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*目次 [#h8672a17]

#contents



*準同型写像 [#r47d71da]

#divid(s,thorem)
[定義][[群]]GSUB{1};から群GSUB{2};への写像fが''準同型写像''であるとは、GSUB{1};の任意の元x,yに対して、次が成り立つことである。~
f(xy)=f(x)f(y)
#divid(e,thorem)

#divid(s,notice)
[例題]Gを[[群]]、NをGの[[正規部分群]]とする。群Gから[[商群]]G/Nへの写像fをf(x)=xNによって、定義すれば、「f:G→G/N」は準同型写像であることを示せ。

[解答]fが準同型写像であることを示すためには、f(xy)=f(x)f(y)が成り立つことを確認すればよい。

(左辺)~
=f(xy)~
=xyN

一方、

(右辺)~
=f(x)f(y)~
=(xN)(yN)~
=xyN (∵G/Nの積の定義より)

よって、(左辺)=(右辺)より、fは準同型写像である。 ◇
#divid(e,notice)

#divid(s,thorem)
[定理]準同型写像は単位元を単位元に移し、逆元を逆元に移す。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]GSUB{1};,GSUB{2};を共に群とする。

[1]前半を示す

GSUB{1};の単位元をeSUB{1};、GSUB{2};の単位元をeSUB{2};とする。

「f:GSUB{1};→GSUB{2};」を準同型写像であるとすると、f(eSUB{1};)=eSUB{2};が成り立つことを示せばよい。

GSUB{1};において、eSUB{1};eSUB{1};=eSUB{1};が成り立つ。

これをfで移すと、f(eSUB{1};)f(eSUB{1};)=f(eSUB{1};)となる。

f(eSUB{1};)はGSUB{2};の元であるため、GSUB{2};におけるf(eSUB{1};)の逆元を右からかけると、f(eSUB{1};)=eSUB{2};となる。

[2]後半を示す

aをGSUB{1};の任意の元とするとき、f(aSUP{-1};)=(f(a))SUP{-1};を示せばよい。

GSUB{1};において、aaSUP{-1};=eSUB{1};が成り立つ。

これをfで移すと、f(a)f(aSUP{-1};)=f(eSUB{1};)となる。

前半の結果より、f(a)f(aSUP{-1};)=eSUB{2};

GSUB{2};において、GSUB{2};の元f(a)の逆元を左からかけると、f(aSUP{-1};)=(f(a))SUP{-1};となる。 □
#divid(e,proof)

**加法群から巡回群への写像 [#ea2b2edb]

#divid(s,notice)
[定理]Gを群、aをGの1つの元とする。~
加法群Zから群Gへの写像fをf(x)=aSUP{x};で定義すれば、f:Z→Gは準同型写像になる。
#divid(e,notice)

#divid(s,proof)
[証明]Zの任意の元x,yに対して、次が成り立つ。

f(x+y)~
=aSUP{x+y};~
=(aSUP{x};)(aSUP{y};)~
=f(x)f(y)

よって、fは準同型写像である。 □
#divid(e,proof)

*準同型写像の核と像 [#xd8d13ad]

#divid(s,thorem)
[定義]f:GSUB{1};→GSUB{2};を群GSUB{1};から群GSUB{2};への'''準同型写像'''とする。~
GSUB{1};の元でfによって、GSUB{2};の単位元に移されるもの全体の集合を''fの核''といい、''Ker(f)''で表す。~
また、GSUB{2};の元でf(x) (x∈GSUB{1};)の形で表れるもの全体の集合を''fの像''といい、f(GSUB{1};)または''Im(f)''で表す。
#divid(e,thorem)

 記号を使って表現すると次のように書ける。

Ker(f)={x∈GSUB{1};|f(x)=eSUB{2};}

**核の性質 [#db64f91e]

#divid(s,thorem)
[定理]f:GSUB{1};→GSUB{2};を群GSUB{1};から群GSUB{2};への準同型写像とする。~
このとき、fの核Ker(f)は、GSUB{1};の[[正規部分群]]である。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]

