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毒劇法の目的

 毒物および劇物について保健衛生上の見地から必要な取締りを行うことである。

  • 保険衛生上の見地
    • 社会において公衆の生命・健康を守り、これを増進・向上させる立場である。
  • 取り締まり
    • 毒物または劇物の販売・授与・製造または輸入の許可、さらには容器・包装への表示、貯蔵・運搬の方法、緊急時の措置などに対する規制がある。

毒物劇物とは何か

  • 法令によると、明確な定義を述べる条文はないが、毒性の強弱によって次のように3つに分類している。
  • ただし、該当するものはいずれも医薬品及び医薬部外品以外のものと規定されている。つまり、いくら毒性があるとしても、医薬品と医薬部外品は毒物の中に含まれないわけである。なぜなら関係する法規が違うため。医薬品と医薬部外品は薬事法により規定されている。ちなみに、医薬部外品は作用が穏やかなので実際にはどちらにも属さない。
  • 毒物や劇物以外の物質は、普通物と読んで区別する。

業務上取扱者の届出が必要な事業

事業業務内容
電気メッキ・金属熱処理を行う事業業務上、シアン化ナトリウム、無機シアン化合物で毒性であるもの(製剤を含む)を使用して、左記の事業を行うもの。
毒物劇物の運送事業最大積載量が5,000kg以上の大型自動車に固定された容器を用い、または内容積が四アルキル鉛を含有する製剤の場合200リットル以上、その他の毒劇物の場合は1,000リットル以上の容器を大型自動車に積載する事業。
対象毒劇物:施行令別表第2に掲げる黄燐、四アルキル鉛を含む製剤など23品目。
白蟻防除を行う事業砒素化合物およびその製剤で毒物であるものを使用して、左記の事業を行うもの。

製造・輸入・販売の制限

[第3条(改)]
製造業の登録を受けた者以外は、毒物劇物を製造してはならない。
輸入業の登録を受けた者以外は、毒物劇物を輸入してはならない。
販売業の登録を受けた者以外は、毒物劇物を販売してはならず、またそのために貯蔵、運搬、陳列してもならない。

製造業、輸入業、販売業の登録

  • 毒物劇物営業者とは、毒物または劇物の製造業者、輸入業者および販売業者のことである。

登録を行う者

製造業、輸入業は製造所または営業所ごと厚生労働大臣
販売業は店舗ごとその店舗の所在地の都道府県知事

登録手続き

製造業は製造所ごと
輸入業は営業所ごと
その所在地の都道府県知事を経て厚生労働大臣に申請書を提出する。
販売業は店舗ごとその所在地の都道府県知事に申請書を提出する。

・登録を取り消された場合、取消しの日から起算して2年を経過しなければ、登録できない。

登録の更新

製造業、輸入業5年
販売業6年

・更新はそれぞれ満了期日の1ヶ月前までに登録更新申請書を提出する。

・提出先は登録時と同様。

登録の内容

・申請者の氏名、住所(法人の場合は、名称と主たる事務所の所在地)

・製造業または輸入業の登録は、製造または輸入しようとする毒物または劇物の品目

・製造所、営業所または店舗の名称と所在地

・毒物劇物取扱責任者の氏名、住所

登録の変更

・製造業者または輸入業者が登録の場合は、登録変更の手続きを取る。

・提出先は登録時と同様。

・変更を届け出なければならないが、登録票の書換え交付申請については、任意であっても必ずしも提出の必要性はない。

登録が消される(できない)とき

・設備規準が満たされない場合

・設備規準を満たすための改善命令を受け、期限内に措置を取らない場合

・法律またはこれに基づく処分に違反する行為があった場合

設備規準

製造作業を行う場所についての必要な設備

参考文献

  • 『これだけはマスター!基礎固め毒物劇物取扱者試験』