目次 †
高杉晋作 †
- 吉田松蔭の門人。
- 10歳の頃に天然痘にかかっており、顔にあばたが残っていた。
- 工事中のイギリス公使館を焼き討ちした。
- 黒船の来航にあわてた幕府は、東京湾に砲台を築こうとして、その埋め立てに御殿山を切り崩した土砂を使った。そのため庶民の行楽地であった御殿山は規模が小さくなってしまい、さらにそこに外国公館を建設したため庶民の反感を呼んだ。これがイギリス公使館焼き討ちの背景である。
- 元次2年（1865年）2月に、高杉と同志たちが幕府に恭順の意を示した長州藩の保守派政権を「俗論党」と名付けて武力によってその打倒に成功する。
- その結果、長州藩は尊皇攘夷ひいては倒幕一色になった。
- 金門の変を起こしたときよりも高性能な武器とより優秀な戦術を身に付ける必要があった。
- 武器の問題に関しては、公武合体論を見限った薩摩藩が解決してくれた。長崎在住のトーマス・ブレーク・グラバーからゲベール銃3,000挺、ミニエー銃4,000挺を購入した。この時期の幕府や公武合体派諸藩の銃は昔ながらの火縄銃が周流であり、大雨や強風の中では発射しにくく、射程も短いという欠点があった。
- 戦術の問題に関しては、長州藩にいた大村益次郎によって解決する。彼はオランダの兵学書を翻訳しており、新式銃を主武器とし、軽装で戦う洋式戦術を教えた。
- イギリスに洋行しようとしたが、トーマス・ブレーク・グラバーと同席していた領事であるラウダに止められる。幕府が第二次長州征伐を進めようとしているのに、重要な人物である高杉晋作が海外旅行をするなどおかしいというのである。
- 上海旅行のときに購入した拳銃2丁のうちのひとつを坂本竜馬に贈っている。
- 坂本は寺田屋で襲撃されたときに、晋作からもらった拳銃で防いだが弾丸を使い果たしてしまった。そのため、近江屋では拳銃をもう所持していなかったのである。
- 不眠不休の激務の間に労咳（結核）に冒されてしまう。
- 慶応3年3月29日、長州藩が晋作に禄100石を与え、高杉本家とは別に一家を興すことを許した。
- 藩がその功に報いたのは、晋作の死がそう遠くないと知ったからである。
- 慶応3年4月14日の午前八つ刻（2時）に、晋作は亡くなった。
- わずか29歳の生涯であった。
- 見舞いに来た井上聞多【もんた】（後の馨【かおる】）たちに「ここまでやったのだから、これからが大事じゃ、しっかりやってくれろ」と語ったのが遺言になった。
- 明治42年（1909年）に、東行庵裏の清水山に晋作の顕彰碑が建てられた。
- その顕彰碑には伊藤博文の撰文【せんぶん】で「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」と夭折【ようせつ】した晋作を惜しんでいる。
- 土屋蕭海【つちやしょうかい】が書いた吉田松陰の伝記の原稿を読んで、怒って破り捨てた。
- そのため、土屋による吉田松陰の伝記は残っていない。
- この話は野村靖が雑誌の中で語っている。
参考文献 †
- 『高杉晋作 戦闘者の愛と死』
- 『幕末入門』
- 『東京を江戸の古地図で歩く本』
- 『知られざる「吉田松陰伝」 『宝島』のスティーヴンスンがなぜ？』
