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*目次 [#f56dfaa9]

#contents


*デマ(流言、偽情報) [#w033e693]

 奇襲は敵と自分についての正確な情報を基にする正攻法の欺瞞行為であるが、偽情報はあわせよけば敵がそれを信じて(引っかかって)こちらにとって都合がよいように動いてくれることを期待する消極的なやり方である。


**デマの発生 [#ke6962ca]

***軽口が取り付け騒ぎを呼ぶ [#m474efbc]

例:「豊信があぶない」というデマによって、1973年12月14日の豊川信用金庫小坂井始点前に早朝から行列ができた。午後3時の閉店までに預金を下ろした人は500人、閉店後も人は殺到。夜9時までに総額8億円を引き出した。愛知県警は最初このデマが豊川信金に悪意を持つ者によって故意に広められた疑いもあるとして操作した。しかし、デマの紐とは女子高校生の面白半分の一言であった。

 すべてはバス内の3人の女子高生の会話から始まった。一人は豊川信金に就職が決まっていて、それに対して女子高生Aに冗談でいった。

「信用金庫なんてあぶないわよ」(女子高生)



言われた女子高生Aは、豊川市内の寄宿先で近親者Bに話した。



Bは親戚のCに問い合わせた。このとき、信用金庫という表現が豊川信金に変わっていた。



Cは近くの美容院でDに話した。



Dは親戚Eに「こういう噂があるそうよ、知ってる?」と伝えた。



これを聞いた小坂井町の商店主Fが妻Gに話聞かせた。



13日、このFのところに電話を借りに来た男Hが、家族に「豊川信金に行ってすぐに120万円下ろしてくれ」と指示した。Hは、噂のことは知らなかった。必要があって預金を引き出そうとしていただけであった。しかし、側で聞いていたGが「やっぱりそうか」と思った。(オーバーヒアリングの発生)



「豊信が危ないという噂は本当だった」と思い込んだGは、Fと2人で豊川信金から預金を下ろして、手分けして友人・知人の20数人に電話した。



その中にアマチュア無線家がいて、そこからハム仲間20数人に話は広がる。



14日の早朝の行列。



不穏な動きを察知した信金が「経営に不審のある方は二階へ」という張り紙を朝10時に出した。



するとまもなく「今、おたくの2階で倒産整理の説明会をやっていると聞きましたが・・・」という電話がかかってくる。



スピーディーに払い戻しに応じようと、引出しの受付けを万単位にしたところ、「預金の1万以下は切り捨てになるそうだ」というデマが広がる。



時間のかかる利子の計算を棚上げしてとりあえず元金を返すと、今度は「利子を払えないのはやっぱり経営がおかしいからだ」という噂が広まる。



雑踏に警察官が出ると、「立ち入り捜査が始まった」という噂が出る。



閉店時間が近づいたので、翌日の払い戻し準位を記した整理券を渡そうとすると、「倒産する会社からこんなものもらって何になる」と非難された。


**デマの特徴 [#w02936f2]

・ひとつのデマが消えても、新しいデマが生まれる。

 上の豊川信金の例では、タクシーの運転手から「14日の夕方に乗せた2人の客が、あのデマを飛ばしたのは朝鮮人だ、と話していた。朝鮮人が豊信に融資を申し込んだが断られ、その腹いせにあちこちに電話をしたのだといっていた」と証言していたそうである。他にも労働組合、被差別部落が事件を起こしたかのようなデマも流れた。このような第2次デマにより、デマの影響は拡大していく。 

・豊川信用金庫が危ないという噂が、6000人を巻き込んだ取り付けパニックに発展したのは、半信半疑の態度が一瞬のうちに確信に添加する決定的場面があったからである。プロセスに示した妻Gが知人Hの電話を何気なく聞いたことが重要である。このように漏れ聞くこと(=オーバーヒアリング)の効果が、事件の構造の要であったという説がある。

