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*目次 [#p589138c]

#contents


*はじめに [#lfd2a06f]

 このWebページの内容は『公理的ゴジラ論』を読んだときのメモである。


*生物種ゴジラを特徴付けるための公理 [#ncb63a66]

+ゴジラ公理1
--爬虫類である。
+ゴジラ公理2
--二足歩行する。
+ゴジラ公理3
--足の骨格が直立型である。
+ゴジラ公理4
--トカゲ型の骨盤を持つ。
+ゴジラ公理5
--肉食性である。

 ここでは、ゴジラに関する次の2つの性質は無視している。なぜならば、これらの性質はゴジラにとって先天的に備わっていたものではなく、原水爆実験によって被爆したことから後天的に得たものと考えられるからである。

-口から放射能熱戦を吐く。
-生命の営みは核エネルギーによる。

 1991年の映画作品『ゴジラVSキングギドラ』において、ゴジラの前身となった生物(ゴジラサウルス)が存在することになっているが、これも無視する。あくまでゴジラという超巨大な生物が初めから存在したとして論じていく。

 したがって、キンゴジの形態を持ち、身長100m、体重6万トンほどで、前述の5つの公理を満足するような生物として特徴付ける。これが出発点である。


*ゴジラは恐竜か [#uaa0c934]

[結論1]~
ゴジラは恐竜である。

[証明]ここでは、進化分類学による定義を用いることにする。

 ゴジラ公理1とゴジラ公理3によって、ゴジラは直立歩行を行う爬虫類ということになる。

 したがって、ゴジラは恐竜である。 □

[系1-1]~
ゴジラは竜盤目に属する。

[証明]二系統分類法に従えば、結論1とゴジラ公理4から、ゴジラは竜盤目に属する。 □

[系1-2]~
ゴジラは二足歩行する肉食恐竜である。

[証明]結論1、ゴジラ公理2、ゴジラ公理5から、ゴジラは二足歩行する肉食恐竜である。 □

[結論2]~
ゴジラは獣脚亜目に属する。

[証明]系1-1と系1-2より、ゴジラは獣脚亜目に属することは明白である。つまり、ゴジラは獣脚類なのである。 □


*ゴジラの特徴 [#y08767f8]

**足の指の数からのアプローチ [#k38ef196]

[結論3]~
ゴジラは獣脚類の中でもかなり原始的な形質を備えている。

[証明]

 中期ジュラ紀以降に現れた獣脚類の前足と後足の指の数はそれぞれおおむね3本である。特に、白亜紀末に出現したティラノサウルスは、後足の指は3本であるが、前足は鉤爪となった指が2本あるだけである。

 一方、ゴジラ(キンゴジ)は、後足の指が3本であるが、前足の指は4本である。よって、ゴジラはティラノサウルスより前足の指が2本多いことになる。これは重要な事実である。

 「生物の同じ系統の上では、一度退化・消滅した形質は二度と現れてこない」という進化の大鉄則を考えると、ゴジラはかなり原始的な形質を備えた獣脚類とわかる。 □

[結論4]~
ゴジラは、獣脚類であるにしても、これまでのものとは別な、新しい分類単位に入れるべきである。

[証明]

「ゴジラは、他の獣脚類と異なり、背中から尾にかけて大きな背びれを持っている」(1)、「ゴジラは、他の獣脚類が比較にならないほど巨大である」(2)が成り立つ。

 この(1)と(2)、さらに結論3を考えると、ゴジラは獣脚類の中でも既存の分類単位に入る可能性は少ない。

 つまり、新しい分類単位に入れると考えたほうが妥当である。 □


**時代からのアプローチ [#hb7e6ce3]

[結論5]~
ゴジラは後期ジュラ紀の北米に棲息していた可能性が高い。

[証明]

 肉食恐竜であるゴジラ(身長100m、体重6万t)は、草食恐竜を捕食していたはずである。そして、被捕食者である草食恐竜も、ゴジラの餌に見合う大きさを持っていなければならない。

 後期ジュラ紀には体長50m級の大型カミナリ竜が栄えていた時代があった。この頃、北米大陸には、高さ100m近くに達するゴジラの身長ほどの高い巨大な針葉樹の森が茂っていた。

 そして、それを食糧源として、体長52mのサイズモサウルス、体長42mのスーパーサウルスといった大型カミナリ竜がいた。

 このような被捕食者の大型化は、それに応じた捕食者の大型をも促した可能性がある。

 ゆえに、ゴジラは後期ジュラ紀の北米に棲息していた可能性が高いと考えられる。 □

[結論6]~
ゴジラはジュラ紀の終わりに絶滅していった可能性が高い。

[証明]

