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*目次 [#p00649b4]

#contents

*消火薬剤 [#vb3aa18a]

-性能向上のためなら、他の薬剤を添付できる。
-毒性または腐食性がなく、毒性または腐食性のガスを発生しないこと。
-水溶液(または液状)の消火薬剤は、結晶の析出【せきしゅつ】、溶液の分離、浮遊物または沈殿物の発生、その他の異常を生じないこと。
-粉末状の消火薬剤は、塊状化【けいじょうか】、変質その他の異常を生じないこと。

*消火薬剤の適応性 [#m3e0ffee]

|COLOR(#000000):CENTER:|>|>|COLOR(#000000):CENTER:適応する火災|
|~|COLOR(#000000):CENTER:A火災|COLOR(#000000):CENTER:B火災|COLOR(#000000):CENTER:C火災|
|COLOR(#000000):LEFT:霧状の強化液|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|
|COLOR(#000000):LEFT:泡|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:×|
|COLOR(#000000):LEFT:二酸化炭素|COLOR(#000000):CENTER:×|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|
|COLOR(#000000):LEFT:ABC粉末|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|

**抑制効果の適応順 [#l354db48]

-粉末>ハロゲン化物>強化剤
-化学泡には抑制作用がない。

*消火薬剤の種類 [#iafa0e9d]

|>|>|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):CENTER:消火薬剤|>|>|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):CENTER:消化作用|
|~|~|~|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):CENTER:冷却作用|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):CENTER:窒息作用|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):CENTER:抑制作用|
|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:水系|>|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:水(浸潤剤等入り)(霧状)|COLOR(#000000):CENTER:◎|COLOR(#000000):CENTER:|COLOR(#000000):CENTER:○|
|~|>|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:強化液(霧状)|COLOR(#000000):CENTER:◎|COLOR(#000000):CENTER:|COLOR(#000000):CENTER:○|
|~|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:泡|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:化学泡|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:◎|COLOR(#000000):CENTER:|
|~|~|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:機械泡|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:◎|COLOR(#000000):CENTER:|
|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:ガス系|>|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:二酸化炭素|COLOR(#000000):CENTER:|COLOR(#000000):CENTER:◎|COLOR(#000000):CENTER:|
|~|>|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:ハロゲン化物|COLOR(#000000):CENTER:|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:◎|
|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:粉末系|>|BGCOLOR(#BFBFBF):COLOR(#000000):LEFT:粉末(ABC),(Na),(K),(KU)|COLOR(#000000):CENTER:|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:◎|

-効果は「◎>○」である。

**[[水]](浸潤剤【しゅんじゅんざい】等入り) [#ac45aab2]

-清水に浸潤剤等(りん酸塩類、尿素、界面活性剤等)を添加して消化能力を高め、また不凍性を持たせて使用温度範囲を拡大した無色の半透明または淡黄色の水溶液である。
-冷却作用と抑制作用を持つ。
-冷却作用によってA火災に適応する。
-霧状に放射することで、B,C火災に適応する。
--霧の蒸発により、気化熱を奪う。
-霧状に放射することにより、水滴の間に空気が混在して絶縁性が保たれるので電気火災にも適用する。

**強化液消火薬剤 [#nb7bfee6]

-アルカリ金属塩である[[炭酸カリウム]](KSUB{2};COSUB{3};)の'''濃厚'''な水溶液。
-比重は1.3〜1.4。
--非常に重い。
-凝固点は-20℃以下であることが規格化されている。
--正確には-25〜-30℃である。
--つまり、-20℃でも凍らない。
-防炎性がある。
--例えば、強化液薬剤に浸して乾いた紙に火をかけても、[[煤]]が出るだけで、[[紙]]に火が燃え移らない。
-無色透明または淡黄色(([[水]]と区別しやすいように着色している。))のpH約12((pHは1〜14であり、pHの値が大きいほどアルカリ性が強い。))の強アルカリ性である。
--強アルカリ性なので、手や目を刺激する。つまり、人には優しくない。
-放射される強化液は防炎性を有するものでなければならない。
--紙を強化液を濡らして、その紙を乾かして、ライターであぶっても火は付かず、煤が出るだけである。
-pH約7の中性の強化液も製造されており、これは「強化液(中性)消火器」と呼び、区別される。
-冷却作用によって、普通火災に適応する。
-抑制効果と霧状に放射することによって、油火災および電気火災にも適応する。
--天ぷら油火災には冷却作用により油温を下げるので特に効果がある。
-霧状であればC火災も消せるが、後始末が大変である。
--強化液は強アルカリ性であり、銅が腐食しやすくしてしまう。また、アルミニウムもアルカリ性に弱い。