・社会の根の深いところに巣食っている偏見や差別もデマの温床になる。

例:1923年(大正12年)9月1日に起きた関東大震災での朝鮮人デマによる虐殺は、不安と恐怖に駆り立てられた群集が、普段は考えられないような残酷な行動に走ることを示した。その数は殺された人だけで4,000〜7,000といわれている(ケガだけだともっといく)。

・デマの種類は、「生命・健康」「財産」「地位・名誉」の3つのいずれかに入るものが大半である。この3つが人間にとっての普遍的な関心ごとといえる。これを脅かすものからの不安からデマが形成される。

・デマを減らすには確認作業が必要である。

・情報の専門化であるマスコミや情報産業にいる人たちが、情報源に近いためかえって確認ができず、パニック状況に陥ることもある。そのため、個々人があらゆる知識・経験を身に付け、あらゆる事例に対応できるに越したことはない。

・2つの未確認情報が一致すると、偶然なものなのに確信と勘違いされることがある。


**デマの発生しやすさと広がりやすさ [#a0b9c812]

・内容が自分にとって重要であったり、関心のあるものであるときにデマが発生しやすい。この要因を主題の重要性という。

・また、その内容が本当かどうかはっきりしないときも、発生しやすい。この要因は主題のあいまいさという。

・そして、両方を掛け合わせたときの値が大きければ大きいほど、デマは広がりやすい。

**デマの内容変化 [#y4e554ec]

・口コミで伝達されるデマ(デマに限らずあらゆることも場合によって含む)は、内容が変化することが少なくない。デマの実験研究家によれば、その変化の仕方には、原則として次の3つのタイプがある。

|平均化|デマは伝わるうちに、少しずつ省略され、単純内容に変化する。|
|強変化|その反面、ある部分が誇張されることもある。|
|同化|本人にとって関心のある事柄は、強調されやすい。また、内容がその人の物の見方、考え方と一致するように、再構成される傾向がある。|


**デマを信じさせる技 [#jae48c9d]

 漠然とした不安が蔓延しているとき、人々はその不安の原因を何か明確で誇大な余弦に結び付けて、納得しようとする。

例1:1938年、アメリカで放送されたラジオドラマの火星人襲来。

 全米で約100万人の人が、これを事実と信じて、非難行動に移りました。ラジオを聞いてびっくりし、外に飛び出してみると車が列をなして走っている。それを見て、みんな逃げていると思いこみ、逆に1台も車が見えないともうみんな逃げてしまったんだと恐怖に駆られます。

 1938年は第2次世界大戦勃発の前年であり、ヒトラーが人々の心に重くのしかかっていた時期であった。

例2:「1969年4月4日、カリフォルニア州は大地震で壊滅する」という予言が流された。

 すると、この予言日の一週間前から州中は大騒ぎになりました。ラジオでは「カリフォルニアが無くなったら、僕達はどこへ行けばよいのか」という歌詞の歌がひっきりなしにリクエストされ、『偉大なりしカリフォルニアの最期』という本や、サンフランシスコが海に飲まれる光景を描いたポスターが飛ぶように売れました。また、天災時の心得を書いた市当局発行のパンフレットは、印刷が追いつかないほどの需要だったとのことです。そして、狂信的な伝道者の一隊は、不安におののく人々を連れて、州外に移動していきました。そのうち、有名な地震学者が州外に移住するとラジオが報じると、問い合わせが発生しました。ついに、その学者はマイクの前で「学会出席のために2,3日留守にするだけである」と弁明しなくてはならない事態になった。 

 予言を信じた年齢層は若者が多かったという。ヒッピー運動の発祥地であるカリフォルニアだけに、アメリカ社会の機器を若者達が敏感に感じ取ったと思われた。

 南カリフォルニア大学の精神分析学科主任エドワード・ステインブルック博士は次のようにいった。

>>「悩める者は、この予言で明確な不安の原因をつきとめた気がして、ある安堵感を抱くと同時に、同じ悩みを共有するもの同士の一体感を抱き合うことができる」

*情報操作 [#o2e123fe]