ジュラ紀が終わると共に、体長40mを超える大型カミナリ竜は絶滅した。それに合わせて、ゴジラも消えていったと推測される。ゴジラにとって大切な餌がなくなってしまったからである。 □

[補足]1954年の映画「ゴジラ」において、古生物学者の山根恭平博士が主張していたように、ゴジラはジュラ紀の生物の可能性が高い。 ◇


**眼からのアプローチ [#gac72103]

[結論7]~
ゴジラの眼は立体視が可能である。

[証明]

 ゴジラは両眼が前方を向いている。つまり、左右の眼の視野が大きく重なり合っている。

 よって、ゴジラは人間やふくろうのように遠近感を必要とする動物同様に、立体的に物を見ることができるはずである。 □

[補足]超巨大なゴジラは、大型カミナリ竜でさえも小さな獲物に感じるはずである。
このように、ゴジラは(相対的に)小さな獲物を捕らえたので、確かな遠近感を必要としたと考えられる。 ◇


**歩き方からのアプローチ [#gc834665]

[結論8]~
ゴジラは、体を水平にぴんと伸ばしたまま長い尾で全身の釣り合いをとり、つま先で大股に歩いていた。

[証明]

 獣脚類は、水平にぴんと伸ばしたまま、エネルギーを無駄にすることなく、大股でさっさと歩くことができたということがわかっている。

 さらに、筋肉の力を借りなくても、体を前にかがめれば、尾はシーソーのように自動的にぴんと跳ね上がっていたということもわかっている。つまり、長い尾を使い、全身の釣り合いをとっていたといえる。

これらはそのままゴジラにも当てはまるといえる。

 また、獣脚類のみならず、恐竜はすべてつま先で歩いたことがわかっている。

 よって、ゴジラもつま先で歩いたことになるのである。 □

[補足]ゴジラの映画を撮影する際に、重量感を出すために考え出された歩き方が、すり足である。足の裏を見せないで、すり足移動でゴジラは移動している。 ◇



*ゴジラ恒温動物説 [#p70129e2]

 結論1より、ゴジラは恐竜である。

 そして、[[バッカー]]が主張したようにすべての恐竜が恒温動物ならば、ゴジラも恒温動物であるといえる。これをゴジラ高温動物説と呼ぶことにする。

 もし、ゴジラが恒温動物であったら、次の2つの問題が起こる。 

+体の冷却の問題
+餌の量の問題

 生物における表面積と体積の関係から、ゴジラは恒温動物である可能性がほぼ不可能になってくる。 

 ゴジラが恒温動物なら、その体を維持するために、膨大な餌を食べる必要がある。特にゴジラ公理5より、ゴジラは肉食である。つまり、ゴジラは十分な餌を見つけて食べるのに大きな労力を要するということである。もしも、ゴジラが変温動物であれば、恒温性だった場合に必要な餌の量のほんの一部で十分足りる。 

 ゴジラは恒温動物と呼べるものではないが、現在の爬虫類のような芋での変温動物でもないだろう。ゴジラは独自の体温調節機構に基づく、擬似恒温動物ともいうべき存在であると考えられる。

[結論9]~
ゴジラの背びれはラジエーターの役割を果たしていると考えることができる。

[証明]

 結論1より、ゴジラは恐竜である。恐竜には横隔膜がない。

 ところで、哺乳類は横隔膜の筋肉に支えられた大容量の肺があり、これがラジエーターの役目になっている。哺乳類のように効率のいい呼吸は望めなく、冷却効果も十分ではない。

 よって、ゴジラの冷却法としては、体の表面積を向上させるということに帰着される。実際、ゴジラの長い尾が体長の半分以上占めているため、その表面積は相当に大きい。

 さらに、体の表面積を少しでもかせぎ、冷却効果を増すための巨大な背びれがゴジラの背中には存在している。 □

[結論10]~
ゴジラは慣性恒温動物であると考えるのが自然である。

[証明]

 ゴジラが変温動物だと仮定してみる。すると、結論9より、背びれのラジエーターの存在によって、ゴジラは朝早いうちに体を急速に温めることができる。つまり、体が冷たく動きの鈍い動物に先立ち、十分に運動の準備を整えることができたはずである。

また、ゴジラは太陽に対して背びれの断面積が最小になるように体の向きを変えて、背びれの両側から熱を放射することにより、効率的に体を冷却することもできたと考えられる。変温動物であるゴジラが単に巨大であるなら、少ない餌で効率よく活力を保つ方向に進化したと考えるほうが道理にかなっていて自然である。

 ゆえに、ゴジラは完全な恒温動物ではなく、慣性恒温動物と考えるのが自然である。 □

[補足]ゴジラが慣性恒温動物であるという説を''ゴジラ慣性恒温動物説''と呼ぶことにする。 ◇


*ゴジラの生理的時間 [#qd274a8e]

