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  • 真空管 へ行く。

*目次 [#wbd8e936]

#contents


*真空管の発明のヒント [#kf5c41c7]

 真空管は、1904年にフレミングによって発明された。 

 フレミングは、電磁気学の祖マックスウェルの実験助手を勤め、ロンドン大学の電気工学教授を経た後に、白熱電球を発明したエジソンの会社で技術顧問になり、さらに無線電信を発明したマルコーニの会社でも技術顧問をした。 

 エジソンの研究所にいた頃、フレミングは白熱電球のガラスの内側が黒くなることがあるのに気づいた。エジソンたちは、それが電球のフィラメントから炭素が蒸発して、ガラスに付着したのだと考えた。電球が黒くなっては明るさが減るから、炭素がガラスにつかないように、電ッ級の中に金属板を入れて、そこに炭素を付着させればいいと思いついた。この実験の結果、その金属板とフィラメントの間に電流が流れることがわかった。これをもとに、フレミングは真空管という道具のアイデアを得たのである。


*電子と磁界 [#yef3c7ec]

-電子に平行に強力電界を加えると、速度が変わる。
-電子に直角に強力磁界を加えると、方向が変わる。


*カソード [#h0d89214]

 ガラス管球の中にフィラメントを入れて空気を抜けば、電球になる。ここにもうひとつ金属板を入れて、電池を繋ぐ(電池Aの+と−はフィラメントの両端に繋ぐ)。この状態で、電池Bの+側をフィラメントの一方、−側を金属板に繋ぐ。そうすると、金属板と電池の間に電流は流れない。そこで、電池Bの繋げ方を逆にする。即ち、電池Bの−側をフィラメントの一方、+側を金属板に繋ぐ。すると、金属板と電池の間に電気が流れる。何もない真空中を電流が流れていることを意味する。これを''エジソン効果''という。

 もう少し考察してみると、フィラメントから電子が飛び出し、それが光って見えるわけだが、その電子が金属板に引き寄せられるから電気が流れるわけだ。なぜ引き寄せられるのかというと、金属板に電池Bの+側を繋いでいたからだということはすぐにわかるはずだ。

 真空管では、電子を出す電極を''カソード(陰極)''と呼ぶ。

 フィラメント自身から電子を出す''直熱型''、効率よく電子の出るバリウム層をニッケル板につけて中の絶縁されたヒーターで間接的に赤熱する''傍熱【ぼうねつ】型''の2つのタイプがある。


*2極管 [#o55c3518]

 電子を飛び出させるカソード(陰極)とその電子を吸い付けるプレート(陽極)の2つの電極を持つ真空管を''2極管''という。2極管は最も基本的な真空管なので、しっかり原理を理解しておきましょう。 

 プレートが+なら流れ、−のときは電子は反発されて流れない。交流のように+と−に向きが刻々と変わる電流を繋ぐと一方通行の整流作用をする。この一方通行の性質を塚手、DC/AC変換をする整流用、ラジオなどの検波用に真空管は使われる。

#img(http://s-akademeia.sakura.ne.jp/main/image8/sinkuukan1.gif)
#img(,clear)

 2極管ではヒーターで陰極を加熱して熱電子を放出させる。陽極に加えた電界によって熱電子は陽極に達し、陽極電流ISUB{P};となる。陽極電圧VSUB{P};とISUB{P};の関係は次の通り。 

ISUB{P};=G・VSUB{P};SUP{3/2};

 この関係のある領域を''空間電荷制限領域''と呼ぶ。


*3極管 [#i61da18e]

 ''3極管''とは2極管のカソードとプレートの間に、グリッドという電力を入れた真空管のことです。グリッドは、格子のような形に間をあけて金属線を巻いた電極で、これがカソードとプレートの間、ちょうど電子の通り路に入ることになる。

