第1世代(1G) | ・1980年代。 ・FDMA方式を採用したアナログ携帯電話。 ・自動車電話を持ち運べるようにした電話。 ・重量があり、価格が高かった。 ・現在、日本ではもう提供されていない。 ・この頃はアナログだったので、広帯域受信機で傍受可能だった。 |
第2世代(2G) | ・1990年代。 ・TDMA方式を採用したデジタル携帯電話。 ・軽量化や低価格化が進み、携帯電話が普及・浸透した。 |
第3世代(3G) | ・2000年代。 ・CDMA方式を採用したデジタル携帯電話。 ・雑音のないクリアな音質で会話ができるようになった。 ・高速なデータ通信が実現される。 |
2つのアナログ方式があった。こうした経緯から、首都圏と中部圏での通話が主であり、基本料金や本体の価格を安く抑えたいというユーザーは料金のIDOを支持した。一方、どこでも誰とでも通話がしたいというユーザーの人気はNTTドコモを支持した。ちなみに、IDOはNTTドコモの基地局を借りたHICAP方式のサービスを提供しており、使用する方式を選択可能であった。
・NTTが自動車電話を発売して以降設備を拡大してきたアナログ方式。
・1992年にNTTから移動体通信部門が分社化されたNTT DoCoMo(NTTドコモ)がインフラを引き継いだ。10年以上かけて整備してきたサービスエリアの広さは圧倒的であり、出張が多いビジネスマンなどの幅広い地域で利用したいユーザーから支持された。
・HICAP方式の搬送波の間隔は、初期のNTT方式の半分の12.5kHzになっている。さらに、インターリーブを導入することにより、搬送波の間隔を6.25kHzにすることができたので、従来に比べてはるかに多くの人が同時に通話することができるようになった。
・High Capacityや大容量には、当時使われていた他の携帯電話の企画より多くの人が通話できるといういいが含まれていた。帯域幅は、当時採用されていた他の通信規格よりも狭く通話品質が劣っていたが、それよりも通話待ちがほとんどない方式であることがアピールされていた。
・日本では、NTTドコモとIDOがこの方式を採用していた。
・IDOは当初HICAP方式を採用していたが、その後モトローラが開発したTACS方式を採用した。
・当時、欧米では日本独自のHICAP方式とは異なる方式が採用されており、あまりかではAT&Tとモトローラが開発したAMPS方式、イギリスではモトローラが開発したTACS方式が既にデファクトスタンダート化していた。日本はアメリカに対して、膨大な貿易黒字を抱えていたため、この要請を断ることができなかった。その結果、既にインフラが整備されつつあるHICAP方式に加えて、新たに専用の設備を導入する必要があるモトローラ方式がセルラー各社で採用されることになったわけである。
・TACS方式は、HICAP方式とは互換性がなく、HICAP方式の基地局は使用できなかった。そのため、首都圏と中部圏ではIDOのTACS方式の基地局を、それ以外の地域ではセルラー各社のTACS方式の基地局をお互いに貸し借り(ローミング)して、通話サービスを提供していた。しかし、ローミングを行ってもHICAP方式と比較するとサービスエリアが狭く、当初はローミングに別途追加料金が必要だったこともあり、出張が多いビジネスマンには人気がなかった。
・また、当時は2つのアナログ方式間で通話できないという不便な点もあった。
・JTACSはDDIセルラー各社、NTACSはIDOと後期になってDDIセルラー各社が採用した。
複数の通信方式が混在し、方式によって料金がそれぞれ異なったり、相互通話ができないなど、各社が提供するサービスはユーザーにとって複雑な状況では会ったが、低価格化や販売促進、営業展開によってユーザーは増え続けた。
ユーザーが増加するにつれて、アナログ方式より電波を効率的に利用できるデジタル方式が必要という声が大きくなった。そして、郵政省は既に普及していたアナログ方式で使用している800MHz帯にデジタル方式を導入することに決めた。しかし、効率がよいといっても、急速に増加するユーザー数に800MHz帯はますます混雑していった。そんな状況に対応するために、政府はさらに1.5GHz帯をデジタル方式専用に割り当て、利用を推し進めることにした。
この1.5GHz帯には、NTTドコモグループに加えて、デジタルホンとツーカーが新規参入することになった。
こうして、デジタル方式には800MHz帯と1.5GHz帯の2つが存在することになった。
・このときに採用されたデジタル無線通信方式はPDC(Personal Digital Cellular)である。
・たびたび「このときPDC方式を採用したため、日本は後々グローバル化が遅れることになった」といわれる。
・2001年5月に、NTTドコモはIMT-2000方式による第3世代携帯電話サービス「FOMA」を試験的に開始した。10月から本格的サービスを開始した。
・movaからFOMAへの3Gサービスの進化は次の通り。
FOMA | mova | |
データ伝送速度(理論値の最大) | ・下りは384kbps ・上りは64kbps | ・下りは28.8kbps |
iモードメール | ・文字数制限は送受信とも全角5,000文字。 ・1通のメールを最大5件の宛先へ同報。 ・メールが受信できなかった場合、最大3回まで再送信可能。 | ・文字数制限は全角250文字。 ・設定により分割して2,000文字まで受信のみ可。 |
iアプリの制限 | ・FOMA N2001は、JAR容量が10Kバイト。スクラッチパッド容量が10Kバイト。 ・機種によって変更になっている。 | ・当初はJAR容量が10Kバイト、スクラッチ容量が10Kバイト。 ・機種によって変更できる。 |
携帯電話から基地局へアクセスするときの多重化方式にはいくつかある。
FDMA(周波数分割多重) | アナログ携帯電話において利用されていた方式 |
TDMA(時分割多重) | PDC方式の携帯電話で利用される |
CDMA(符号分割多重化アクセス) | CDMA方式の携帯電話で利用される |
第3世代(3G)では本来ひとつの通信方式で統一されるべきところを、NTTドコモやEricsson社が開発したW-CDMA方式や、米国のQUALCOMM社を中心に提案したCDMA2000方式など、結局は複数の通信方式がIMT-2000として認めれて、通信事業者ごとにいずれかを採用することになってしまった。
第2世代の方式 | 第3世代の方式 | 主な採用国 | |
PDC(日本仕様) | CDMA Direct Spread(DS-CDMA) | W-CDMA(DS-CDMA) | 日本、欧州 |
GSM(欧州仕様) | |||
IS-95(米電気通信工業会標準仕様) | CDMA Multi Carrier(MC-CDMA) | cdma2000(MC-CDMA) | 日本、韓国、米国 |
CDMA TDD(T-C)(TD-CDMA) | TD-SCDMA | 中国 | |
IS-136(北米仕様) | TDMA-Single Carrier(拡張D-AMPS、EDGE) | UWC-136 | 米国 |
IMT-FDMA/TDMA(FT-CDMA) | DECT | 欧州 |
現在、日本では事業者それぞれに次の方式が採用されている。
NTTドコモ(FOMA) | W-CDMA方式 |
vodafone(3G) | |
au | CDMA2000方式 |
・FOMAではATM網を利用する。
・携帯電話であれば、音声データとインターネット通信データ用など個別に構築されていあネットワークを統合して、効率的で拡張性の高いネットワークを構築するのに最適である。
・各国の世代における通信システムの推移は次のようになっている。