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*精神分裂症(分裂症) [#weda3f13]

・精神分裂症は、心の病の中で最も症状が多彩で人格の変化も重く、また数も多い病気である。よって、犯罪との関係も重要である。 
-精神分裂症は、心の病の中で最も症状が多彩で人格の変化も重く、また数も多い病気である。よって、犯罪との関係も重要である。 
-精神分裂症では、犯行のときに自分の行為に責任を持つことができたか、つまり刑事責任能力があったかどうかという問題をめぐり、何回も[[精神鑑定]]が繰り返されることがあり、司法精神医学における大きな論点のひとつでもある。 
-1911年[[スイス]]の医師ブロイラーが、この病気になると精神諸要素の統合性が失われると考えて命名したものである。 
-[[窃盗]]・[[詐欺]]などの小犯罪や、暴力犯などの累犯者で、病前は典型的な精神病質者であった者が、発病後も同じように累犯生活を続けるものである。もっとも、発病によって、同種方向(財産犯)から異種・多種方向([[殺人]]・[[放火]]など)へと犯罪方向の変換が起こることも多い。 
-分裂症の疾病過程が経過し、多彩な病的体験があらかた消失した後も、自発性減退・感情鈍麻・自己抑制力低下などの情意障害(欠陥状態とも呼ぶ)のために、対人関係や社会適応がうまくできず、社会福祉や保護者に恵まれないままに小犯罪を繰り返す人がいる。この場合には、社会転落現象を起こして、単身生活・浮浪・無色といった状態に陥ることによっても、また感情や医師のコントロールが弱いためにも、窃盗(万引き・置き引きなど)・詐欺(無銭飲食・乗車)・売春などを繰り返すことになる。しかし、現在では、精神医療の進歩、社会福祉の充実、一般の人々の理解の向上などがあいまって、この種のケースはすくなりつつある。 
-分裂症者は、被害妄想・関係妄想を抱くことが多く、また威嚇的な[[幻聴]]に脅かされたり命令されたりして犯行におもむくことがある。したがって、[[殺人]]などの被害者は、患者の主観的な世界の中では恐るべき迫害者(妄想上の加害的被害者)であり、患者は自分をやむにやまれぬ被害的加害者であるとみなす。 
-分裂症の潜伏期や病初期及び急性期には、強い不安・緊張・いらいら・衝動性高進などが起こる。この時期に、心理学的にはまったく意味の了解できない、いわゆる動機不明の謎のような犯罪が起こることがある。かつて、これらを殺人衝動とか放火衝動などと呼んでいたこともあるが、今ではその一部は分裂症に基づく精神病理学的現象と思われている。 
-1950年代に、[[ドイツ]]の学者ウィルマンスが、一見正常に見える犯罪者であっても、行為の動機が了解困難な重大犯罪については、慎重な鑑定や経過の観察が必要であると注意しているのは、分裂症の発病前駆期にえてして重大犯罪を起こしやすいこと、その際病気が逃れやすいことによる。 
-分裂病者は、時おり「精神の障害に因り事物の理非善悪を弁識する能力なく、またはこの弁識にしたがって行動する能力なき状態」(昭和6年・大審院判決)に陥る。そのうち最も典型的なのは、判断・行動が妄想・幻覚にまったく支配される場合である。周囲からは十分な動機があるようにみえても、実際には異常な体験が原因になっている。
-''両価性(アンビバレンツ)''という同一の対象に対して相反する感情、特に愛情と憎悪が同時に存在している状態に陥ることである。分裂症の主な症状のひとつにこの両価性がある。
--例:金閣寺に火を付けた青年僧の心には、この両価性があったと考えられる。
-動機不明の[[自殺]]のトップは分裂病者である。
--それも一見して症状がよくなったと見える時期に多いから謎である。
-分裂症の妄想や幻聴などの異常体験に支配されて起こした犯行は唐突、不可解で、しかも合目的性がないことが特徴である。