 グリッドを−にすると、カソードからプレートに向かう電子を反発するので、プレート側(+)に流れる電流は減る。一方、グリッドを+にすると、普通に電子が通過することができるので、プレート側(+)に流れる電流は増える。つまり、電子の流れはこのグリッドの電圧につれて増減・制御されるわけだ。

#img(http://s-akademeia.sakura.ne.jp/main/image8/sinkuukan2.gif)
#img(,clear)


**3極管の特徴 [#k25c7ba7]

・増幅作用の他に、発振、変調、検波作用も行う。

・グリッドは、常にカソードに対してマイナスの直流電圧を加えて用いる。 

・グリッドに信号電圧を加えることによって、プレート電流をそれに応じて大きく変えることができる。


**真空管の性能を示す3定数 [#h0ec5ead]

 3極管は格子に加えた電圧VSUB{G};によってISUB{P};をコントロールすることができる。3極管のVG-IP特性のこう配を''相互コンダクタンス''といい、gSUB{m};で表す。

gSUB{m};=|ISUB{P};/VSUB{G};| [S]

 よってISUB{P};をコントロールすることができる。

 またVSUB{P};-ISUB{P};特性のこう配の逆数を''内部抵抗''といい、rSUB{p};で表す。 

rSUB{p};=|VSUB{P};/ISUB{P};|SUB{V_P=一定}; [Ω]

 そしてVSUB{G};とVSUB{P};の比を''増幅定数''といい、μで表す。

μ=|VSUB{P};/VSUB{G};|SUB{I_P=一定};=gSUB{m};・rSUB{p};

 以上のことをまとめると次のようになる。 

+(増幅定数)=(プレート電圧の変化)/(グリッド電圧の変化)
+(相互インダクタンス)=(プレート電流の変化)/(グリッド電圧の変化)
+(内部抵抗)=(プレート電圧の変化)/(プレート電流の変化)


**3極管の発明秘話 [#ge4763ce]

 アメリカのウェスタンエレクトリック社の技術者ド・フォレストは、フレミングの2極管が発明された頃、独立に2極管の検波器(整流器ともいう)を研究していたが、フレミングの特許と重ならないように電極をもうひとつ封入することにした。その電極は、陽極と陰極の間に配置され、陰極から電子流を制御するものである。これが3極管であり、1906年に発明された。

 後に、この3極管は整流だけでなく、増幅の機能もあることが明確になった。さらに増幅作用を利用して発振器を作ることができ、1915年にイギリスのハートレーはハートレー回路と呼ばれる[[増幅回路]]を発明した。


*4極管 [#v1c3b0d4]

 3極管のグリッドに小さい電圧変化を入れると、電子の流れを変化させてプレートには大きい電圧変化として出てくるが、高周波のときはこのプレートに出た変化がすぐ隣のグリッドに逆に影響してしまい、発振したりするので、この間のコンデンサーのような働きを防ぐためのシールドとしてもうひとつのグリッドを入れたのが''4極管''です。このグリッドは''スクリーングリッド''と呼ばれ、高い+電圧をかけておき、カソードから出た電子を吸引してプレートに勢いよく行かせる働きもする。


*5極管 [#n54bb85a]

 4極管のスクリーングリッドのおかげで、あまり威勢よく電子がプレートにぶつかると、今度はプレートの金属面から別の電子がはじき出されてしまうことがある。このはじき出された電子を''2次電子''という。2次電子が隣のスクリーングリッド(+)に戻って、不安定となることがある。それを防ぐために、もうひとつの''サプレッサーグリッド''と呼ばれるグリッドをプレートの後ろにおいて、このサプレッサーグリッドに+をかけることで、2次電子を吸収して''サプレス(おさえる)''ことができる。

 カソード、グリッド(コントロール制御グリッド)、スクリーングリッド、プレート、サプレッサーグリッドの順に5つの接続する場所がある真空管を''5極管''という。


**5極管の特徴 [#b4a79e88]

・3極管と比べて、陽極電圧の比較的低い範囲でも使用できる。 

・増幅定数が大きい。

・制御格子と陽極管の静電容量が小さいため高周波に使用できる。 

・内部抵抗が大きい。


*可変増幅管 [#f525c82d]

