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  • 自然数 へ行く。

*目次 [#sf95d6e3]

#contents


*自然数 [#c521db29]

-自然数全体は、[[数直線]]上にポツポツと離散しているが、規則正しく等間隔に並んでいる。
-自然数に関する定理や公式を証明するとき、自然数の持つこの特徴を活かした[[数学的帰納法]]が有効である場合がある。


*自然数の整列性 [#a30289ff]

 自然数の全体{1,2,…}は数直線に離散的に並んでいるが、この自然数の中から任意に有限個または無限個の元を選んで集合Aを作ると、Aには必ず最小数mが存在する。

#divid(s,thorem)
[定理]自然数の整列性~
自然数の、空でない任意の集合Aには最小数が存在する。
#divid(e,thorem)

 これは自然数の集合が持つ'''著しい'''特徴である。有理数の集合Q、整数の集合Z、実数の集合Rにはこのような特徴を持っていない。

#divid(s,notice)
[例]A={x|x∈R∧0<x<1}とおいた場合、Aは開区間(0,1)と一致する。(0,1)は下限0、上限1を持つが、最小数は持たない。なぜならば、どのような小さい正数を取っても、それよりさらに小さい正数が存在するからである。 ◇
#divid(e,notice)

*自然数の整列性によって保証されるものの例 [#z2a98c18]

-[[最小公倍数]]
--2つの自然数a,bに共通な倍数の中で、正で最小な値をa,bの最小公倍数という。この最小公倍数の存在は、自然数の整列性によって保証される。
-[[最小多項式]]
--複素数αを根とする多項式f(x)の中で、最高次の係数が1の既約多項式で、次数が最小のものをαの最小多項式という。この大正多項式は、自然数の整列性によって保証される。


*自然数の整列性と数学的帰納法の原理の関係 [#q638f534]

 この自然数の整列と[[数学的帰納法]]の原理は同値である。

#divid(s,thorem)
[定理]自然数の整列性⇔数学的帰納法の原理
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]

[1]←を示す

Nの空でない部分集合A(≠φ)が与えられたとき、Aに最小数が存在することを示す。

そこで、∀a∈Aに対して、S:={x|x≦a∧x∈N}(これはAの下界である)とする。

まず、明らかに1∈Sである。

また、∃m∈Nに対して、m∈Aではあるが、&mimetex("m+1 \not{\in} S");である。~
なぜならば、もしすべての自然数kに対して、「k∈Aならば、k+1∈S」であるとすれば、数学的帰納法の原理からS=Nとなり、Aが空ではないという仮定に矛盾する。

よって、m∈Aである。~
なぜならば、もしそうでないとすれば、すべてのa∈Aに対して、m<aである。即ち、m+1≦aとなり、m+1∈Sとなって、&mimetex("m+1 \not{\in} S");に矛盾するからである。

こうして、すべてのa∈Aに対して、m≦aとなり、mはAの最小数となる。

したがって、Aは最小数を含む。

[2]⇒を示す

数学的帰納法の条件(1)(2)を満たす自然数の集合Sが与えられたとき、自然数の整列性が成り立つと仮定して、S=Nとなることを示す。

NにおけるSの補集合をAとする。

もし、Aが空でないならば、自然数の整列性より、Aは最小数mを含んでいる。

1∈Sより、m≠1である。

すると、m-1∈Sとなり、帰納法の条件より、m∈Sとなる。~
これはm∈Aに矛盾する。

よって、S=Nでなければならない。
#divid(e,proof)

*参考文献 [#m57d60ac]

-『読んで楽しむ代数学』