[1]fの核Ker(f)はGSUB{1};の部分群であることを確かめる。

+x,y∈Ker(f)⇒xy∈Ker(f)が成り立つ。
--x,y∈Ker(f)とすると、x,y∈GSUB{1};, f(x)=eSUB{2};,f(y)=eSUB{2};である。
--xy∈GSUB{1};, f(xy)=f(x)f(y)=eSUB{2};eSUB{2};=eSUB{2};であるので、xy∈Ker(f)になる。
+eSUB{1};∈Ker(f)が成り立つ。
--f(eSUB{1};)=eSUB{2};であるから。
+x∈Ker(f)⇒xSUP{-1};∈Ker(f)
--x∈GSUB{1};, f(x)=eSUB{2};, f(xSUP{-1};)=(f(x))SUP{-1};=eSUB{2};SUP{-1};=eSUB{2};であるから。

よって、Ker(f)はGSUB{1};の部分群になる。

[2]Ker(f)はGSUB{1};の正規部分群であることを確かめる。

正規部分群の定義より、「g∈GSUB{1};,n∈Ker(f) ⇒ gSUP{-1};ng∈Ker(f)」が成り立つことを確認すればよい。

f(gSUP{-1};ng)~
=f(gSUP{-1};)f(ng) (∵fは準同型写像であるから)~
=f(gSUP{-1};)f(n)f(g) (∵fは準同型写像であるから)~
=f(gSUP{-1};)eSUB{2};f(g) (∵n∈Ker(f)より、f(n)=eSUB{2};)~
=f(gSUP{-1};)f(g) (∵eSUB{2};はGSUB{2};の単位元であるから)~
=f(gSUP{-1};g) (∵fは準同型写像であるから)~
=f(eSUB{1};) (∵eSUB{1};はGSUB{1};の単位元であるから)~
=eSUB{2}; (∵[定理]「準同型写像は単位元を単位元に移し、逆元を逆元に移す」の前半より)

よって、gSUP{-1};ng∈Ker(f)

以上より、Ker(f)はGSUB{1};の正規部分群である。 □
#divid(e,proof)

**像の性質 [#i16203a0]

#divid(s,thorem)
[定理]f:GSUB{1};→GSUB{2};を群GSUB{1};から群GSUB{2};への準同型写像とする。~
このとき、fの像f(GSUB{1};)は、GSUB{2};の[[部分群]]である。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]f(GSUB{1};)はGSUB{2};の元からなる集合であるため、f(GSUB{1};)がGSUB{2};の部分集合であるためには、次の3条件を示せばよい。ただし、eSUB{2};はGSUB{2};の単位元とする。

+x,y∈f(GSUB{1};)⇒xy∈f(GSUB{1};)
+eSUB{2};∈f(GSUB{1};)
+x∈f(GSUB{1};)⇒xSUP{-1};∈f(GSUB{1};)

[1]x,y∈f(GSUB{1};)⇒xy∈f(GSUB{1};)を示す

xy~
=f(a)f(b) (∵x,y∈f(GSUB{1};)とすると、x=f(a),y=f(b), a,b∈GSUB{1};という形に書けるから)~
=f(ab) (∵fは準同型写像であるため)~
∈f(GSUB{1};)

[2]eSUB{2};∈f(GSUB{1};)を示す

eSUB{2};~
=f(eSUB{1};) (∵ここでGSUB{1};の単位元をeSUB{1};として、[定理]「準同型写像は単位元を単位元に移し、逆元を逆元に移す」の前半より)~
∈f(GSUB{1};)

[3]x∈f(GSUB{1};)⇒xSUP{-1};∈f(GSUB{1};)を示す

xSUP{-1};~
=(f(a))SUP{-1}; (∵x=f(a), a∈GSUB{1};と置いた)~
=f(aSUP{-1};) (∵[定理]「準同型写像は単位元を単位元に移し、逆元を逆元に移す」の後半より)~
∈f(GSUB{1};) □
#divid(e,proof)

*参考文献 [#d25fcf68]

-『群論なんかこわくない』