・5極管の制御格子の状態を変えることで、格子電圧の大きさに応じて増幅定数を変えられる真空管のこと。 

・格子の巻き線間隔が、場所によって異なる構造になっている。 

・VSUB{G};-ISUB{P};特性曲線のこう配がゆるやかである。

・陽極電流または相互コンダクタンスは、広い範囲にわたってゆるやかである。 

・AGC(自動利得調整)を用いた受信機の高周波・中間周波増幅管として用いられる。 


*定電放電管 [#dfddee3a]

・管内にアルゴンガスやネオンガスを封入して、グロー放電の性質を利用したもの。 

・この放電管は、電源電圧や負荷電流が変動しても、負荷に一定の電圧を供給する働きがある。


*ブラウン管 [#zdf09239]

・TV受像機に用いられる電磁偏向形ブラウン管と、オシロスコープに用いられる静電偏向形ブラウン管に大別される。 

・供に、電子銃、偏向部、けい光面によって構成されている。


*多極管と複合管 [#n2b547fe]

**多極管 [#j1c26436]

・5極管より多いグリッドを持った真空管の総称。 

・6SA7GT(グリッドが5つある変換用の7極管としてスーパーラジオ時代に活躍した) 

**複合管 [#i27c7e1c]

・ひとつの球の中に2本分、3本分の電極を封じ込んだ真空管の総称。 

・6SQ7GT(2極3極の組み合わせ)


*クライストロンとマグネトロン [#z5e27c77]

 使用する波長が短くなると素子やリード線の浮遊容量が無視できなくなります。MT管のように構造を小型化するほかに、電子の速度を大きくする方法が考えられた。

 1939年、スタンフォード大学のベリアンが電子速度を上げるクライストロン(速度変調管)を発明した。クライストロンは、極超短波(波長は10cm〜1m)の増幅、発振用に用いられた。 

 1921年、GE社のハルは、真空管が短波長の電気振動を生ずることを発見した。 

 そして、1940年頃、実用的なマグネトロン(磁電管)が発明された。これは陰極から放出された電子に磁界を加えて回転運動させるものである。


*真空管と設計可能な回路 [#ta916cd3]

 真空管ではキャリア(電器の運び役)は[[電子]]だけなので、[[トランジスタ]]のPNP(マイナス電源で動作する品種)やNPN(プラス電流で動作する品種)のように異なった電圧方向に対して対照的に動作できる回路が作れない。対照的な回路が形成できないと、音声信号のようにプラスマイナスが交互に現れる信号を処理する上で、非対称歪みを発生する原因にもなっている。これを解決するアプローチとして[[出力トランス]]もあるが、このトランスにも大きな欠点がある。

 また、トランジスタならば、直流増幅回路を直結できる。一方、真空管の場合は難しいので、回路同士の連結においてコンデンサに頼らざるを得ない。コンデンサは音質を左右してしまうので、このようなアプローチを[[アンプ]]などで行ってしまうと音がクリアにならなくなってしまう。

 よって、真空管回路は総合的に設計上融通が利きにくく、回路を限定してしまう。


*参考文献 [#i0b555fa]

-『図解雑学 半導体』 
-『絵でみる電気の歴史』 
-『初級アマチュア無線 問題と解説』 
-『第3級ハム国試 要点マスター』 
-『まるごと覚える4級アマチュア無線 ポイントレッスン』 
-『図解雑学 半導体』
-『絵でみる電気の歴史』
-『オーディオ常識のウソ・マコト』
-『初級アマチュア無線 問題と解説』
-『第3級ハム国試 要点マスター』
-『まるごと覚える4級アマチュア無線 ポイントレッスン』
-『新版 絵で見るエレクトロニクスのABC オーディオ・ラジオ・テレビ編』