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目次

引きこもり

・精神分析家の小田晋氏は、引きこもりの若者は極端なナルシシストが多く、その家族関係は父性が希薄で、母子密着型の傾向が強いといっている。

・ナルシシストの根本には、自分を守ってくれる者(両親)に対する甘えがあるが、それを両親が受け止めきれなくなったとき、それは依存性攻撃となって現れる。赤ちゃんがダダをこねるのと同じだが、思春期の若者がこれをやれば家庭内暴力である。

 また、家庭内で父性が希薄だと、他人や社会と付き合っていくためには我慢が必要だということが学べなくなる。その結果、彼らは学校や職場でちょっとしたミスを犯したり、他人にバカにされたりすると、そのショックに耐えられず、家庭に引きこもるようになる。しかし、この段階では、彼らは社会に対する関心もあれば、学校に戻りたいという気持ちもある。さらにいえば、ナルシシストだけに人から称賛されたいという欲望も旺盛なのである。ところが、傷付くのを恐れて家庭に引きこもってしまえば、人から称賛される機会はなくなるため、彼らの中では欲求不満がたまってくる。同時に「自分はダメな人間だ」という劣等感も生まれてくる。こうした欲求不満と劣等感を解消するためには、家族に八つ当たりするしかない。こうして家庭内暴力はますますエスカレートしていく。

 ここから先は、本人の想像力と大いに関係がある。引きこもり生活を続けているうちに、漫画やビデオやインターネットなどの世界にどっぷり使ってしまう若者は少なくない。現実の世界では生きられない以上、彼らがバーチャル(擬似的な)世界にはまるのは当然の成り行きといえる。都合がいいことに、バーチャル名世界では、自分は思いのままに振舞うことができる。絶対君主になれるのだ。彼らの中で歪んだ想像力を持つ者は、その幻想をどんどん肥大化させていく。

 そしてある日、バーチャルな絶対君主では物足りなくなった彼らは、自分の存在感を確かめるように、現実の世界でも同じことを試そうとする。