**ハイパーリアリティ [#z3a73a69]

 ''ハイパーリアリティ''とはボードリヤールがたびたび使う概念で、オリジナルがなくて現実のようなもののことである。

例:湾岸戦争はハイパーリアリティに過ぎない。

 これはボードリヤールが『湾岸戦争は起こらなかった』塚原史訳(紀伊国屋書店)で述べている。当時はアメリカのメディアにおいて、湾岸戦争は死者無きクリーンな戦争と報道されていましたが、それはまったくの偽りである。ここのクリーンな戦争がハイパーリアリティにあたる。


**情報操作に役に立ちそうなテクニック [#b5d4a7b9]

***商品のイメージを良くする技 [#q8dc270d]

 消費者の嗜好は商品よりも、それを包むもの・入れるものによって自由に変わる傾向がある。これを''非合理性向''という。

 この非合理性向は色彩研究家ルイス・チエスキンが実験で確かめている。~
 色彩研究所で新洗剤の包装デザインのテストをするために、一般の主婦たちに3種類の洗剤の箱を与えて、数週間続けて使用させた。数週間後に一番デリケートな布地に合う洗剤を答えてもらった。~
 被験者の主婦たちはこの3種類の洗剤が異なった性質のものと思い込んでいたが、実は箱だけが違うだけで中身は同じものであった。~
 実験の結果、主婦たちは黄色の箱の洗剤は強すぎて布地をいためる危険性があり、青色の箱の洗剤は仕上がりが汚いといい、黄色を散らした青色の箱の洗剤が一番人気があった。同じ内容のものなのに見た目でここまで違うということを発見した。


例:スコッチのジョニ黒に国産ウイスキーを移し変えておき、それを客に勧めたとする。おそらく「やっぱり、スコッチは違いますねえ」と満足そうに目を細める客はかなりいると思われる。


***高い商品を買わせる技 [#m60035dd]

 人が持っている心理的防衛の姿勢は、心の内部に一歩踏み込まれた後に強くなるどころかかえって弱くなる傾向にある。

 例えばあなたはこのような経験はないだろうか。PCショップに目当ての安いCPUやHDDを購入しにいって、結局家に帰ってみれば、数段高い商品を買ってしまったことを。~
 ここで重要なのは、一連の行動の中で「買う決心をして出かけている」という部分である。そこで術中に陥ったあなたは、すでに潜在的に少々高い商品でも買う心理状態になっているのだ。~
 これは人間の心理において、何かを守るために防壁を張っているとき、一旦その防壁の中に踏み込まれてしまうと、本当に守らなければならないものを忘れてしまう傾向があるからに他ならない。つまり「安ければ買う」と思っていても、一旦「買う」と決心してしまったあとでは、「安ければ」という守るべき条件がどっちでもよくなってしまうのだ。
 この技を利用して、お客が興味を持ったら売り側が「こちらですと10年保障ついています」などと斬りこむといった応用ができるだろう。


***客に得な買い物をしたと思わせる技 [#iedca2e9]

 人は自分の欲求と現実が一致しないときには、強いて現実に目をつぶろうとする。

 例えば「タバコは人体に有害である」とか「高いお金を出して新車を買ったのに、新しいタイプの車が発売された」などという情報は、重症喫煙者やすでに車を持つ者にとっては非常に不快な情報である。この矛盾が解消されない限り、心理的葛藤状態が続いてイライラする。アメリカの心理学者L・フェスティンガーはこの状態のことを''不協和(dissonance)''と名付けた。

 人は情報を信じないとか、無視することによって、この不協和を減らし、協和を獲得するように動機づけられがちである。

例:フォード自動車が最初のムスタングのプロトタイプを完成したときのことである。会社側は十歳前の子供がいて、すでに普通の車のある家族を何組か選んで、値段をいわずに、この新車を見せた。彼らの意見は車のスタイルはとても気に入ったが、実用的ではない、つまり家族で利用するには小さすぎるというところで一致した。しかし、会社側が車の値段は2,368ドルであると公表したとたんに態度が変わり、改めて新車をじっくり見て、なかなか実用性もあるようだと口々にいい始めた。

