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  • スピン へ行く。

*目次 [#ra0ab19a]

#contents

*スピン [#j04c8098]

 オランダのハウトスミットとアメリカのウーレンベックは、電子の磁気的な作用を説明するために、スピンという概念を導入した。電子が自転すると電子が持っている電荷も回る。電荷が円軌道を回ると磁場が発生して、磁石として働くというわけである。この電子が自転しているというイメージは、理解しやすく広く受け入れられた。

 しかし、本当に電子が自転しているかということについては別である。仮に電子の自転により電荷が回転して磁場が生ずるとすると、その自転の速度は電子の表面を光速を越えるという計算結果になる。光速より早い移動は相対性理論に反しているので、電子が自転するという古典的なイメージは厳密には間違っていることになる。


*スピン量子数 [#g00b3374]

 スピンを表したために、''スピン量子数''という量が導入された。

 例えば、電子のスピンの大きさは1/2であり、上(アップ)を向いているときが1/2、下(ダウン)を向いているときが-1/2である。上・下は、外からかける磁場に平行か反平行の方向である。


*スピンの強磁性 [#i4dbd8d6]

 電子の持つスピンは、[[強磁性体:http://akademeia.info/index.php?%BC%A7%C0%D0#q228c149]]を生み出す源になっている。


*スピンの歳差運動 [#l7d6d1da]

 磁場の中にある電子の軌道やスピンは、歳差【さいさ】運動((回転するコマが倒れないこと。斜めの姿勢のまま垂直軸の周りを回転している。))を行う。


*スピン軌道相互作用 [#qe986949]

 スピンと軌道の間には磁気的な相互作用が生じる。これを''スピン軌道相互作用''と呼ぶ。

 電子と原子核をラザフォード-長岡モデルで考えてみる。原子核に視点を置くと電子はその周りをぐるぐる回る。一方、電子に視点を置くと原子核がその周りをぐるぐる回って見える。これは原子核の公転によって生じる円電流の中に電子がいるのと同じである。この円電流は磁場を作る。
 電子と原子核をラザフォード-長岡モデルで考えてみる。原子核に視点を置くと電子はその周りをぐるぐる回る。一方、電子に視点を置くと原子核がその周りをぐるぐる回って見える。

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原子核に視点を置いたとき
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#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image1/gensikaku.jpg)
電子に視点を置いたとき
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 これは原子核の公転によって生じる円電流の中に電子がいるのと同じである。この円電流は磁場を作る。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image1/en.jpg)
磁場の方向は上
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 電子のスピンは小さな磁石として働くので、この円電流による磁場と同じ向きのときは電子のスピンは安定でエネルギーが低くなり、反対の向きのときはエネルギーが高くなる。

 こうしたスピン軌道相互作用によって、原子の中の電子のエネルギーは細かく分裂する。電子が多数個ある場合は、細かく分かれたエネルギー準位の最も低いものから順番に電子が入る。



*参考文献 [#gedd7fce]

-『高校数学でわかるシュレーディンガー方程式』