*目次 [#l73b650e] #contents *品質管理 [#m46407eb] ''QC(Quality Control:品質管理)''とは、よい商品を作るための管理技術のことである。品質には、企画・設計の品質、製造の品質、サービスの品質の3つがある。 **企画・設計の品質 [#k274a55f] ・製品の仕様、性能、概観を「企画・設計の品質」という。 ・製造メーカーから見れば「お客様が買ってくれるだろう」と考えて作りこむ品質なので、「狙いの品質」または「適合の品質」ということもある。 ・企画・設計の品質は、会社としてこのようなものを出そうという品質で、これを向上させようとすると一般に価格が高くなる。 **製造の品質 [#s971e329] ・同じ種類の製品でも製造の段階で品質がばらつくので、そのばらつきの度合いを「製造の品質」という。また、「できばえの品質」または「ばらつきの品質」ともいう。 ・製造の品質は、企画・設計の品質と実際にできた製品の品質との差異をいい、これが向上して設計の品質に近づき、不良が減れば一般に価格は安くなる。 **サービスの品質 [#f7285288] ・製品が故障したり、不具合になったとき、どんなアフターサービスが受けられるようになっているかの度合いを「サービスの品質」という。 ・サービスの品質を向上させるには、サービス網の確立、サービス技術者の養成、交換あるいはサービス部品の準備確保などが必要となru. *SWQC [#a6c61242] QC活動を支援するソフトウェアである''SWQC(SoftWare Quality)''が、ソフトウェア業界において定着しつつある。 *統計的品質管理 [#f3b9a50c] 全社的品質管理を進めるには、いつも事実に基づいて行動することが大切である。このために、調べたい事柄を正しく表しているようなデータを集め、これを正しい方法で、整理して事実を掴むことが必要である。 そこで、よい商品を作るという仕事の中で、特に統計手法を有効に使おうとする活動を''SQC(Statistical Quality Control:統計的品質管理)''という。そして、品質管理のために使われる統計手法を''QC手法''という。 *品質保証 [#qa46fd3e] ''QA(Quality Assurance:品質保証)''とは、お客様が安心して、満足して買うことができ、長く使うことができることを保証することである。品質保証をする責任は生産者にありますが、どんな品質を要求するかという情報を与える責任は使用者にある。 *管理 [#w3ce0158] ''管理(control)''とは、ある仕事を目標どおり達成するための効果的な方法のことである。例えば、製造部門の品質管理とは、目標通りの品質を持った製品を生産するために、安定した工程を作り上げることをいう。 **PDCAサイクル [#sef73c2e] 管理を進めるには、次の4つの手順がある。これを''管理のサイクル''という。 |手順1|Plan|計画|目標達成に必要な計画を立てる。| |手順2|Do|実施|計画通りに実施する。| |手順3|Check|評価|実施の結果を測定・解析し、評価確認する。| |手順4|Action|処置|評価の結果が計画に比べて差があれば、必要な修正処置を取る。| このP→D→C→A(''PDCAサイクル''という)からなる管理のサイクルを、休みなく回転しながら、前進させることが管理の活動を続けることになる。 **製品の具備する3条件 [#zc56de19] お客様に喜んで買ってもらえる製品は、品質・価格・納期(時期)の3条件が、備わっていなければならない。製造メーカーはいかにして、この3条件を備えた製品を作るかで、他社と競争しているといえる。 この3つの条件を略してQ・C・Dと表記する。QはQuality(品質)、CはCost(価格)、DはDelivery(納期)を意味する。 *QCサークル [#c620b909] ''QCサークル''とは、同じ職場内で、品質管理活動を自主的に行う小グループのことである。 *QC手法 [#k2997e6a] -7つ道具 --量的な面での分析(定量分析)に用いる手法 -新7つ道具 --性質面な面での分析(定性分析)に用いる手法 **QC手法の7つ道具 [#g368cdda] QCサークル活動は、問題点(テーマ)を見つけ出し、解析、再発防止、そして管理の定着へと進めていく。そのためには、職場において、QC手法を習得し、QC手法の実践活用をやっていかなければならない。その問題点を解決していくQC手法には次の7手法があります。これらを''QC手法の7つ道具''という。 -[[パレード図]] -[[特性要因図]] -[[ヒストグラム]] -[[層別]] -[[散布図]] -[[チェックシート]] -[[グラフ・管理図]] **QC手法の新7つ道具 [#x097df55] -[[親和図]] -[[系統図]] -[[PDPC]] -[[マトリックス図]] -[[マトリックスデータ法]] -[[アロー図]] -[[関連図]] *抜取検査 [#a735b4b6] 抜取検査の考え方は、検査ロットから所定の検査方式を用いてサンプルを抜き取り、試験し、その結果をロット判定基準と比較して、そのロットの品質の可否を判断するものである。 **検査方式 [#i905c6a1] 検査方式は、統計的品質管理の典型的なツールであり、次のような種類がある。 -計数抜取検査 --サンプル中の不良品の数または欠点数を合否判定基準とする方法。 -軽量抜取検査 --サンプルの特定の品質特性に関する平均値で事前の基準値と比較し、合否の判定を行う方法。 -基準型抜取検査 --生産者・消費者の両者が満足するための方法。 --最も基本的な検査方法。 -選別型抜取検査 --検査結果が不合格のロットは全数検査を行い、良品だけをパスさせる方法。 -連続生産型抜取検査 --連続生産される製品に適用される。 --最初の段階では各個に検査し、良品が一定個数続けば抜取検査を行い、不良品が発生すると再び個別検査に移行する検査方法。 -調整型抜取検査 --受取側がロットの品質などに応じ検査基準を、ナミ、キツイ、ユルイと調整できる検査方法。 -生産者危険 --なるべく合格させたいのに、よいロットが誤って不合格になる確率。 -消費者危険 --なるべく不合格したいのに、誤って合格になる確率。 -OC曲線(Operating Characteristic curve) --抜取検査方式の性質を表す。 --縦軸にロットの合格確率、横軸にロットの品質(例えば不良率など)を取る。 *参考文献 [#fbb528f4] -『絵とき 自家用電気技術者実務読本(第4版)』 -『試験対策 要点整理 第2種情報処理』 -『ソフトウェア開発技術者試験対策 コンピュータサイエンス補足資料+午後演習問題』