 これは始めはとても手が届かないと思っていた車が、意外にも安い値段であると知った客が、今度はできるだけ車の優れた点だけに目を向けようとしたからである。つまり今述べた不協和状態を一転して、協和状態に客を導いたわけだ。


***消費者の抵抗感をなくす技 [#d6dad22b]

 人は楽をすることの後ろに、それに比例した罪悪感を感じやすいである。

 商売でいえば、次のようなことになる。どんな商品にも消費者は、便利さと同時に抵抗感を抱くものである。だから便利さをいくら協調しても、抵抗感を取り除かないと商品の売り上げに結びつかない。消費者の深層心理に訴える広告を提唱して実行した、アメリカの深層心理学者E・ディヒターも次のようにいっている。

>>「人の心の中では、快楽と罪悪感とが、常に衝突しあっている。広告マンの大きな仕事は、商品を売り込むよりも、むしろ消費者に道義的な安心感を与えるという仕事が、かなりウェイトを占めている」 


例1:自動皿洗い機を発売していたメーカーの話です。当初、自動皿洗い機は「手間が省ける」というイメージが強かった。自動皿洗い機の売り上げが芳しくないと思ったメーカーが、「暇な時間ができて、自由を獲得できる」というイメージが沸くように宣伝したところ、売り上げはぐんと伸びた。

例2:ディヒターは自らキャンディの売り込みで、この理論を適応した。~
 1950〜55の間、アメリカでは菓子製品の消費者が10%も減少していた。これは太りすぎと虫歯の原因が砂糖入りの商品にあると宣伝されていたためだ。そこでディヒターはこの抵抗感を減らすため、キャンディの大きなケースの中に一口で食べられる小型のキャンディを入れたのである。これで消費者は「ほんの一口食べるだけだ。あとは捨ててしまおう」という口実ができる。結果この作戦で、キャンディの売り上げは伸びた。


***サブミナル効果利用による目に見えない網にかける技 [#he5fb40c]

例1:アメリカのマーケット・リサーチャー、ジム・ビカリーが使った手口である。~
 ビカリーは、ニュージャージー州にある映画館で、特殊な映写機を使って、スクリーンに「Drink Coca Cola」(コカコーラを飲め)、「Eat Pop-Corn」(ポップコーンを食え)という2つの文を映写した。~
 これらのフレーズは、映画のフィルムの映像にかずせて、ほんのも次回時間だけ映写するか、刺激を非常に弱めて提示された。よって観客は誰一人としてそのような文句がスクリーンに映し出されていることに気が付かなった。仮に前もって教えられていたとしても、瞬間的に映し出されるために、どんなに目がよくても気が付かないぐらいだったとのことである。~
 夏の間、この映写が続けられました。このフレーズが映し出された夜は、映画館の売店のコカコーラの売上が6分の1、ポップコーンの売上が2分の1以上も上昇したといわれている。

 これが、''SP(Subliminal Perception)広告''の始まりである。


***大衆の欲求を探り出す技 [#p31ecbbe]

 通常、消費者に簡単な質問をするマーケット・リサーチといえば、消費者の好みを反映する生産活動や販売活動を行うためのものである。しかし、調査の結果が、そのまま実際の消費行動に結びつくかといえば、むしろ逆の場合の方が多いことがある。自分自身が考えていることと、無意識の欲求の間には大きなギャップがあり、人の行動を規制するのは、この無意識の欲求なのだ。

例1:広告代理人マッキャン・エリクソンが、あるグループを対象に燻製ニシンの購買衝動を調査したことがある。なぜ買わないかという質問に対して、大抵の人はニシンの燻製が好きでないからという答えを返した。ところがさらに調べてみると、ニシンの燻製が好きでないと答えた人の40%が、生まれてから1度も燻製ニシンを食べたことのないことがわかったのだ。好きでないから買わないのではなく、食べたことがないから買わなかったのである。


***人を集める技 [#reb9da5a]

 集団の中では自意識と目に見えない規範が人の行動をがんじがらめにしている。簡単にいえば一人で入るときには自由に振舞える人間でも、集団の中に入ってしまうと周囲の顔色が気になり、モラル的には善とされる行為でさえ消極的になってしまうのである。

