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*目次 [#ad29e8ba]

#contents


*フロイト [#h6e67fc9]

-ジークムント・フロイト
-1856年5月6日生まれ
-フライベルグ(現在の[[チェコスロヴァキア]]、当時のオーストリア・ハンガリー帝国)のモラヴィアでユダヤ人の家系に生まれた。
-父がヤーコプ・フロイト(羊毛商人)、母がアメリー・ナタンゾーン(2番目)。
-2番目の母の長男として生まれ、母の寵愛を受けた。
-少年時代のヒーローは反君主制主義者のオリヴァー・クロンウェルとカルタゴのハンニバル将軍
-1873年、ウィーン大学で勉強を始める。通常より3年多くかけて1881年に卒業。
--その頃、組織学と神経生理学を専門として、医師ではなく科学者になりたいという希望を持っていた。
-1876年〜1881年、神経細胞に関する非常に重要な先駆的な研究を行った。
-1882年、大学のブリュッケの研究室で学問に励んでいたが、ブリュッケはフロイトに忠告を与えた。
--「学者のポストは少ないし、給料も少ない。それにユダヤ人である君(=フロイト)には昇進の機会も少ない」
-さらに、その時期マルタ・ベルナイスに出会い恋に落ちた。
-それで学問を捨てて、医師になることになる。
-開業医としてスタートする前に、ウィーン総合病院で長期間の訓練(1882〜1885)を受けなければならなかった。
-そこで、初めは、内科学の教授であるヘルマン・ノートナーゲルの助手を務めた。
-1883年、テオドール・マイネルトの精神病治療研究所で5ヶ月間の研究を行った。
-マイネルトの影響を受けたフロイトは神経病理学の精神科としての道を歩み始めた。
-1884年〜1887年、フロイトは[[コカイン]]の作用に関する研究に励んだ。自分自身、そして妻のマルタにコカインを処方して実験した。この実験により、鎮痛作用がある、即ち副作用のない麻酔剤であるということを自覚した。
--フロイトの親しい友人である生理学者エルンスト・フォン・フライシェル−マルホフは手の腫瘍の激しい痛みに苦しんでおり、[[モルヒネ]]で鎮痛していたが、副作用でモルヒネ中毒になってしまった。そこで、フロイトは彼に、コカインを使うように薦めた
--また、1885年にフロイトの父であるヤーコプ・フロイトは眼の手術を受けた。フロイトの友人のカール・コーラーとレオポルド・ケーニヒシュタインが手術を行った。このとき、フロイトがその助手を務め、手術は成功した。このとき、局所麻酔にコカインが使用された。 
-しかし、1886年になるとコカイン中毒の症例があちこちで発見されて、フロイトは評判を落として激しい攻撃に遭った。実際に、エルンスト・フォン・フライシェル−マルホフも救いようのないコカイン中毒者になってしまった。
-神経医学者ジャン・マルタン・シュルコーが主宰するサリペトリエール病院で研究を始めた。ここでヒステリーに関する議論に加わる。
-シャルコーは、[[ヒステリー]]は女性性器に関連するものではないという見解を出し、一歩前進したが、フロイトの考えである「ヒステリーの原因が人間の心にあるのではないか」ということは受け付けなかった。
-1886年4月、フロイトは神経病専門の医師として改行し、自分の患者として初めてヒステリー患者を扱った。
-1886年10月15日、ウィーンの医学会でフロイトは男性のヒステリーについての研究発表を行った。しかし、周りの学者たちはこれを非難した。
-以後、嫌がるブロイヤーを説得して、共著の『ヒステリー研究』(1895)を発表した。 
-1890年代、フロイトは仕事・病気・家族・経済状態に苦しみ、さらに自分自身の重い[[神経症]]に苦しんだ。
-1896年10月23日に、フロイトの父が死亡。
-この精神的危機の間にフロイトは自己分析を繰り返して、『夢判断』の著作を始めた。
-[[スペンサー]]や[[ダーウィン]]の[[進化論]]に大きな思想的影響を受けた。
--特に「個体発生は系統発生を繰り返す」という[[ヘッケル]]のテーゼは、人間の幼児期の体験に関心を抱いたフロイトを、人類の原始時代の考察へと導いていったという。
--つまり現代の子供たちが男根期に経験する[[オイディプス・コンプレックス]]のような体験を、人類はその幼児期たる原始時代に体験してきているのではないかと考えたのである。
--フロイトはこの考察を「トーテムとタブー」という論文にまとめたが、それによれば父親殺しと食人およびそれに対する罪悪感とは、人間の原罪というべきものであって、トーテムとタブーの[[心理的起源]]に相当する。
-治療経験から多くの患者の精神的問題は、その患者の幼年期に問題があったことに気付いた。そして、治療の経験から、患者だけでなく人間一般が辿るであろう成長の段階に思いを馳せるようになった。
--そのため、フロイトの発達論は、実際に子供を観察した結果ではなく、患者を通じて想定された発達段階論である。

