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*代数方程式の係数が実数の場合 [#wa9bcc14]

 代数方程式f(x)=0において、係数がすべて実数ならば、いくつかの特別な性質を持つ。

#divid(s,thorem)
[定理]実係数の代数方程式f(x)=0において、もし&mimetex("\alpha");が1つの解であるならば、&mimetex("\bar{\alpha}");も解である。~
特に実数解であれば、&mimetex("\alpha = \bar{\alpha}")となる。
特に実数解であれば、&mimetex("\alpha = \bar{\alpha}");となる。
#divid(e,thorem)

#divid(s,thorem)
[定義]&mimetex("\alpha,\bar{\alpha}");がf(x)=0の解であるとき、&mimetex("\alpha");と&mimetex("\bar{\alpha}");は''共役解''であるという。
#divid(e,thorem)

#divid(s,thorem)
[定理]実係数の代数方程式f(x)=0の解は、複素数平面上で実軸対称に分布する。~
それらすべてを含む最小凸領域は、実軸に関して対称である。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]係数を実数として、&mimetex("f(x)=a_0 x^n + a_1 x^{n-1} + \cdots + a_n");とおく。

すると、任意の複素数αに対して、次が成り立つ。

&mimetex("\bar{f(\alpha)}");~
&mimetex("=\bar{a_0 \alpha^n + a_1 \alpha^{n-1} + \cdots + a_n}");~
&mimetex("=a_0 \bar{\alpha}^n + a_1 \bar{\alpha}^{n-1} + \cdots + a_n");~
&mimetex("=f(\bar{\alpha})");

よって、「f(α)=0」⇔「f( ̄α)=0」である。

つまり、αと ̄αは同時に解になるか、あるいはどちらも解にならないかのどちらかである。 □
#divid(e,proof)

#divid(s,thorem)
[定理]実係数のn次方程式f(x)=0において、解の個数は重複度も数えるものとすれば、次が成り立つ。~
(1)虚数解の個数は偶数(0個を含む)である。~
(2)nが偶数ならば、実数解の個数は偶数(0個を含む)である。~
(3)nが奇数ならば、実数解の個数は個数である。この場合、少なくとも1つの実数解を持つ。
#divid(e,thorem)

*解と係数の関係 [#d7604569]

#divid(s,thorem)
[定理]2次方程式の解と係数の関係~
2次方程式axSUP{2};+bx+c=0に2つの解をα、βとすれば、次が成り立つ。

-&mimetex("\alpha + \beta = - \frac{b}{a}");
-&mimetex("\alpha \beta = \frac{c}{a}");
#divid(e,thorem)

 n次方程式にもこれと同様の結果が成り立つ。

#divid(s,thorem)
[定理]n次方程式の解と係数の関係~
n次方程式&mimetex("f(x)=a_0 x^n + a_1 x^{n-1} + \cdots + a_n");の解を&mimetex("\alpha_1,\alpha_2, \cdots , \alpha_n");とすれば、次が成り立つ。

-&mimetex("\alpha_1 + \alpha_2 + \cdots + \alpha_n = -\frac{a_1}{a_0}");
-&mimetex("\alpha_1 \alpha_2 + \alpha_2 \alpha_3 + \cdots + \alpha_{n-1} \alpha_n = \frac{a_2}{a_0}");
-…
-&mimetex("\alpha_1 \alpha_2 \cdots \alpha_n = (-1)^n \frac{a_n}{a_0}");
#divid(e,thorem)

*解の重心 [#n4efd1fc]

#divid(s,thorem)
[定理]代数方程式f(x)=0の解の重心は、f'(x)=0の解の重心と一致する。~
もしf(x)が実係数ならば、その回の重心は実軸上にある。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]f(x)の解をαSUB{1};,…,αSUB{n};とすると、解と係数の関係より、次が成り立つ。

&mimetex("\alpha_1 + \alpha_2 + \cdots + \alpha_n = -\frac{a_1}{a_0}");

両辺をnで割ると、左辺は解の重心となる。

&mimetex("\frac{\alpha_1 + \alpha_2 + \cdots + \alpha_n}{n} = -\frac{1}{n} \frac{a_1}{a_0}");

また、f'(x)=0の解をβSUB{1};,…,βSUB{n-1};とすると、解と係数の関係より、次が成り立つ。

&mimetex("\beta_1 + \beta_2 + \cdots + \beta_{n-1} = -\frac{(n-1)a_1}{n a_0}"); ←(*)

両辺をn-1で割ると、左辺は解の重心となる。

&mimetex("\frac{\beta_1 + \beta_2 + \cdots + \beta_{n-1}}{n-1} = - \frac{1}{n-1} \frac{(n-1)a_1}{n a_0}");~
&mimetex("\frac{\beta_1 + \beta_2 + \cdots + \beta_{n-1}}{n-1} = - \frac{1}{n} \frac{a_1}{a_0}"); ←(**)

(*)の右辺と(**)の右辺は同じ値なので、両者は一致する。

もし、f(x)が実係数ならば、αSUB{1};,…,αSUB{n};は実軸対称に分布しているから、その重心は実軸上にある。 □
#divid(e,proof)


*参考文献 [#n31529c1]

-『ガウス 整数論への道』