• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
  • 蛍光灯 へ行く。

*目次 [#y4416db3]

#contents

*蛍光灯 [#td0af620]

-1938年にアメリカのインマンによって開発された蛍光灯は、その自然光に近い色調と寿命・効率のよさで、屋内照明において白熱電球にとって代わる存在となった。

*蛍光灯を構成するコンポーネント [#fb732702]

**蛍光ランプ [#v414d1cf]

 蛍光ランプは、構造的に口金、ガラス管、蛍光体、アルゴン・ガス、水銀、フィラメント、リード線、ステム、排気管で構成される。 

**口金 [#ze3432c8]

 サークラインのものは、口金が金属ではなく、プラスチック製でぐらぐら動いているのが特徴である。直管形のものは、アルミ製の口金がついていて、ガラス管にピッタリ接着剤で固定されている。

**ガラス管 [#ab8bba91]

 特殊なものでは、ガラス管内面に透明の導電性被膜を塗布してあり、パッとすぐ点灯する蛍光ランプがある。 

**蛍光体 [#v941f87b]

 ガラス管の内面に薄く塗布されている蛍光物質である。

[補講]TVのブラウン管面にも蛍光体が塗布されている。 ◇

**アルゴン・ガス [#h09e9804]

 蛍光ランプの管内では、薄いアルゴン・ガスが封入されている。このガスは放電を容易にしたり、陰極部の消耗をおさえて、ランプの寿命を延ばす役目を持っている。 

**水銀(冷陰極低圧水銀蒸気放電管) [#nec59fd7]

 蛍光ランプの管内では、この水銀がほんの僅かだけ封入されていて、管内の放電と同時に水銀の蒸気も放電して、紫外線を多く発生する。この紫外線がガラス管内面の蛍光物質に放射して、目に見える光になる。 

**フィラメント [#odde620d]

-蛍光ランプの放電のスタートとなる部分。
-管内の両端に存在し、コイル状の電極である。

**点灯管(グローランプ) [#k40ed5f6]

**コンデンサ [#f78b9f95]

 点灯管が点滅の動作をするときに雑音電流が発生する。この雑音電流により[[ノイズ]]が発生してテレビ受信機などに害を与えてしまう。これを防ぐためのものに、点灯管と並列に[[コンデンサ]]が設置される。


**安定器(チョークコイル、バラスト) [#y9d91c5f]

 蛍光灯に安定器を取り付ける目的は次の通りである。

+高い電圧を発生させて、管球内に放電を起こすため
+放電を安定させるため

***1の理由 [#x7c3f8f0]

 安定器が持っているインダクタンスの働きで電源電圧の数倍の電圧を発生させて、管球内に放電が起こる。

 この方法で点灯するとどうしてもいくらかの時間がかかるので、特別な構造によってすぐに点灯できるようにしたものもある。

***2の理由 [#fef2f3e1]

 放電とは始まるときに相当大きな電圧が必要だが、その後はあまり高くない電圧であっても電源を切らない限り放電を継続する。そして、電流が管球を流れているときには点灯管は動作しない。ところが放電によって流れる電流は通常の抵抗に流れる電流とは異なり、電流が大きくなるほど電圧は低くてよく、電流が小さくなれば高い電圧が必要になるという性質がある。電源電圧が少しでも変動するとすぐに放電の状態が不安定になる。しかし、安定期を直列に入れておくと、その不安定さを防ぐことができる。


*蛍光灯のガラス管が黒ずんでくる理由 [#yea695dc]

 蛍光灯を長時間使用していると、ガラス管の電極の近くや中央部分が黒ずんでくる。これはマグネシウム、ストロンチウム、バリウムなどの酸化物でできたエミッターが原因である。 

 電極付近の黒い変色は''アノードスポット''と呼ばれる現象で、エミッターが飛び散って電極付近の内側に付着して変色したものである。これは長期間使用すると必ず起こる現象で、取替え時のサインといえる。 

 また中央部付近の変色は''エンドバンド''と呼ばれる現象で、蒸発したエミッターから発生したガスがガラス管内の水銀と化合し付着したものである。こちらは寿命とはあまり関係なく、長時間つけっぱなしにしておくことで起こる現象である。


*蛍光灯の寿命 [#bd619385]