例1:1964年にニューヨークのど真ん中にあるキュー・ガーデンズという場所で、まだ黄昏どきに28歳の女性が通りがかりの男に刺し殺されるという事件が起こった。人通りが激しいところなのに、この現場を目撃した人が実際に38人もいながら、そのうち誰も彼女を助けなかったのだ。

例2:オハイオ州立大学のビブ・ラタネ教授の実験がある。高いところにあるものを取ろうとして、椅子に上がり、床に点灯して脚を怪我した女性の「痛い!助けて」という叫び声を録音した。この録音したテープを学生がたむろしている部屋の隣の隣で流しました。この結果、学生が一人でいるときには70%がすぐに立ち上がって助けに向かってきました。それに対して、同じ部屋に数人でいるときに反応を示した学生はわずか20%だけでした。

例3:これをうまく商売に利用したのがサクラである。~
 街頭販売などにおいて、誰かが必ず商売相手になるように仕組むことによって、一般大衆を呼び寄せることができる。

例4:車が通りの激しいところでパンクなどしてしまい、人の手が欲しいときには、乗車メンバーの一人が通りすがりで手伝っている振りをすると、通行人が呼び寄せられて「手伝いましょうか?」と声をかけてくるはずだ。


***反論に対して譲歩して、相手を拍子抜けさせる [#lea8a702]

 人は痛いところをつかれたり、反論された場合、つい血相かえて「そんなはずはない」「間違っているのはそっちだ」などと激しい口調で反抗したくなる。実は、痛いところをついたり、反論してくる相手にとっては、質問や反論の中身が重要なのではなく、人間対人間のかかわり方について、相反的、警戒的、猜疑的である場合のほうが多い。

 よって相手の心を掴むには質問・反論の内容事態を受け入れるかどうかは二の次であり、一応は相手の言い分を認めて、とりあえずは攻撃のエネルギーを鎮火させるのが先決である。すると、反発を予想していた相手は拍子抜けしてしまい、こちらが親和的になると同時に、反論そのものについてはどうでもよくなってしまう。

例:セールス対象者から「値段が高くないか」と反論されたとする。ここで、「いや、他者と比較してみてください。決して高くはありません」とやってしまっては、まとまる商談もまとまらなくなってしまう。ここでとりあえず「ごもっともなご指摘かと思います」と相手を受け入れて、攻撃の矛先をかわします。そのうえで、「省エネ、高性能、故障も少なく、万能なアフターケア」という売り文句を並べ立てて、結局はお買い得だと説明するわけである。


***相手に優越感を与えて警戒心を解く [#r54127a3]

 自分の側を相手より上に感じさせず、むしろ卑俗さ・凡庸ささえ感じさせる語り口や態度をとる。ただそれだけではダメである。それを誠実さで補っておかなければならない。これで相手に一種の優越感や親近感を持たせることができる。その結果、相手は警戒心を解き、ほとんど無防備になってその人を受け入れてしまうことよくあるわけである。


***相手の発言を受け入れて話を転換する [#s9652de2]

 「あなたの言葉で思いついた…」という言葉は、相手の発言を受け入れ、相手を立てたと錯覚させるので、その場が刺々しくなることはない。


***反発者を説得者に仕立て上げれば、相手はすぐにこちらの意にしたがう [#gaa04c90]

 本人自身を、他の似たような状況にある人間の説得にあたらせるとよい。


***相手の立場に立っているように見せかけて、相手の心を開かせる [#oc5defc5]

 人間は誰しも、自分が一番かわいい。それゆえに、「私があなただったら」という相手の立場に立ったように見える言い方は、誰に対しても無条件に説得力を持つだろう。例え、前後の文脈が多少あやふやでも、この一言がさりげなく挿入されていると、多分その一言が私たちの感情を刺激し、相手が自分の立場に立って考えてくれているかのように錯覚するのだろう。


