窃盗担当の仕事たちの間では「窃盗常習犯は、ヤサ（住居）を出ると後ろ向きに歩く」といわれている。
その理由を理解するには、警察側の泥棒捜査の方法を知る必要がある。まず泥棒捜査の方法は、犯行手口を調べ、常習犯名簿から同じ犯行手口のものをピックアップする。最終的には、泥棒のヤサを突き止めることが目的になる。ヤサさえわかれば、逮捕は目前である。後はそのヤサをひたすら張り込み、容疑者がヤサから出たら尾行して、犯行現場を押さえればよいのである。
よって、窃盗常習犯は、自分が警察に監視され、実際の窃盗現場を押さえられることを懸念して、尾行を確認するために後ろ向きに歩く傾向にあるわけである。