 電球の寿命はフィラメントが断線するまでの平均時間のことをいうのに対して、蛍光灯は点灯不能となるまでの点灯時間のことを指す。

 放電により発生する光を利用するにもには蛍光法の他にも[[水銀灯]]や[[ナトリウム灯]]などがある。これらが出す光はいずれも電球のようにフィラメント(抵抗)に電流が流れて生ずる熱のために高温になったときにでる光とは原理的に違うため、使用時の性質にも色々な相違がある。

**電圧について [#q5a9c5e2]

-電球は使用電圧が少しでも高くなると急激に明るくなり、それとともに寿命が著しく短くなる。
-蛍光灯は電圧が高くなると明るくなるが、同時に寿命は短くなるが、電球のように激しくない。蛍光灯は使用電圧が低くなると暗くなるが、ある程度(規格電圧の80%くらい)以下になるとまったく点灯しなくなり、電圧が低くなった場合も寿命は短くなる。
--つまり、蛍光灯は規格値の電圧よりも高くなっても低くなっても寿命は短くなる。

**周波数について [#j2ee2a53]

-電球の場合は、抵抗の発熱によって光るため、周波数の影響はまったくない。
-蛍光灯の場合、管球自体はあまり影響はないが、安定器の働きが周波数によって変わるために、明るさに変化が起こる。
--周波数が60Hzの場合は50Hzのときにくらべて、安定器のリアクタンスが60/50=1.2倍になるので、それだけたくさんの電圧が必要になる。そのため、その分だけ管球に加わる電圧が減少して、発光は暗くなる。つまり、50Hzの場合は60Hzの場合よりも明るくなるが、安定器が加熱する。そのため、50Hzの地域に対応した安定器につけかえるべきである。

 次に(白熱)電球と蛍光灯の比較を表にまとめてみた。

||効率|[[電気]]が光になる率|熱の放射となる損失|ガスの対流による損失|
|40[W][[白熱電球]]|12〜13[lm/W]|7.5[%]|63.8[%]|28.7[%]|
|40[W]蛍光灯|70[lm/W]&br;(約5倍)|20.5[%]&br;(約3倍明るい)|26.5[%]|53[%]|

*家庭で蛍光灯を使用するときの標準の色 [#s90c735e]

|部屋|蛍光灯の色|h
|リビングダイニング|温暖色|
|和室|昼光色、白色|
|玄関|温暖色|
|洗面室、浴室|昼光色|
|キッチン|白色|

*電球型蛍光灯 [#v878e8f7]

-細長い[[蛍光灯]]を折り曲げて電球型にしたもの。
-従来の[[白熱灯]]に取り付けるソケットでそのまま使えるようにしたものである。
--一部はアダプターが必要な種類もある。


*蛍光灯のトラブルとその対応 [#pdc718bd]

**蛍光ランプが点滅する [#ha5fde24]

-プラグや蛍光ランプを少しこじってみる。これで直ればただの接触不良である。
-ランプの口金付近を点検する。
--黒くなっていれば寿命なので、新しい蛍光ランプに交換する。

**点灯が遅い [#f6ba4ee4]

-点灯管の劣化が原因である。
-新しい点灯管に付け変えればよい。
-点灯管はネジ式と2本足式の2種類がある。

**ブーンという大きな音がする [#s391357b]

-スイッチを入れ直しても症状が変わらなければ、器具内部にある[[安定器]]が劣化している。
-グロースタート型でなければ、長く使っているといつかはこうなる。
-安定器は蛍光灯器具の心臓部なので、普通はこれを器具の寿命と考える。

**スイッチの動きが渋い [#g38b9ee2]

-[[グリス]]をスイッチのアームの穴にに差すことで、円板の爪がアームにひっかりやすくなるため動きが直る。

*蛍光ランプの購入 [#n4b278de]

-購入時はワット形(明るさ)を見て選ぶ。
--節電効果を考慮するなら、消費電力も考える。
-長さや径の大きさは考える必要がない。
--すべて同一だからである。

*参考文献 [#c95d17f6]

-『基礎からの電気工事士受験入門 第二種・筆記試験』
-『家庭の電気もの知り百科』
-『自分でやるモノの徹底修理術』
-『電気のことがわかる事典』