***不満分子を味方にすれば、集団の不満も鎮まる [#ke6f4e70]

 セールスの世界で言われる「売った相手をセールスマンに仕立てよ」という販売戦略と似ている。


***ライバルをほめることは、部下の欠点を間接的に叱ることになる [#tdf059b9]

 暗黙の強化を利用した作戦である。ライバルがほめられたり、叱られたりするのを見て、あたかも自分が叱られたり、ほめられたように感じる。

 本来は、暗黙の強化は人を貶める手段として使われるべきものではない。上手に使えば叱り方のテクニックとして、ある種の効果を上げることができる。ただし、あまり多用すると、手の内を見透かされ、かえって逆の効果を招きかねないから注意する必要がある。

***断る理由を盾にとって、相手を攻略する [#db8134d7]

 「もちろん、先生がお忙しいことは十分に承知しております。お忙しい先生だからこそ、是が非でもお引き受けいただきたいのです。暇を持て余している人に、脂の乗った仕事は、とても期待できませんからね」という口説き文句を使う。



*噂の効能 [#ca507620]

**お寺の総本山崩しで成功した味の素 [#x81234f2]

 味の素は今では誰もその使用方法を間違える人はいなくなったが、発売当初は正しい使用方法を知る人は非常に少なかった。例えば、そのまま飲んでしまってこんなまずいものはないと言いふらす人がいたり、お吸い物の中に一瓶分入れてあんなに高い調味料は無いと文句をいう人などがいたそうだ。中には洗粉と間違えて、髪の毛を洗う人もいた。

 もちろん、使用法を細かく説明した広告や、アルミの小匙を現品に添えるなどの様々な方法をとったが、味の素の創始者・鈴木はもっと大切なのは「おいしい」という評判を確立することだと考え、精進料理の本家本元のお寺に売り込みをかけた。浅草寺、総持寺、増上寺などの東京の寺を始め、今日との知恩院、高野山、永平寺などの総本山にアプローチした。

 精進料理ではかつおぶしを使わず、だしは全て昆布で取る。味の素のうま味も昆布から取ったグルタミン酸であったため、精進料理にはぴったりだったわけだ。一振りするだけだから、簡便さもこのうえない。瞬く間に寺に浸透した味の素は、やがて口コミで広く一般家庭にも浸透していくようになったのである。


*奇妙な伝播 [#e9c8055e]

**猿のこう島 [#i4406849]

**ジャコウゾホオズキの芳香消失 [#c535e446]

 ジャコウゾホオズキ(学名ミムルス・モスシャトゥス)の芳香には奇妙な事件がある。この植物は1824年にカナダのプリティッシュ・コロンビア地方で発見された顕花【ケンカ】植物で、その名の通りジャコウに似た強い芳香を放つので、屋内の消臭用の鉢植え植物として、一時は広く愛用されていた。

 ところが、どういうわけかこの植物の花は、1913年になって突然一斉に、知られる限りでは全世界どこでも、その独特のジャコウの香りを完全に失ってしまったである。

 これには植物学者も園芸専門かも困惑した。一応、「本来の無香性の植物に先祖返りしたのではないか」と考えている専門家もいるが、今だ謎とされている。


*集団心理 [#c2643bd3]

**ソシオメトリー [#f706845d]

・''ソシオメトリー''とは、集団の構造を測定して、明らかにしていく方法のことである。集団における受容と拒否の範囲を測定することで、個人の集団における地位や、集団の構造、および変化の状態について記述し、評価するわけである。

・これはJ・L・モレノが、集団の中の不適応現象や、病態行動の診断と治療のための技術として、集団の人間関係の構造を捉えるために考えた。

・診断と治療という言葉でもわかるように、始めは臨床的な意味合いが強かったが、最近では社会心理学的な意味合いが強まっている。


■参考文献

-『暴走するインターネット』
-『情報テロ』
-『21世紀ブックス 心理学面白事典』
-『アンビリバBOOK 288の奇跡体験』
-『CM笑っちゃう事典』
-『パニック人間学』
-『ダイソー文庫シリーズ21 心理 心理トリック』
-『ダイソー文庫シリーズ22 心理 相手の心をつかむ心理術』