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*目次 [#le3d6d86]

#contents


*アルコールの作用 [#fe4cc068]

-[[アルコール]]の作用には、1回1回の飲酒によって生ずる酩酊(学問的には[[急性アルコール中毒]])と長期間の習慣的で大量の飲酒によって生ずる[[慢性アルコール中毒]]がある。


*アルコールの血中濃度と症状 [#cb6cf176]

|''レベル''|''血中濃度(%)''|''症状''|
|1期|0.05〜0.10|ほろ酔い、抑制除去、不安・緊張の減少、陽気、顔面高潮、反応時間遅延|
|2期|0.10〜0.15|多弁、感覚軽度鈍麻、手足のふるえ、大胆、感情不安定|
|3期|0.15〜0.25|衝動性、眠気、平衡感覚麻痺(千鳥足など)、感覚鈍麻、複視、言語不明瞭、理解・判断力障害|
|4期|0.25〜0.35|運動機能麻痺(歩行不能など)、顔面蒼白、悪心・[[嘔吐]]、昏睡|
|5期|0.35〜0.50|昏睡、感覚麻痺、呼吸麻痺、[[死]]|


*アルコール依存 [#s129e376]

-DSM-靴砲茲襪函▲▲襯魁璽覦預犬箸魯▲襯魁璽襪琉み方に問題があるか、アルコールに対する反応に異常がある人々をいう。
--飲み方の問題を''病的なアルコール飲酒パターン''という。毎日飲まなければうまくやっていけない、禁酒・節酒ができないとか、二日以上に渡って酩酊状態を続ける無茶飲み、酩酊中に記憶のない期間(ブラックアウト)を何回も経験するとか、身体に病気があるのに飲酒を続けるというものである。
--一方、アルコールに対する身体的反応異常としては、耐性の上昇(酒量が段々増える、より多く飲まないと十分に酔えなくなる)と離脱症状が挙げられる。
---離脱症状はかつて禁断症状などといわれていたものであり、急に酒を止めたときに起こる吐き気・不快・脱力感・頻脈・発汗・血圧上昇・不安・抑うつ・いらいら・起立性低血圧などである。
-慢性アルコール中毒を基盤として、亜急性の精神病が生ずることがあり、アルコール幻覚症・アルコール妄想症([[パラノイア]])・振戦譫妄【せんもう】などに分類される。
--アルコール妄想症では嫉妬妄想が多いが、これにはアルコール依存による夫婦間の葛藤・不和と、身体的に[[インポテンス]]になることの両方からその由来を説明しうる。妻やその譫妄上の情夫に対する殺人などが起こりやすい。
--その結果、アルコールの摂取のしすぎで記録がないうちに、馬鹿力で人を殺したり、[[放火]]をしたりする者もいる。
-酒乱の人の特徴は酔うとかえって顔面蒼白になって目がすわり、不機嫌になって、やたらと人にからんでくる。やがて1オクターブほど声が高くなる。普通の酒であれば、精神機能が麻痺するにつれて、手足も麻痺して、ついには寝てしまうから事件は起こらない。しかし、[[異常酩酊]]は意識が混濁しているのに、運動麻痺が起こらず、かえって敏捷になってしまうから始末が悪い。
-アルコール依存者の犯罪は窃盗(酒そのもの、あるいは酒を得るための金)・詐欺(無銭飲食)などが多い。つまり、供給犯罪が多いということである。
-それ以外では、自分の置かれた状況に対する疎外感から恵まれた人々や社会に対する憤りが動機となり、時には放火・殺人などの重大犯罪が起こることもある。
-アルコール幻覚症は強い不安のもとに、清明な意識状態で、鮮明な幻聴が起こるのが特徴である。
--それも[[分裂病]]の幻聴のように語り掛けられる第二者的幻聴ではなく、大勢の人が自分の周囲で叫びあっているという第三者敵幻聴であるのが特徴である。
--その内容はおおむね本人やその家族を捕らえ、拷問にかけたり虐殺したりするというような酸鼻・凄惨な内容のものが多いので、患者は激しい驚愕と恐怖に襲われる。
---ビルツはこれを''包囲攻撃状況''と呼び、アルコール幻覚症に独特のものと考えたが、その後覚せい剤中毒や[[心因精神病]]でもしばしば起こることがわかってきた。
--患者はこの妄想上の恐怖すべき状態から脱出しようとして、逃走・自殺・防衛的攻撃・救いを求めるアピールなどを試みる。
---殺人は自分を殺そうとする相手に絶望的な反攻をする試みである。また放火は火事を見てまわりに消防や警察などの大勢の人が集まってきて助けてもらえるだろうという依存的な期待による。窃盗などは警察に捕まって留置場に'''保護'''してもらいたいという意図による。警察への相談や、架空の犯罪を申し立てる自主、精神病院入院志願などもまれではない。


*アルコールの殺菌作用 [#f88fc7b1]

-アルコールは[[水]]と混ざりやすい浸透性がよいので、菌体膜を透過しやすく[[微生物]]の[[細胞]]内に入ってタンパクを凝固し、殺菌作用を現すといわれている。
-アルコールの静菌作用は殺菌できる濃度よりもはるかに低い濃度で起こるので、殺菌作用とは別の作用機構によるものと考えられる。
-アルコールの殺菌作用は、アルデヒド系消毒剤や塩素系消毒剤のように化学反応によって起こるのではなく、アルコールの物理的性質と微生物の生物的対応によって起こる。


*参考文献 [#f9039e1e]

-『犯罪の心理学 なぜ、こんな事件が起こるのか』
-『犯罪心理学入門』(中公新書)

-『MRSAなどの耐性菌対策を詳説 消毒剤ハンドブック』