目次 †
マーサ・ロジャーズの看護理論 †
- マーサ・ロジャーズはホメオスタシスモデル、さらにはその発展形であるサイバネティクスモデルの欠陥を乗り越えるべく、独自にホメオダイナミクスという声帯の成長発展を説明する理論を提唱した。
- これはシステム理論における自己組織化モデルと同じことを目指す理論である。
- ロイの看護理論におけるホメオスタシス・モデル(さらにはその発展形であるサイバネティクス・モデル)の欠陥を乗り越えるべく、ロジャーズは独自にホメオダイナミクスという生体の成長発展を説明する理論を提唱した。
- 人間を含む生物一般は、外から取り込み、内から捨てながら、自分というまとまり(秩序)を維持し続ける「負のエントロピーを特徴とする開放系(open system)である。
- ユダヤ教とキリスト教では、人間は神様が泥から作ったことになっている。そこであなたそっくりの人形を泥で作ったとする。泥人形とあなたは並んで立っているとする。時間が経つとどうなるだろうか。泥人形であれば、雨風を受けたり日に照らされ乾いて、崩れていく。一方、あなたはあなたのままである。あらゆるものが崩れ、その無秩序さを増していくというにもかかわらず、あなたはあなたの形を維持したままである。つまり、あなたはエントロピー増大の世界に当たってエントロピーを増大させない存在、秩序を維持する存在なのである。無秩序さが正のエントロピーで表されるなら、秩序だっていることは負のエントロピーで表せる。
- ロジャースは生物(人間)や環境がある場所を電気力学的なエネルギーの場と称している。
- 生物(とりわけ人間)がたえず変化しつつ、自己を維持しているものだとしたら、そうした自己の同一性(自分は自分のままであるということ)は、もはや物質的な同一性では説明できない。つまり、一年前の私の細胞と今の私は細胞は別物であるが、私は私のままである。では私が私のままである、ということは何によって説明できるのか。それは自分を構成しているパターンということになる。さらに物質的でないということから、このパターンによる構造は、電気のようなエネルギーによって作られていくのではないかという類推が働いていたわけである。
ホメオダイナミクス †
- ロジャーズによって提唱された、生物の変化進展を説明する原理のこと。
ホメオダイナミクスの原理 †
- 相互性
- 共時性
- 共鳴性
- 人間と環境の互いの変化が共鳴しあうことを意味する。
- らせん運動性
- 人間と環境が互いに作用しあう結果、ともに多様なものへと進化(発展)していくことを意味する。
[補講]ロジャーズは、のちのモデルでは相互性と共時性をまとめて、相補性あるいは結合性と呼んでいる。共にその内容は、人間と環境が相互に同時に作用しあうことを意味する。 ◇
ホメオダイナミクスと看護 †
統一体としての人間が、環境との関係において、ホメオダイナミクスのパターンにしたがって十分に展開していくことを手助けすることが、看護であるというわけである。
参考文献 †