・また、精神分裂症では、犯行のときに自分の行為に責任を持つことができたか、つまり刑事責任能力があったかどうかという問題をめぐり、何回も精神鑑定が繰り返されることがあり、司法精神医学における大きな論点のひとつでもある。 

・1911年スイスの医師ブロイラーが、この病気になると精神諸要素の統合性が失われると考えて命名したものである。 
*分裂症の分類 [#v9f3f1eb]

・窃盗・詐欺などの小犯罪や、暴力犯などの累犯者で、病前は典型的な精神病質者であった者が、発病後も同じように累犯生活を続けるものである。もっとも、発病によって、同種方向(財産犯)から異種・多種方向(殺人・放火など)へと犯罪方向の変換が起こることも多い。 
-妄想型
--年長になってから発病するので、人格のくずれが少なく、何か事件を起こすまで周囲がその発病に気付かない場合がある。
---例:羽田沖で日航機墜落事件を起こした機長は「GO GO」と命令する幻聴に左右されて不可解な逆噴射をかけた。
-破瓜【はか】型
--重い性格変化を残して治りにくい。
---例:ライスシャワー駐日米国大使を刺した当時19歳の少年は、15歳のときに発病されたと言われている。少年はその犯行動機について「動機は近眼を治すこと、学校で海水浴を強制すること、現在の小中学校で男女が並んで座っていることは道徳上よくないから、男は前、女は後ろに席を分けねばならない。この自分の考えを世間に訴える方法としては大使を刺して有名になり、世界各国にまでアピールすることができる」と支離滅裂な考えを赤坂署で述べたので、早速精神鑑定が行われた結果、重症の精神病者として不起訴になり、精神病院に収容された。
-緊張型
--興奮錯乱が強い
-単純型
--派手な妄想を示さず、性格変化だけを起こしてくる。

・分裂症の疾病過程が経過し、多彩な病的体験があらかた消失した後も、自発性減退・感情鈍麻・自己抑制力低下などの情意障害(欠陥状態とも呼ぶ)のために、対人関係や社会適応がうまくできず、社会福祉や保護者に恵まれないままに小犯罪を繰り返す人がいる。この場合には、社会転落現象を起こして、単身生活・浮浪・無色といった状態に陥ることによっても、また感情や医師のコントロールが弱いためにも、窃盗(万引き・置き引きなど)・詐欺(無銭飲食・乗車)・売春などを繰り返すことになる。しかし、現在では、精神医療の進歩、社会福祉の充実、一般の人々の理解の向上などがあいまって、この種のケースはすくなりつつある。 
*参考文献 [#h5c04711]

・分裂症者は、被害妄想・関係妄想を抱くことが多く、また威嚇的な幻聴に脅かされたり命令されたりして犯行におもむくことがある。したがって、殺人などの被害者は、患者の主観的な世界の中では恐るべき迫害者(妄想上の加害的被害者)であり、患者は自分をやむにやまれぬ被害的加害者であるとみなす。 
-『犯罪の心理学 なぜ、こんな事件が起こるのか』

・分裂症の潜伏期や病初期及び急性期には、強い不安・緊張・いらいら・衝動性高進などが起こる。この時期に、心理学的にはまったく意味の了解できない、いわゆる動機不明の謎のような犯罪が起こることがある。かつて、これらを殺人衝動とか放火衝動などと呼んでいたこともあるが、今ではその一部は分裂症に基づく精神病理学的現象と思われている。 

・1950年代に、ドイツの学者ウィルマンスが、一見正常に見える犯罪者であっても、行為の動機が了解困難な重大犯罪については、慎重な鑑定や経過の観察が必要であると注意しているのは、分裂症の発病前駆期にえてして重大犯罪を起こしやすいこと、その際病気が逃れやすいことによる。 

・分裂病者は、時おり「精神の障害に因り事物の理非善悪を弁識する能力なく、またはこの弁識にしたがって行動する能力なき状態」(昭和6年・大審院判決)に陥る。そのうち最も典型的なのは、判断・行動が妄想・幻覚にまったく支配される場合である。周囲からは十分な動機があるようにみえても、実際には異常な体験が原因になっている。