**化学泡消火薬剤 [#l9d3009f]

-A剤とB剤を区別できるように、A剤は淡褐色で、B剤は白色である。
--A剤は炭酸水素ナトリウムを主成分とし、気泡安定剤等を添加し、防腐処理がされている。この気泡安定剤に色が付けられている。
-A剤とB剤が混合すると、二酸化炭素を含んだ多量の泡を発生して、これが放射される。
-冷却作用と窒息作用を持つ。
--冷却作用により、A火災に適応する。
--放射された泡の被覆による窒息作用によって油火災に適応する。
-この薬剤の水溶液は経年劣化するので定期的(1年)に詰め替える必要がある。
--気泡安定剤が腐ってくるのである。
--消防法には「1年で詰め替えしなければならない」とは書いていないが、経年劣化してしまうと放射泡量が倍率(手さげ式や背負式は7倍、車載式は5.5倍)を切ってしまい、結果的に規格に合わなくなってしまうので、1年で詰め替える。
-消火器を設置するときに、水に溶解して、A剤は外筒に、B剤は内筒にそれぞれ充填する。
-使用のときにA剤とB剤を混合、化学反応させて[[二酸化炭素]]を含んだ多量の白い泡を発生させて放射する。

[語呂合わせ]

-「内Bさんは白い顔」
--「内筒にはB剤(酸性・白色)を入れる」という意味。 

◇

-温度20℃の消火薬剤を充填した消火器を作動した場合、放射される泡の容量は次の通りである。

|運搬方式|泡放出量|h
|手さげ式、背負式|7倍以上|
|車載式|5.5倍以上|

***消化薬剤の色 [#ecc85d58]

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/kagaku_syoukayakuzai.png)
A剤とB剤
#img(,clear)

|化学泡(A剤)|炭酸水素ナトリウム+起泡安定剤|淡褐色|
|化学泡(B剤)|硫酸アルミニウム|白色|


**機械泡消火薬剤 [#u9bf6f0f]

-防腐処理を施したもの。
-消火器から放出される泡は耐火性を維持できるもの。
-温度20℃の消火薬剤を充填した消火器を作動した場合において、放射される泡の容量は消火薬剤容量の'''5倍以上'''である。
-水成膜泡、合成界面活性泡等の希釈水溶液で、種々のものが製造されている。
-一般的には淡い琥珀色で、若干芳香があり、水溶液自体が泡立ちやすい性質を持つ。
-放射される際に特殊な発泡ノズルによって、[[空気]]を含んだ多量の白い泡を発生する。
-放射された泡の被覆による窒息作用によって、油火災に適応する。
-冷却作用によって、普通火災に適応する。
-泡の流動性がよく、消化能力は化学泡に比べて非常に優れている。
-空気吸入孔のある発泡ノズルから泡を放射する水系の消火薬剤である。


**粉末消火薬剤 [#w590ef3a]

-防湿加工を施した[[ナトリウム]]もしくは[[カリウム]]の重炭酸塩類その他の塩類またはリン酸塩類、硫酸塩類その他防炎性を有する塩類。
-防炎性を有する塩類。
-180マイクロメートル以下の微細な粉末。
-水面に均一に散布した場合は、1時間以内に沈降しない。
-現在は90%が粉末、その内の90%がABC薬剤(リン酸塩類等)である。
-中性強化液以外は、アルカリ性。
-リン酸塩類等には淡紅色系の着色を施さなければならない。

***消化薬剤の色 [#b84e6f9c]

||>|主成分|成分|色|h
|1|粉末(ABC)|リン酸アンモニウムを主成分とする。|淡紅色の粉末|ABC|
|2|粉末(Na)|炭酸水素ナトリウムを主成分とする。|白色の粉末|BC|
|3|粉末(K)|炭酸水素カリウムを主成分とする。|紫色の粉末|BC|
|4|粉末(KU)|炭酸水素ナトリウムカリウムと尿素の化学反応物。|ねずみ色|BC|

[補講]2〜4の主成分については、「炭酸水素塩類等」や「リン酸アンモニウム以外」と表現されることがある。 ◇

|COLOR(#000000):CENTER:粉末名|COLOR(#000000):CENTER:粉末の色|>|>|COLOR(#000000):CENTER:適応する火災|
|~|~|COLOR(#000000):CENTER:普通火災|COLOR(#000000):CENTER:油火災|COLOR(#000000):CENTER:電気火災|
|COLOR(#000000):LEFT:ABC|COLOR(#000000):LEFT:淡紅色|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|
|COLOR(#000000):LEFT:Na|COLOR(#000000):LEFT:白色|COLOR(#000000):CENTER:|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|
|COLOR(#000000):LEFT:K|COLOR(#000000):LEFT:紫色|COLOR(#000000):CENTER:|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|
|COLOR(#000000):LEFT:KU|COLOR(#000000):LEFT:ねずみ色|COLOR(#000000):CENTER:|COLOR(#000000):CENTER:○|COLOR(#000000):CENTER:○|

