ハッキング・ラボを構築したいがスペックが不足している場合の対処法
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
コーストFIRE中のIPUSIRONです😀
『ハッキング・ラボのつくりかた』では、メインPC にVirtualBoxをインストールし、仮想的なハッキング・ラボを構築するという内容でした。読者から「ハッキング・ラボを構築するにはどのくらいのスペックが必要ですか?」という質問がたびたびありました。
これを解決するために記事にしました。
本記事は、『1日で自作するポータブル・ハッキング・ラボ』の「10.1 メインPCに仮想のハッキング・ラボを構築できるか」(P.151)をベースにしています。
ハッキング・ラボを構築するために必要なスペック
ハッキング・ラボを構築できるかは、ホストOSの物理メモリーの容量に依存します(他にもCPUやストレージの大きさも関係しますが、メモリーからしたらあまり気にしなくてよい)。そこで、メモリーの容量に注目すると、次のフローチャートで場合分けできます。
ケースA:16Gバイト以上
ホストOS上に仮想マシンを2台起動してもまったく問題ありません。快適にラボの実験をできます。
ケースB:8Gバイト以上、16Gバイト未満
ホストOS上にKaliとWindowsの仮想マシンを起動すると快適とはいえませんが、ぎりぎり動作します。実際に『ハッキング・ラボのつくりかた』を執筆する際に、メモリーが8GバイトのノートPCで実験の検証をしていました(執筆は別マシン)。
ホストOSの動作が重い場合、「仮想HDDが動的ではなく固定にする」「仮想マシンのプロセッサ数を減らす」「仮想マシンに割り当てるメモリーを減らす」という対応が有効です。その仮想マシンが重くなったとしても、ホストOSが重くなるということはありません。
ケースC:4Gバイト以上、8Gバイト未満
Kaliの仮想マシンを1台起動するぐらいであればぎりぎり動作します。
『ハッキング・ラボのつくりかた』の「LANのハッキング」の実験は可能です。
Windows 7/10、Metasploitable2の実験は工夫する必要があります。メインPCでは1台だけの仮想マシンだけを動作させて、別の端末をもう一度用意し、ブリッジモードで接続するのです。
当該記事 | 攻撃側 | ターゲット側 |
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Windows 7のハッキング | Windows 10(ホストOS)+Kali(ゲストOS) | Windows 7(実機) |
Windows 7のハッキング | Windows 10(ホストOS)+Kali(ゲストOS) | Windows 10(ホストOS)+Windows 7(ゲストOS) |
Windows 10のハッキング | Windows 10(ホストOS)+Kali(ゲストOS) | Windows 10(実機) |
Linuxのハッキング | 任意のPC(KaliをUSBブート[1]KaliのUSBブートについてはいつか記事を書く予定です。) | Windows 10(ホストOS)+Metasploitable2(ゲストOS) |
Linuxのハッキング | Kali Pi(実機) | Windows 10(ホストOS)+Metasploitable2(ゲストOS) |
ケースD:4Gバイト未満
VirtualBoxで仮想マシンを起動することが困難です。
- スペックの高いメインPCを購入する。
- 素直にメモリーを増設して、メインPCのスペックを向上する。
- 実機のみでラボの実験を行う。
- メインPCでKaliをUSBブートして、実機のWindows 7/10に対して攻撃する。
- AWSを活用する。
- 外部からの攻撃の可能性、実験のための金銭的コストの観点からは、初心者にはお勧めしない。
おわりに
他にも方法があるかもしれません。
うまい方法があれば、Twitterで「#ハッキングラボ」というハッシュタグを付けて投稿してください🙋♂️
References
↑1 | KaliのUSBブートについてはいつか記事を書く予定です。 |
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