サークル用口座を作った話

サークル用の口座を作ったときに色々と試行錯誤しました。
これから複数人のメンバーでサークル結成を考えている方のために情報を公開します🙋‍♂️

口座を作るきっかけ

技術書典6(技術書の同人誌即売会の1つ)に参加するために、2019年2月にサークル「ミライ・ハッキング・ラボ」を結成しました。

メンバーは私(@ipusiron)と齊藤さん(@miraihack)さんの2人からスタートし[1]メンバーは増減していますが、2021年現在は私、齊藤さん、虎牙龍樹さん(@kogaryuju)さんの3人がメンバーです。、技術書典6ではそれぞれが1冊ずつ新刊を頒布しました。

以下のツイートは当時の様子です(イベント開始直前の販売ブース)。

初めてのイベント参加でしたが、2冊とも完売でき、大成功に終わりました。問題は撤収後に起こりました。

売上金が手元にあるわけですが、それをどこでどのように分けるのかという問題です。特に問題となったのは以下の点です。

  • 札が大量にあるため集計に時間がかかる
  • 何冊売ったのかを計算しなければならない

サークルに著者が1人しかいなければ、こういった問題はすべて解決します(手伝いが何人いても、固定の報酬を渡すだけなので問題にならない)。逆に、1サークルに本を出した著者が複数人いる場合に、これらの問題が起こることを覚悟してください(売り上げに関係なく、原稿料の取っ払いの形式であれば別)。

札が大量にあるため集計に時間がかかる

同人誌即売会なので必然的に千円札が大量に集まります。その結果、数える枚数が膨大になります。

おつり用に事前に持ち込んだお金もあり、それを考慮して計算しなければなりません。

間違えずに数えるためには落ち着ける場所を探す必要があります。路上で数えるわけにもいきません。誰が見ているかわからないので喫茶店で数えるわけにいけません。男2人で入れる個室がないか悩んだ結果、カラオケボックスにしました[2] … Continue reading。歌わずにお金を計算している怪しい姿が監視カメラに映るかもしれませんが、仕方ないと妥協しました。

何冊売ったのかを計算する

印刷所から直接搬入であるため、イベント会場ではじめて冊数が確定します。完売といっても、自分用、交換に使った本、無料で渡した本が存在することを考慮しなければなりません。さらに、完売後はダウンロードカードも販売しました。

そのため、単純に「(売上金)=(届いた本の数)×(本の値段)」と言い切れないのです。

当日に分配することのメリット

今回は1時間をかけてようやくその場で売上金の分配ができました。後はそれぞれ個人が自分の口座に入金すればよいわけです。

あまり現金(しかも千円札が多いので分厚い)を持ち歩きたくなかったので、ATMから自分の口座に入金しました。しかしながら、時間的に閉まっているところもあり、探すのが大変でした。

後日売り上げについてやることはなく、思う存分東京滞在を楽しめたのはよかったと思います。

サークル用口座を作るまで

サークル用口座を作ることを決意

技術書典6では何とか分配問題を乗り切りましたが、次回以降は同じ思いをしたくないと考えていました。そこで、サークル用口座を作ることを思いつきました。サークル用口座があれば、イベント終了後はすべて口座に入金し、その後でじっくりと集計して分配すればよいのです。

この方法であれば、東京に滞在している間に慌ててやる必要はありません。後日、相馬市に帰ってから齊藤さんに現金を手渡せばよいわけです。

情報収集

どこに口座を作るのかということを悩みました。記帳する必要があることを考慮すると、相馬市に取扱支店がなければなりません。相馬市は田舎なので「みずほ銀行」「三井住友銀行」「三菱UFJ銀行」などはなく、地方銀行しかありません。そこで、全国で扱える「ゆうちょ」に決定しました。

提出用の書類を作る

最大のハードルは団体規約・会員名簿を用意することです。

ゆうちょのページを見てください。

正直なところわかりにくいでしょう。コミケ等で漫画を頒布しているサークルたちが、ネット上でサークル用口座の作り方を公開しているので、そちらを参考にした方がわかりやすいです。「同人」「サークル」「ゆうちょ」で検索してください。団体規則や会員名簿のテンプレートを配布しているサイトもあります。

団体規則や会員名簿のデータをWordで作ってから、申請用に印刷します。必要箇所を埋めてから、サークルメンバーに押印してもらいます。準備が整ったら提出しに行きます(代表者1人が行けば十分)。

受付で受理されるかどうかは郵便局によりけりだと思います。受付で不備を指摘されたら、その都度修正します。わからないことがあれば、遠慮せずに局員に聞きましょう。書類に不備がなければ、受付で渡します。その後、問題がなければ1週間ぐらいで口座開設の通知が送られてくるはずです。

覚えている範囲内での注意事項は次の通りです(後で思い出したら追記する)。

  • イベント終了後はATMを使うので、キャッシュカードは必須。
  • 定期預金は不要だが総合口座にした。
  • ネットで操作できるように、ゆうちょダイレクトに入る。