*フロイトの理論 [#kbc5dc68]

**『ヒステリー』の概略 [#v93252ab]

#divid(s,thorem)
[主張](フロイト、ブロイヤー)~
ヒステリー症の患者の大部分は、記憶に苦しんでいる。
#divid(e,thorem)

 これは次のことを意味している。

+ヒステリー患者は、心的外傷(トラウマ((トラウマはギリシャ語で傷を意味する。)))をもたらす苦しい不愉快な記憶に悩まされている。
+心的外傷の記憶が病因となって病気を作り上げる。この画期的な見解は、身体的原因(純粋な脳における損傷)が直接体の状態に影響を与えるとするメカニズムを重視する学者と対立する。
+心的外傷の記憶は正常に薄れることは泣く、行動を動機づける無意識の力として残る。
--これを「思い出せないこと」として軽んじてはならない。
+激しい感情がこめられた苦しみの記憶が意識から締め出されると、無意識の精神生活に抑圧が生じる。
+否定的な無意識の記憶は、通常の形をとって表現されることが無いので、その情動的エネルギー、つまり感情は押しこめられてせきとめられる。
+せきとめられた感情は無意識的な刺激によって、ヒステリーに見られる各症状に転換される。
+無意識を原因とする症状は除反応が行われれば消える。
除反応とは、忘れていた出来事に関係のある抑圧された感情を解放することをいう。症状のもとになった最初の心的外傷を患者に思い出させること、それが精神療法の課題である。
+全ての症状は過剰規定されている。
--つまり、幾つかの様々な心理的な出来事に起因している。そのために精神治療は極めて難しい。

**圧迫療法 [#tc27851d]

-患者の額を手で押して質問する。
-これで催眠法を使わなくても、患者を集中させることができる。
-頭に浮かんだ言葉を列挙していくことにより、患者の記憶がよみがえってくる。
-「質問されてばかりでは自由に考えられない」という患者の意見について、フロイトは「その通り」だと感じて、圧迫療法を後にとりやめた。

**疑惑の理論 [#f1b2b8ff]

+抑圧された記憶は、両親、あるいは大人がしかけた誘惑や性的なイタズラに関するものである場合が多い。
+心的外傷をもたらした子供時代のこの出来事は、後に影響を表す。抑圧された記憶は思春期を経た後に、ヒステリー症状を引き起こす病因となる。


**自由連想法 [#ba06a73e]

-患者はせかされたり、チェックされたりすることなく、自由でなければならない。よって、催眠法、圧迫療法には限界がある。
-心的外傷を思い出させるには有効。
-神経症の症状の鍵は患者の無意識の中に隠されている。患者は自分の無意識の中で抑圧されているものを知らない。しかし、それでも精神療法医はその発見、その再生に導くことができるのは、患者自身だけである。患者と医師の療法がそれを探さなくてはならないわけである。
-しかし、不愉快な出来事が現れそうになると、患者は抵抗を示し、医師との共同作業がしにくくなる。このとき、医師の臨床経験が重要になってくる。
-抵抗は単に抑圧された事柄の出現を引き伸ばそうとする試みに過ぎない。だから、患者の手探りの模索に忍耐強く付き合うことは、必ずよい結果をもたらす。どのような寄り道をしようとも、全ての道は核心に通じている。

