くほうがよい。

常識化しているテン

・重文の境目に。
 第一原則に吸収される。

・述語が咲きに来る倒置文の場合に。
 第二原則に吸収される。

・呼びかけ・応答・驚嘆などの言葉の後に。
 あくまで原則ではない。

・挿入句の前後または前だけに。
 二大原則そのものに他ならない。

漢字とカナの心理

  1. 「わかち書き」に当たる役割を果たしている。
  2. 「こん虫」式の書き方をしてはならない。当用漢字にない場合は「昆虫(こんちゅう)」と読み方を示すか、ルビを振ることである。

助詞の使い方

 係助詞「〜が」に「主語」という特別扱いをすること自体がおかしいと考えるとよい。

大人が

子供に

銭を

与えた。

 このように、「大人」「子供」「銭」の3者は、「与えた」という述語に対して平等の関係にある。

名前イギリス語
Xの連帯格gentitive(属格)
X裸かnominative(名格)
時の格
Xが主格subjective
Xを対格accusative
Xに位置格locative
Xに方向格dative,ablative,…

 それぞれは平等であるので、後は長い順にしたがって並び替えればよい。

例:

突然現れた裸の少年を(男たちが)

男たちは

見て

たいへん

驚いた。

‘輿蓋修譴人腓両年を男たちは見てたいへん驚いた。
突然現れた裸の少年を見て男たちはたいへん驚いた。

 表層構造としては文法的にはどちらも誤りではない。しかし、明らかに△里曚Δ優れた文章である。なぜなら、それはこの文章の述語が「驚いた」であって、「見て」ではないからである。

 まず、修飾する側とされる側の距離の原則によって、題目と述語とは近いほうがよい。また長い順でも、「男たちは」は後のほうがよい。よって、,茲雖△里曚Δよくなる。

 もし、「男たちは」を強調したければ、次のように最初に持ってきて逆順とし、テンを打つことになる。

C砲燭舛蓮突然現れた裸の少年を見てたいへん驚いた。

対照と題目

例:

〆Fは僕は行けない。
∨佑郎Fは行けない。

 ,蓮嶌Fは諸君だけで行ってくれ」(「僕は」を否定)の意味。△蓮嵋佑療垤腓里弔他の日に一緒に行きたい」(「今日は」を否定)の意味。

 これは傾向であって、原則とまではいえない。

例:

 「自民党とは我が党は相容れない」というとき、「自民党とは」のほうを対照とみることも可能である。しかし、題目とも取れるから、これには次の2つの解釈ができる。

ー民党とは我が党は相容れないが、民主党なら(自民党と)相容れる。 (「自民党とは」が題目)
我が党は自民党とは相容れないが、社会党となら(我が党も)相容れ得る。 (「我が党」が題目)

 したがって、文だけでは区別できず、前後の文脈で考えなければならない。しかし、会話として語られるのであれば、対照のほうを高いイントネーション(あるいはプロミネンス=強調)にして発音することで区別できる。実際にそれは会話の中で一般に行われていることである。

 しかし、文章と成ると注意しなければ誤解を招く可能性がある。そのため、原則ではないが、より誤解を招かぬためには題目を先にし、対照を後にするほうがよりよい傾向がある。

接続の「が」

 「が」の用法には、反対でもなく、因果関係でもなく、「そして」という程度の、ただ2つの句を繋ぐだけの無色透明の使い方がある。

並列の助詞

 例えば、「クジラ・ウシ・ウマ・サル・アザラシは哺乳類の仲間である」とうとき、イギリス語などは「クジラ・ウシ・…andアザラシは〜」という並べ方をする。つまり、andは最後に付けて、後はコンマで並べていく。翻訳でもこれとまったく同じ調子で、「クジラ、ウシ、…そしてアザラシは〜」としている著述家がある。だが、この表現は日本語のシンタックスにはないものである。正しい日本語にそのまま置き換えるなら、反対にandに当たる助詞を次のように前に持ってくる。

例:「クジラやウシ・ウマ・サル・アザラシは哺乳類の仲間である」

 「と」「も」「とか」も同様。

段落

  1. 段落には、ひとつの思想が提示されていることを意味する。

無神経な文章

  1. 紋切り型
  2. 繰り返し
  3. 文が笑っている
  4. 体言止め(下品)
  5. サボり敬語

作文「技術」の次に

  1. 思想や人生観は、常に細部の末端現象と結びついたものでなければ、その人生観には生命がない。

参考文献

  • 『日本語の作文技術』