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*目次 [#v571878a]

#contents

*巡回群 [#jde51ab4]

#divid(s,thorem)
[定義]群Gの元aに対して、aSUP{n};の形の元(nは整数)全体の作る集合を<a>で表す。

 <a>={…, aSUP{-3};, aSUP{-2};, aSUP{-1};, aSUP{0};, aSUP{1};, aSUP{2};, aSUP{3};, …}
#divid(e,thorem)

*巡回部分群 [#l8f29d26]

#divid(s,thorem)
[定理]<a>はGの部分群である。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明の方針]<a>はGの元から成る集合であるため、部分群の判定法を用いる。

[証明]

[1]まず、<a>が積に閉じていることを示す。

<a>に属する元はaの累乗であるため、2つかけるとaSUP{m};aSUP{n};=aSUP{m+n};となり、結局aの累乗である。

よって、<a>は積について閉じている。

[2]aの0乗は単位元だから、単位元は<a>に属する。

[3](aSUP{n};)SUP{-1};=aSUP{-n};だから、<a>に属する元の逆元は、また<a>に属する。

ゆえに、[1]〜[3]より、<a>はGの部分群である。 □
#divid(e,proof)

#divid(s,thorem)
[定義]群Gの部分群の中で<a>の形のものを、Gの''巡回部分群''という。
#divid(e,thorem)

#divid(s,thorem)
[定義]G自身がある巡回部分群に等しいとき、即ちG=<a>であるとき、Gは''巡回群''という。~
このとき、aは巡回群Gの''生成元''という。
#divid(e,thorem)

*巡回群とアーベル群の関係 [#sd8dcade]

#divid(s,thorem)
[定義]巡回群は[[アーベル群]]である。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明の方針]巡回群は群であるため、交換法則だけを確認すればよい。

[証明]G=<a>を巡回群とする。

2つの元aSUP{m};とaSUP{n};を取ると、

-aSUP{m};aSUP{n};=aSUP{m+n};
-aSUP{n};aSUP{m};=aSUP{n+m};

ここで、m+n=n+nであることを用いると、aSUP{m};aSUP{n};=aSUP{n};aSUP{m};が成り立つ。つまり、交換法則が成り立つ。

ゆえに、巡回群Gはアーベル群である。 □
#divid(e,proof)

*巡回群の位数 [#j59b2342]

#divid(s,thorem)
[定理]群Gの元aの位数は、巡回部分群<a>の位数に一致する。~
&mimetex("|a|=|<a>|");
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明の方針]

[1]群Gの元aの位数が有限の場合

aの位数をkとする。

<a>={e,a,aSUP{2};,…,aSUP{k-1};}

|<a>|=k

[2]群Gの元aの位数が無限の場合

<a>={…,aSUP{-2};,aSUP{-1};e,a,aSUP{1};,aSUP{2};,…}

|<a>|=∞

#divid(e,proof)

**巡回群の[[部分群]] [#n7be36e7]

#divid(s,thorem)
[定理]巡回群の部分群は、巡回群である。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]Gを巡回群、aをその生成元とする。即ち、G=<a>とする。

HをGの部分群とする。

[1]Hが[[単位群]]の場合、即ちH={e}の場合

H={e}=<e>

よって、Hは(eを生成元とする)巡回群となる。

[2]Hが単位群ではない場合

Hが単位群でなければ、e以外の元が少なくとも1つHに属する。

Hの元はG=<a>の元でもあるため、その元はaSUP{M}; (Mは整数)の形になり、しかもMは0ではない(∵aSUP{0};=e)。

Hは部分群なので、aSUP{M};の逆元(aSUP{M};)SUP{-1};=aSUP{-M};もHに属する。

Mは0でないから、Mと-Mのどちらか一方は正の整数とする。

つまり、aSUP{1};,aSUP{2};,…というGの元の列の中に、Hに属するものが必ず出てくる。
そこで、aSUP{1};,aSUP{2};,…の中で'''最初に'''Hに属するものをaSUP{k};とする。

まず、Hが部分群でaSUP{k};がHの元だから、<aSUP{k};>の元はすべてHの元になる。

逆に、xをHの元とすると、Hの元はG=<a>の元でもあるから、x=aSUP{n};と書ける(nはある整数)。

ここで、nをkで割って商をq,余りをrとすると、n=kq+r, 0≦r<kとなる。

よって、

x~
=aSUP{n};~
=aSUP{kq+r};~
=(aSUP{k};)SUP{q};aSUP{r};

∴x=(aSUP{k};)SUP{q};aSUP{r}; ←(*)

ここで、(aSUP{k};)SUP{q};はHの元だから、その逆元もHの元である。

それを(*)の左からかけると、xはHの元だから、aSUP{r};がHの元になる。

rはnをkで割った余りで、0≦r<kという不等式を満たしている。

もし、rが0ではないと仮定すると、0<r<kとなるが、これはaSUP{1};,aSUP{2};,…の中で最初にHに属するものをaSUP{k};としたのに、それより前にaSUP{r};がHに属してしまうので、矛盾が生じる。

よって、r=0であるため、n=kq+r=kqとなる。

つまり、

x=aSUP{n};=aSUP{kq};(aSUP{k};)SUP{q};となり、<aSUP{k};>に属することがわかる。

Hの元はすべて<aSUP{k};>に属し、逆に<aSUP{k};>の元はすべてHに属するので、H=<aSUP{k};>となり、Hは巡回群である。 □
#divid(e,proof)

*参考文献 [#h4ed03c6]

-『群論なんかこわくない』