**夢判断 [#p7541084]

-夢の意味の解読が可能。夢は願望が充足される状態を表すものである。
-こうした夢の働きによって、無意識にある衝動や誘惑が明らかになる。
--まず、人間がどのように夢を見るか考えてみる。
--夢は眠っている間、すなわち人間の意識が最もくつろいで守りがかたくないときに起きる。
--夢を見ることは完全な正常な行為である。夢の中での願望の充足は、多くの場合(いつもではない)性的なものである。
--夢は願望を表すが、それは願うことが必ず夢に出てくるという意味ではない。
-夢に出てくる願望は変形されたり歪められたりして、非常に巧妙に隠されているために、その夢に性的な願望が現れていたことさえ、自分では気づかない場合が多い。
-夢の中で明らかに覚えている部分を夢の顕在内容とよぶ。
-夢の潜在内容を引き出すことができれば、それは可能である。潜在内容には、抑圧された無意識の願望が現れる。
-夢は願望の部分的な表現、あるいは検閲された願望の表現に過ぎない。
-夢の潜在内容は顕在内容に形を変えて初めて、人の夢に現れる。これを置き換えと呼ぶ。
-置き換えは神経症においても行われる。[[病因性]](病気を作り出す)の考えが生み出す感情エネルギーが症状に置き換えられる。そして、これは無意識のうちに行われる。よって、フロイトは夢の働きを小型の神経症に似ていると考えた。

**無意識 [#bb8d1b36]

 フロイトは心を2つの領域に分けた。

+前意識
--注意を集中すれば意識されるようになる記憶や考え。 
+無意識 
--多くの場合、性的な、そしてときには破壊的な性質を持つ欲望や衝動や願望によって構成される。これらの無意識的な願望は、原始的な本能からそのエネルギーを得る。 


-この原始的な願望充足の欲求を快感原則と呼ぶ。 
-快感原則は、危険を避け現実を受け入れ行動を文明化しようとする意識的な心の活動と衝突を起こしやすい。 
-前意識は、よりコントロールされた制御された形で働く。 
-前意識は、現実を考慮に入れ、ただちに充足が行われなくとも、それを我慢する。 
-前意識は、精神の第二段階目の過程に支配される。これを現実原則と呼ぶ。
-フロイトは、現実原則が最も高度に発達した形が科学であるといった。 
-無意識を支配する原始的な願望充足の欲求は、衝動的であり、また系統だったものではなく、どのような理論にも従わない。 
--従って、フロイトによれば、全ての人間の思考は前意識と無意識の衝突と、前意識と無意識の妥協から成り立っている。 


**トーテム信仰 [#j1ff1e0c]

-トーテムとは、ひとつの種族が自分たちの祖先とされ、また自分たちを守る霊として巣違背する自然物のことである。 
-大抵の場合、その自然物は動物であり、種族の間ではその動物を殺したり傷つけたりすることは禁じられている。 
-トーテム信仰は部外結婚に結びつく。
-部外結婚の社会では、同じトーテムを信仰する一族のもの同士の性関係が禁じられている。このような形で近親相姦が禁じられているのである。 
-つまり、近親相姦が禁止されているのは、明らかに生物学的な必然からではない。そこには社会的な目的があるのである。 
-性の交換は文化とコミュニケーションの基礎である。 
-しかし、年に一度トーテムの動物が殺され、その肉が食される。祖先である動物を殺す儀式の悲しみの後に、熱狂的な喜びが訪れる。これは、トーテム信仰には、人間の歴史に関する深い意味がこめられているのに違いない。 
-無意識の中に押し込められたエディプス的行為の抑圧が、人間の文化や宗教や芸術の始まりに大きく影響を与えたと考えた。 

*参考文献 [#vbe8b98e]

-『犯罪心理学入門』
-『FOR BEGINNERS フロイト』

-『はじめての看護理論』