ソフトウェア開発プロセスは目に見えないので実態がつかみにくい。そして、技術者の個人差が大きく結果のばらつきが大きい、技術進歩が速く陳腐化が速いという問題がある。
よって、ソフトウェア開発に問題を抱えている組織は、次のような特徴を持つことになる。
それに対して、ソフトウェア開発を上手に行っている組織は、次のような特徴を持つ。
ソフトウェア開発を上手に行う組織になるためには、時間がかかり、継続的な努力が必要である。このプロセス改善を積み重ねて、ソフトウェア開発方法について学習し、成熟していく過程をモデル化したものが、プロセス成熟度モデルである。つまり、この熟成度モデルに則ることで、健全なソフトウェア開発を行える組織になることができる。
CMM（the Capability Maturity Model：熟成度モデル）は、米国カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所（SEI）のW.ハンフリー教授が提唱したソフトウェアプロセス熟成度を評価するためのソフトウェアプロセスのモデルである。ソフトウェア分野における開発プロセスの熟成度を5段階に分けて、組織およびプロジェクトのプロセスを評価する。
そもそもは軍のサービス部門に対して優秀なソフトウェア外注先を決定する基準を与えるという、米国空軍からの研究依頼から発展したものである。現在はソフトウェア組織の評価手段として使われる。
このモデルの決定版であるCMM Ver1.1が、現在デファクトスタンダードとして世界中で使われている。
CMMのロードマップは、次の5段階のプロセスモデルがソフトウェア組織のプロセス能力の範囲を示している。
ソフトウェア組織はレベル1からレベル5に向かい改善することで、より品質の高いソフトウェアを効率よく生産できる組織へ変化する。
