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目次

光ファイバー

 FTTHで使われている光ファイバーはゲルマニウムと石英ガラスで作られていて、外径0.125mmと非常に細い。これではすぐに折れてしまうため、周りにナイロンの皮膜が施されている。この光ファイバーを束ねたものが光ファイバーケーブルである。

 レーザー光は直進するのに対して、電話局から家庭までの配線部分で光ファイバーケーブルは曲がりくねっているにもかかわらず、どうして信号が家庭まで届くのかという疑問がある。その答えは、光ファイバーの中央部分には屈折率の高いガラス、周辺部分には屈折率の低いガラスが使われている。これによってレーザー光が屈折率の原理より全反射が行われ光ファイバーケーブルが曲がっていてもデータ通信が可能なのである。ちなみに、全反射では光のエネルギーの損失が無い点が重要である。

光ファイバーの特徴

  • 光ファイバーは、極めて透明度の高い石英ガラス(SiO2)でできている。
    • 石英ガラスは、プラスチックなどの他の光ファイバーの材料に比べて、伝送損失が小さい、伝送帯域が広い、長期信頼性が高い、安価であるなどの特徴がある。

光ファイバーと銅線の特性の比較

銅線光ファイバー
伝送容量
信号の減衰
電磁ノイズの影響無し
折り曲げなどの破損

光ファイバーの伝送特性

  • 光損失
    • 光ファイバー損失
      • 結合損失
      • レイリー散乱損失
      • 吸収損失
      • 構造不完全による損失
      • マイクロベンティング損失
      • 曲げ損失
    • 光接続損失
  • 伝送帯域
    • モード分散による帯域制限
    • 波長分散(構造分散、材料分散)による帯域制限

光ファイバーの構造

 光ファイバーはコア・クラッド・保護層の3つから構成されている。

 コアとクラッドは、屈折率が異なる素材で構成されており、光はコアの中を全反射を繰り返しながら進む。つまり、次のような大小関係が成り立っている。

(クラッドの屈折率)<(コアの屈折率)

全反射

 光が屈折率の大きな物質から小さな物質に伝わるとき、その境界面で一部は手前の物質内に反射され、残りが境界面の向こう側の物質内に伝わっていくが、境界面に対して光の伝わる方向を傾けていくと、ある傾き角を過ぎたところから、すべての光が手前の屈折率の大きな物質内に反射され、境界面の無効には伝わらなくなってしまう現象が起こる。これを全反射という。

 簡単にいうと、屈折率の高い物質から低い物質へ光が進む場合、境界面で透過せずに全て反射することである。

 光ファイバー内では、屈折率の大きなコア部分とそれを取り囲む屈折率の小さなクラッド部分の境界面で全反射され、光がコア内に閉じ込められる。

 

光ファイバーの性質

・細くて軽い

・メタリックケーブルの16,000倍、銅ケーブルの6,000倍の伝送能力。

 つまり、情報量の多い映像信号もデジタルで送ることができる。

・伝送中の減衰が少ないので、数十kmを無中継で送れる(従来の銅ケーブルでは1.5kmごとに中継器が必要)。

・材料は珪素

 ガラスの材料なので安価かつ資源無尽蔵。

・光ファイバーは絶縁体なので、電気的妨害(雑音や落雷など)に強い。つまり、高品質である。

光ファイバーの分類

イメージファイバー

・画像の取り出しに使われるファイバー。

・細いファイバー数万本を入口と出口の並べ方が同じように束ねて作られる。

・入口付近の画像はファイバー1本1本に対応した点(画素)に分解されて、各ファイバーに取り込まれ、出口ではそれらの点を繋げた画像が再現される。

・高精彩な画像が送れるようにするために、いかにファイバー寸法を細くし、いかに多数のファイバーを束ねるかが、これを加工するときの腕の見せ所である。

・胃カメラ、人の入れない高温環境や狭い場所の観測など工業用途に使われる。

シングル(単一)モードファイバー

・コアの太さ約0.01mm以下

・長距離の通信に向いている。

・通信速度の追求に向いている(10Gbps以上も可能)。

・1964年に完成した太平洋海底ケーブルもシングルモード型光ファイバーが採用されている。

・長距離の伝送を可能にするには途中で光を吸収されて減衰してしまわないことも重要で、光が吸収される元となる不純物を含まない透明度の高い石英ガラスが材料として使われる。

マルチ(多)モードファイバー

・コアの太さ約0.05mm程度

・近距離(数km)の通信に向いている。

・シングルモード型より連結が楽である。

・コアが太いということは、色々な経路を通ることになってしまう(余計な反射が多いといこと)。これにより伝送距離が長くなるほど信号の到達時間にズレが生じ、通信速度の追求には向かない(100Mbpsまでは十分可能)。

・メタリックケーブルの16,000倍、銅ケーブルの6,000倍の伝送能力。

 つまり、情報量の多い映像信号もデジタルで送ることができる。

・伝送中の減衰が少ないので、数十kmを無中継で送れる(従来の銅ケーブルでは1.5kmごとに中継器が必要)。

・材料は珪素

 ガラスの材料なので安価かつ資源無尽蔵。

・光ファイバーは絶縁体なので、電気的妨害(雑音や落雷など)に強い。つまり、高品質である。

光ファイバケーブル

 従来の銅製ケーブルに比べて、次の特徴を持つ。

  • 低損失
    • 伝達する情報のエネルギーロスが極めて少ない。
    • 大容量の情報を中機器無しで長距離伝送できる。
  • 広帯域
    • GHzの周波数帯の情報を送信可能。
    • 大容量の情報を中機器無しで長距離伝送できる。
  • 細径・軽量
    • ケーブル化しても細くて軽い。
    • 髪の毛ほどの細さ。
    • 輸送や工事が容易。

