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非接触ICカード用のアンテナコイル

製造方法

 非接触ICカード用のアンテナコイルの製造方法は巻き数・埋め込み・エッチング・伝導性インクなどいくつか注意すべき点がある。

  • 巻き数工法
    • 135kHzの場合、コイルの巻き数が100ターン近くあり、コイル自体の厚さが厚くなってしまう。このため、緩衝となるシートを挟んでカードにプレス加工します。 しかし、13.56MHzになると数ターンで済むので、直接基板上に埋め込んだり、印刷したり、エッチングしたりする。
  • 埋め込み巻き線工法
    • ICチップにコイル導線をボンディングして超音波を使用してシートに巻き線を埋め込む。
  • スクリーン印刷工法
    • シルク印刷によって銀ペーストでコイルを基板上に成形する。スクリーンの微細度と繊維の強さが印刷の解像度とインクの粘度を決定する。一般的に導電層の厚さ、線の幅、そして巻き数がコイルの抵抗を決定する。例えば、2〜7の巻き数のコイルでは2〜75Ωになる。
  • エッチング工法
    • プラスチック板の上に導体を付着させたシートにエッチング加工によってコイル状の導体部分を残して成形する方法である。 エッチング方式で制作されたコイルは精度もよく、導体抵抗も低いので、Qの高いコイルを作ることができる。
  • メッキ工法
    • エッチングは不要な部分を溶解させて取り除くが、メッキ工法では必要なコイルパターンを析出させる。析出部分が少ないので、短期間でコイルを作ることができ、コストダウンができる。

[注釈]Qとはコイルの特性を表す係数である。Qの値が高いと損失が少なく、鋭い共振特性を示す。 ◇

非接触ICカードで用いられる符号化

 非接触ICカーシステムでよく用いられる符号化はNRZ・マンチェスタ・単極RZ・ミラー・パルス位置符号化などがある。

NRZ符号化(非ゼロ復帰)方式

  • 最も単純な符号化である。
  • 仮に論理値1をハイレベル、論理値0をローレベルとして、論理値が変わるまでそのその状態を保持する。
  • NRZ符号化はFSK、PSKでも用いられる。
  • この場合、周波数または位相が論理値に従って変化した後、次に論理値が反転するまでその状態(周波数または位相)を保持することを意味する。
  • NRZ符号化方式は、論理状態が変化したときのみ側波帯に現れるので、帯域が最小で済む点が特徴である。しかし、交流結合回路(キャパシタ、トランス結合)では、直流が通過しないので、同じ論理状態が続くとレベルシフトが発生してしまう。ただし、これはベースバンドのNRZ信号であり、搬送波に乗っている状態では搬送波は交流なのでレベルシフトは起こらない。
  • 復調したベースバンド信号から論理値を再生するには、同期クロック(サンプリングパルス)をビット間隔の中央に配置してサンプリングする。そして、同期クロックは、シリアルデータ列のスタートビットの前縁のトランジェントに同期させる。

RZ符号化(ゼロ復帰)方式

  • 仮に論理値0をローレベルとすると、論理値1のとき一旦ハイレベルになりビット間隔内で元のローレベルに戻る。論理値0は変化せずにローレベルのままになる。つまり、論理値1のときはパルスを発生し、論理値0のときはパルスを発生しないわけである。
  • 最も変化の激しいデータ列で共振変調したとき、NRZとRZの基本周波数を比べると、2倍違う。よって、RZは側波帯の広がりが大きいため、電波規則を満足するために、変調度を下げる必要がある。
  • NRZ符号化方式と同様に、復調したベースバンド信号から論理値を再生するには、同期クロック(サンプリングパルス)をビット間隔の中央に配置してサンプリングする。そして、同期クロックは、シリアルデータ列のスタートビットの前縁のトランジェントに同期させる。

マンチェスタ符号化方式(スプリット位相コード)

  • 論理値1はビット間隔の中央で負方向に変化して、論理値0は同じく中央で正方向に変化する。
  • この方式は、レベルの変化だけとは限らない。
  • ビットを表す2つの物理状態を、電圧レベルだけでなく、周波数f1/f2、位相0°/180°としたとき、論理値1がビットの中央でf1→f2、位相0°→180°方向に移行すれば、論理値1はその反対方向に移行する。
  • 論理値からマンチェスタ符号化信号に変換するには、ビット間隔に相当するデューティ1/2のクロックパルスと論理値との排他的論理和(XOR)をとる。

ミラー符号化方式

  • 論理値1のとき、ビット間隔の中央でどちらかのレベルに変化する。
  • 論理値0のときは論理値1に続く場合はそのレベルを維持する。そして、論理値0に続く場合はビット間隔の始めで変化する。

変形ミラー符号化方式

  • ミラー符号化の変形である。
  • ミラー符号化のレベルの変化点を微分して負パルスを発生する。
  • この符号化は、誘導結合のリーダーからICカードへの伝送に最適である。

パルス間隔符号化方式

  • スタートビットのパルス感覚時間を基準にして、次に来るパルスまでの時間がそれより大きければ論理値1とし、小さければ論理値0とする。
  • この方式は、イスラエルが近接型タイプDとして提案したが、国際標準には採用されなかった。

パルス位置符号化方式

  • フレームスタート信号を基準に、ビットデータをデコードした位置にパルスを発生する方式である。
  • 速度は遅いが距離が伸びるという特徴がある。
  • この方式は、近接型ICカード(ISO/IEC 15693)やRFID(ISO/IEC 18000-3)で採用されている。