***粉末(ABC)消火薬剤 [#j5c4d754]

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/ABC.png)
粉末(ABC)消火薬剤
#img(,clear)

-[[リン酸アンモニウム]]を主成分とした淡紅色系に着色された微細な粉末である。
-放射された消火薬剤が燃焼面を覆い、粉末特有の極めて優れた防炎性と抑制作用によって普通火災、油火災に適応する。
-薬剤は[[電気]]の不良導体なので電気火災にも適応する。
-消化能力は他の消火薬剤に比べて極めて高いが、冷却能力および浸透性がないので、普通火災のうち表面火災以外のものには効果が少ない。

***粉末(Na)消火薬剤 [#d5238224]

-[[炭酸水素ナトリウム]]を主成分とした'''白色'''の微細な粉末。
-抑制作用によって油火災に適応する。
-薬剤は電気の不良導体なので、電気火災にも適応する。
-普通火災には適応しない。

***粉末(K)消火薬剤 [#zac08a8a]

-[[炭酸水素カリウム]]を主成分とした'''紫色'''に着色された微細な粉末。
-抑制作用によって油火災に適応する。
-薬剤は電気の不良導体なので電気火災にも適応する。
-普通火災には適応しない。

***粉末(KU)消火薬剤 [#kdba3f30]

-[[炭酸水素カリウム]]と[[尿素]]の化学反応物で、'''ねずみ色'''に着色された微細な粉末。
-抑制作用によって油火災に適応する。
-薬剤は電気の不良導体なので電気火災にも適応する。
-普通火災には適応しない。

**二酸化炭素消火器に充填する消火薬剤 [#q6c05ff8]

-充填比((充填比=本体容器の内容積/充填薬剤量))=1.5
--消火器の内容積は、充填する液化炭酸の質量1kgについて、1,500cmSUP{3};以上。
-JIS K 1106に規定する2種または3種に適合する液化二酸化炭素(液化炭酸ガス)。消防法で定める検定の対象ではない。
--検定の対象ではないのは消化薬剤であり、消火器本体は検定の対象であることに注意。
-[[二酸化炭素]](炭酸ガス)は常温常圧で無色無臭の気体で、圧縮液化して高圧ガス容器に充填し、消化器として使用している。
-窒息作用(希釈作用)によって油火災に適応する。
-炭酸ガスは電気の不良導体なので電気火災にも適応する。
-薬剤による腐食・汚損がないので、消火後に障害を残さない利点があるが、消化能力は小さい。

**ハロゲン化物消火薬剤 [#z33655aa]

-[[フッ素]]、[[塩素]]、[[臭素]]などの[[ハロゲン元素]]を含む化合物で、簡単に表すためにハロン記号を用いる。

***ハロン1301消火薬剤 [#a5397ea4]

-常温常圧では気体であるが、圧縮すると無色透明の液体になる。
-液化ガスで高圧ガス保安法の適用を受ける。
-窒息作用(希釈作用)、抑制作用により、油火災に適応する。
-電気の不良導体なので電気火災にも適応する。
-薬剤による腐食・汚損がないので、消火後に障害を残さない利点があるが、再燃防止効果・浸透性に欠けている。
-二酸化炭素消火器に比べて、消化能力は大きい。
-ハロン1301消火器はハロン規制により設置はできなくなっているが、未だ設置されているものがあるので、点検の対象にもなっている。

*消火薬剤の放出異常 [#y971a8d1]

||原因|結果|h
||ガス圧の不足|放射量、放射時間の不足|
||充填薬剤量の不足|放射量、放射時間の不足|
||粉末消火薬剤の固化|放射不能、放射の中断|
||使用方法の誤り|放射不能|

*消火薬剤についての表示項目 [#of805f5d]
-消火薬剤の質量
-消火薬剤の製造年月

*消火薬剤の容器または包装に表示すべき事項 [#w0a8b5c4]

-製造年月
--月まで表示するように規定されている。
-消火薬剤の製造者または商標
--ちなみに、[[消火器]]は製造年までである。
-製造者または商標
-型式番号
-充填されるべき消火器の区別
-品名
-消火薬剤の容量または質量
-充填方法
-取り扱い上の注意事項

[補講]放射時間は消化器の容量・構造によって決まるものなので、消火薬剤の容器には表示できない。 ◇
[補講]使用温度範囲、能力単位の数値、放射時間は、消火器に表示すべき項目となっている事項であり、薬剤の容器に表示すべき項目とはなっていない。 ◇


*参考文献 [#mf63d0c6]

-『6類消防設備士 完全対策』
-『6類消防設備士精選問題集』
-『6類消防設備士試験突破テキスト』
-『スピードマスター 第6類消防設備士テキスト』
-『6類消防設備士試験突破テキスト 改訂4版』