光ファイバ心線

 皮膜の中にはクラッド(コアより屈折率の高いガラス)がある。また、真中にコア(ガラス)がある。コアの中を近赤外線レーザーが、クラッドにより全反射しながら進む。

光ファイバーの作り方

1:原料となる石英はケイ素の酸化物で、天然の砂の中に大量に含まれている。

 砂の中には不純物がたくさん含まれるので、これから純粋なケイ素だけを取り出すために、塩素と分化させてケイ素の塩素化合物(四塩化ケイ素ガス)を作る。

2:このガスに酸素や水素を混ぜて燃やすと、塩素が酸素と置き換わって、スス状の酸化ケイ素ができる。

3:これを集めて棒状にし、溶かして固めれば、高純度で透明な石英ガラス棒ができる。

 このとき、少量のゲルマニウムの塩素化合物を混ぜて燃やせば、石英ガラス棒の屈折率を大きくすることができる。

4:こうしてできた屈折率の少し大きな石英ガラス棒を中心軸にして、その周りにゲルマニウムを含まない酸化ケイ素のススを吹き付け、石英ガラスを太らせる。

 これで、ファイバーのコアに当たる屈折率の大きな芯の部分とクラッドに当たる屈折率の小さな周辺部分の原型ができる。これはちょうどファイバーの断面構造をそのまま1,000倍程度太くした形をしていて、ファイバー母材と呼ばれている。

[補講]真の部分を中心軸にした正しい円形のファイバー母材を精度よく作る技術は、日本で開発された。垂直軸付け法(VAD法)と呼ばれる方法である。

光ファイバーの取扱いの注意

 光ファイバーが破損した場合は修理が困難であるため、取扱いには次の点に注意する必要がある。

・ケーブルをまとめる場合、許容最小曲げ半径(30mm〜100mm)以上を確保する。

・重いものを載せない。踏まない。

・きつく縛らない。鋲でとめない。

発光デバイスと受光デバイス

発光デバイス(発光素子)

・電気→光変換。

・電流を流すことで波長の揃った強い光を発する半導体レーザー(LD)が用いられる。

・光通信では、ファイバーが最も透明になる光線の色(波長)に合わせて、目に見えない赤外線の波長(1.3μmまたは1.55μm)で発光するLDが用いられる。

・当初は安価な発光ダイオードを発光素子として利用。現在では安定して通信できる半導体レーザーダイオードが発光素子として利用されている。例えば、現在のπシステムでもONUと電話局の間の信号のやりとりで大抵この半導体レーザーが利用されている。

受光デバイス(受光素子)

・光→電気変換。

・受光素子とは光(ここではレーザー光)を信号として認識するための素子のことである。

・太陽電池と同様な原理のフォトダイオード(PD)が用いられる。

・太陽電池ではできるだけ光を受ける面積を大きくして電流の増加を図るが、PDでは高速に変化する光信号に比例した電流を取り出すため、受光面の直系は0.1mm以下に小さくする。

・太陽電池では可視光を吸収するシリコン半導体が用いられるが、PDでは近赤外の波長に合わせて、ゲルマニウム半導体やLDと同種の材料を用いた化合物半導体が使用される。

光ファイバーの応用技術

光ファイバー増幅

・光信号の増幅は、エルビウムと呼ばれる特殊な不純物を含まれた光ファイバーを用いて行われる。

・この特殊なファイバーに増幅したい光信号を通すと同時に、この光よりも適度にエネルギーの大きい(波長の短い)光を通すと、エネルギーの大きい光から増幅したい光にエネルギーが与えられ、光信号が増幅される。

波長分割多重(WDM)

・ギガビット転送。

・一度引かれた光ファイバーケーブルの芯線数を増やすことなく、情報の伝送量を何倍何十倍にもふやすことができる画期的な技術。

・ファイバーの入口に合成器(複数の光をひとつにまとめる)、出口に分波器(元のひとつひとつ波長の違う光に分離する)を設置する。

光導波路

・合波器や分波器を光ファイバーで作ろうとすると、枝分かれ部分が複雑で体積も大きくなる。この問題を解決する方法として、光導波路の技術が開発された。

光時分割多重(OTDM)

・数百ギガビット、テラビットの通信用。

・光の周波数は電気に比べて、3〜4桁大きいので、ピコ秒(10-12秒)以下の超短波パルスが比較的容易に得られる。この超短光パルス性を利用して、光のまま時分割的に多重・分離を行う光時分割多重(OTDM)技術が提案された。

・OTDMを実現するには、安定な超短光パルスの発生、ピコ秒で動作する光MUX/DEMUX回路、光パルスの到着時間の変動を検出するタイミング抽出回路など、新しい光技術の開拓が必要。

参考文献

  • 『図解いちばんやさしいADSL&光ファイバー通信』
  • 『イラストで電気のことがわかる本』
  • 『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 電子』
  • 『やさしい光技術』
  • 『通信担当者のためのVoIP Q&Aで学ぶ基礎』
  • 『完全対策 NTTコミュニケーションズインターネット検定 .com Master教科書 ★★2005』
  • 『完全対策 NTTコミュニケーションズインターネット検定 .com Master教科書 ★2004』
  • 『週刊アスキー 2002,2,19』
  • 『図解雑学 電磁波』
  • 『落ちないサーバー構築のためのハードウェア強化マニュアル』
  • 『情報ネットワーク施工実務マニュアル』