口座開設

無事通帳が完成し、ネット経由でログインできることも確認しました。

口座開設した結果

技術書典7でサークル用口座を活用しました。イベント終了後に、サークルメンバーと一緒に行動してコンビニのATMからサークル用口座に入金しました。行動が楽になりましたが、次のような新たな課題も生まれました。

  • 頒布した本が増えた…既刊が2冊、新刊が2冊。既刊は自宅から在庫を発送、新刊は印刷所から直接搬入。
  • 完売しない本がある…撤収時に残った本をカウントしないといけない。
  • 技術書典の後払いシステムを利用する人もいる…その分の現金は手元にない。後で入金される。
  • 冊子だけでなく、ダウンロードカードも販売した。
  • ATMでの1回の取り扱い札の枚数を超える…札が大量なので何度も入金操作をすることになる。1回の入金で手数料として216円かかる[3]当サークルは8回も入金作業をしたので、手数料もばかになりません。。入金中はATMを占領することになってしまう(コンビニだと1個しかATMがないので気を遣う)。
  • ATMは冊しか取り扱えない…売り上げの中には小銭(特に500円玉)も多数ある。これは平日にATMから入金した[4] … Continue reading

今後の課題

今後の課題は次の通りです。

  • 通帳の管理
  • 集計の複雑さの増大
  • 技術書典のオンラインマーケットでの売り上げ
  • 後日必要になるかもしれない手続き

通帳の管理

サークルの代表者として、私がサークル用口座の通帳を預かっています。

特に私が死亡した場合、次の問題が起こりえます。

  • サークルメンバーから口座の存在を、遺族に切り出しにくい。
  • 遺族がサークル用の通帳を見つけられるのか。
  • サークル用口座自体は相続時にどのような扱いになるのか。
  • 死亡時点で口座に残高があり、それ分配するのであれば誰が集計するのか。

集計の複雑さの増大

扱う本の数、執筆者(売り上げを受け取る人)の数が増えると、集計が大変になります。

現時点(2021年3月)で当サークルは6冊の本を扱っています。今後イベントが増える度に、扱う本も増えていきます。どんどん集計が大変になることは想像できます。

少しでも軽減するために事前に集計用のExcelシートを用意していますが、いつかそれが破綻するときが来るかもしれません。

技術書典のオンラインマーケットでの売り上げ

BOOTHに関しては著者ごとにショップが存在するので、サークルの売上とは関係ない(当然サークル用口座も関係ない)。しかし、技術書典のオンラインマーケットはサークル単位で本を売るので、すべての本の売上が合算した形になります。

問題はそれだけではありません。売上累計が20万円を超えた場合、20%の販売手数料がかかります[5]技術書典10 開催およびサークル募集開始のお知らせ。累計ということに注意が必要です。オンラインマーケットはイベント時だけでなく平時にもオープンになっており、その間に売れることもあります。そして、次回のイベント期間中のオンラインマーケットでの売り上げも出るのです。

これらがすべて合計して20万円を超えると販売手数料が発生するわけです。値段が違う本(1,000円や1,500円)があり、それぞれの本で販売手数料が異なります。これも計算を複雑にしている原因といえます。

当サークルはすでに売上累計が20万円を超えているため、今後ずっと複雑な計算をしなければなりません。

なお、月ごとの売上については、サークルのアカウントでログインして、マイページの「売上管理」で表示できます。左上の月を指定すれば、過去の売上も確認できます。このページでは売れた本ごとの数量と合計金額を確認できます。

後日必要になるかもしれない手続き

マネー・ロンダリングおよびテロ資金供与対策のために、「お取引目的等の確認」「団体要件の確認」「人格なき社団としての要件の確認」の封筒が届くかもしれません。

当サークルについては2021年3月に届きました。

  • お取引目的等の確認のお願い⇒Webから回答。
  • 団体要件のご確認のお願い⇒団体の規約の控えを返送必須。総会議事録、収支報告書は任意提出。
  • 人格なき社団としての要件のご確認のお願い⇒同封の書類に記入の上、返送必須。

正直なところ面倒です😅

おわりに

少し長くなってしまいましたが、サークルの運営に少しでも役立てば幸いです。
(技術同人誌以外であれば)複数人で本を出しているサークルは多数存在するので、別の解決法があると思います。
正直なところ困っているので、うまい方法があればTwitterでお知らせください🙇

References

References
1 メンバーは増減していますが、2021年現在は私、齊藤さん、虎牙龍樹さん(@kogaryuju)さんの3人がメンバーです。
2 ホテル(ラブホテルではない)で数えればよいと思うかもしれませんが、通常ホテルには外部の人を部屋に連れていけないルールになっています。ルールを破るにしても、イベント会場の近くに止まっていなければその選択肢を選べられません。
3 当サークルは8回も入金作業をしたので、手数料もばかになりません。
4 作業自体はサークルメンバー全員いる必要はない。小銭の合計金を数えて、代表1人が入金。後で通帳を見せて小銭を正しく入金したことを証明すればよい。
5 技術書典10 開催およびサークル募集開始のお知らせ