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*目次 [#i419f314]

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*書物 [#b98e0619]

-書物がどのようにしてできたかという問いを解くためには、同時に言葉と芸術がどのようにして起こったのかを知らなければならない。
-文字を使って書きあらわすことがまだ知らなかった時代には、人々はお互いに思ったことや感じたことを他人に伝えるには、もっぱら口頭によるほかなかった。つまり、口から耳に伝えたわけである。
--ギリシア叙事詩の「イリアス」「オデュッセイア」が、文字があらわされるまでの長い期間に渡って吟遊詩人たちによって歌われた。
--『古事記』は、太安万侶【おおのやすまろ】が語り部の一人の稗田阿礼【ひえだのあれ】が記憶していた建国の物語を文字に書きあらわしたものである。
-[[文字]]の発達と書物の材質の変化には相関がある。
--石の上にのみで彫られる文字は硬く、直線的な外形を取りやすい。
--[[石]]の上にのみで彫られる文字は硬く、直線的な外形を取りやすい。
---[[エジプト]]の象形文字があのような書体を持ったのは、石に刻まれる書体であったからである。
--紙の上にペンで書かれる文字は柔らかみと丸みを持ちやすい。
--[[紙]]の上にペンで書かれる文字は柔らかみと丸みを持ちやすい。
--蝋板【ろうばん】の上に鉄筆で彫られる文字はころころとした曲がった感じを持ちやすい。
--[[羊皮紙]]の上に[[インキ]]で書かれる文字はきっかりした読みやすい書体を取りやすい。
-蝋の本は我々が日常用いている手帳ぐらいの大きさの形をしており、何枚もの小さな板を紐で綴じ合わせて、1冊の本にしたものである。
--各々の板は中央の部分が矩形にくぼんでいて、そこに黒または黄色の蝋をいっぱに引いておく。一番はじめの板と最後の板の外側は、本を綴じた時に表紙の役目をするので蝋を引いていない。
--蝋のノートブックの上に文字を書くには、インクを用いるのではなく、スティルスと呼ばれる細い鋼鉄の棒の尖っているほうのはしでひっかいて書く。書き損じたり、用事が済んだ場合は、スティルスの丸くなっているもう一方のはしを字消しに使う。
---スティルスの使い方は当時の文章家にとって重要なこととされ、今日の文体(スタイル)という言葉は、この鉄筆という意味に語源を持っている。
--蝋の本は半永久的に利用できる。
--蝋の本は安価だったため、これを使ってメモをしたり、計算をしたりした。ある場合には手紙のやり取りにさえ用いられた。


*参考文献 [#la9c1b4f]

-『書物と印刷の文化史』