[結論11]~
ゴジラの生理的時間はヒトの約32倍である。

[証明]

 動物においては、生理的時間は体重の1/4乗に比例することが知られている。

 結論10より、ゴジラは慣性恒温動物である可能性が高い。つまり、ゴジラの時間は体重の1/4乗に比例すると考えても不自然ではない。

 今、ヒトの体重を60kgと仮定する。一方、ゴジラの体重は6万tであった。すると、(6000000/60)SUP{1/4};=100000SUP{1/4};≒32となる。

 ゆえに、ゴジラの時間はヒトの約32倍であることがわかる。 □

[補足]100000SUP{1/4};≒32が正しいかどうかは、逆算の32SUP{4};を調べればよい。32SUP{4};=1048576となるはずだ。 ◇


*ゴジラのエネルギー量 [#kc600b01]

[結論12]~
ゴジラの標準代謝量は約9万7000ワットで、ヒトの約1,000人分ほどにあたる。


*ゴジラの食事量 [#sbd9e674]

[結論13]~
ゴジラの摂食率は約53万ワットで、ヒトの約2,300人分ほどにあたる。

[証明]

 ゴジラ慣性恒温動物説を考えるので、ゴジラは変温動物であり、体重が6万tである。これを公式「(摂食率)=0.78×(体重)SUP{3/4};」に代入する。

(摂食率)~
=0.78×(体重)SUP{3/4};~
=0.78×60000000SUP{3/4};~
≒530,000[W]~

 一方、ヒト(恒温動物)の体重が60kgであるとすれば、

(摂食率)~
=10.7×60SUP{3/4};~
≒230[W]

 よって、ゴジラの摂食量はヒトの約2,300倍(=530,000/230)となる。 □

[結論14]~
ゴジラの体重は、ヒトの100万倍ほどであるにもかかわらず、食糧はヒトのわずか2,300倍ほどにすぎない。

[証明]結論13から、ゴジラの体重はヒトの体重の100万倍ほどにあたるにもかかわらず、食糧はヒトのわずか2,300倍ほどにすぎないことがわかる。 □

[結論15]~
ゴジラは標準代謝量の約5.6倍のエネルギーを食べる。

[証明]摂食率の式を標準代謝量の式で割ると、恒温動物では標準代謝量のおよそ2.6倍、変温動物ではおよそ5.6倍のエネルギーを食べることがわかる。 □

[結論16]~
ゴジラの成長率は約11万ワットで、呼吸率は約26万ワットである。

[証明]ゴジラは慣性恒温動物、つまり外温性という意味で変温動物とみなせるから、公式「(成長率)=0.16×(体重)SUP{3/4};」と「(呼吸率)=0.38×(体重)SUP{3/4};」に体重6万[t]を代入すればよい。

(成長率)~
=0.16×60000000SUP{3/4};~
≒110,000[W]

(呼吸率)~
=0.38×60000000SUP{3/4};~
≒260,000[W] 

[結論17]~
ゴジラは食べた量の21パーセントを成長にまわし、49パーセントを体の維持するのに使い、残りの30パーセントを糞として排出する。

[証明]体重に限らず生物ならこれらが一定の値を取る(恒温動物、変温動物の差はある)。

 ゴジラは慣性恒温動物、つまり外温性という意味で変温動物とみなせるから、食べた量の21パーセントを成長にまわし、49パーセントを体の維持するのに使い、残りの30パーセントを糞として排出する。 □

[結論18]~
ゴジラにおいては、同化されたエネルギーを基準にとれば、その30パーセントが成長にあてられ、後の残り70パーセントが体を維持するのに使われている。

[証明]ゴジラは慣性恒温動物、つまり外温性という意味で変温動物とみなせるから、同化されたエネルギーを基準にとれば、その30パーセントが成長にあてられ、後の残り70パーセントが体を維持するのに使われている。 □


*ゴジラの人口密度 [#rc4e5af4]

[結論19]~
ゴジラの棲息密度は約7.6×10SUP{-7};[匹/kmSUP{2};]である。 

[証明]「(棲息密度)=32×(体重)SUP{-98};」の公式に体重6万[t]を代入する。

(棲息密度)~
=32×60000000~
≒7.6×10SUP{-7};[匹/kmSUP{2};] □

[結論20]~
ゴジラは約131[kmSUP{2};]に1匹の割合で棲息している。

[証明]結論19から容易に導かれる。□

[結論21]~
自然界で1匹のゴジラが生活を営むには、半径650kmの広さの区域を確保する必要がある。

[証明]131[kmSUP{2};]はおよそ半径650kmの円に相当する。 □


*参考文献 [#l2174b43]

-『公理的ゴジラ論』