ブリッジアダプターにしてもKaliのIPアドレスがLAN内のものに変わらない
目次
問題
本の手順通りに進めても、arpspoofによるアクティブキャプチャの実験の際に、Kaliの仮想マシンのIPアドレスが10.0.0.xからLAN内のIPアドレスに変わらないという報告を受けました。
原因
これまでの実験ではKaliには2つの仮想NICを設定していましたが、LANの実験では1つの仮想NICだけを使います。さらに、この仮想NICをブリッジアダプターを指定するため、LANのIPアドレスが割り振られるようにしなければなりません。
それに伴い、P.480のステップ1とステップ2の間に、"/etc/network/interfaces"ファイルを変更する手順が抜けています。
知識の復習
ブリッジアダプターについて
ブリッジアダプターとは、VirtualBoxのネットワークの一種です。仮想マシンの仮想NICをブリッジアダプターとすると、物理ネットワークに接続されます。
物理ネットワークに存在する端末とネットワークでつながりますが、物理ネットワークのIPアドレス帯域に含まれなければ通信できません。
仮想NICには動的・静的のどちらでIPアドレスを割り当てても構いません。
動的であれば物理ネットワークのDHCPサーバーからIPアドレスが割り当てれます。一方静的であれば手動で物理ネットワークのIPアドレスを指定することになります(例えば、192.168.x.x)。
P.75にはブリッジアダプターにしたときのイラストを載せているのでご確認ください。
対処方法
“/etc/network/interfaces"ファイルでeth0を動的IPアドレスを割り当てられるようにする
ネットワークの設定ファイルでeth0だけを残して、動的にIPアドレスが割り振られるようにします。
ステップ1とステップ2の間に、"/etc/network/interfaces"ファイルを次のように変更します。後で元に戻すことを考慮して、コメントアウトを使っています。
変更前("/etc/network/interfaces"ファイル) |
(略) # The primary network interface allow-hotplug eth0 iface eth0 inet static address 10.0.0.2 netmask 255.255.255.0 # The secondary network interface allo-hotplug eth1 iface eth1 inet dhcp |
変更後("/etc/network/interfaces"ファイル) |
(略) # The primary network interface allow-hotplug eth0 # iface eth0 inet static iface eth0 inet dhcp # address 10.0.0.2 # netmask 255.255.255.0 # The secondary network interface # allo-hotplug eth1 # iface eth1 inet dhcp |
その後、変更内容を反映させるために次のコマンドを実行します。
$ sudo dhclient -r eth0 $ sudo dhclient eth0 |
LANのハッキング以外の実験をする際にはネットワークの設定ファイルを元に戻すこと
LANのハッキング(第6章)の実験を終えたら元に戻してください。
おわりに
情報ありがとうございました🙇♀️
原稿を執筆する際には頭から順番通りに書いているわけではなかったので、解説が抜けているようでした。
出版社側でも実験をしてもらい不備がないかを確認してもらっていたのですが、LANのハッキングに関しては実験環境がないため、今回の抜けに気付きませんでした。