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参考:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。 | 消費者庁

ゼロ円物件であっても費用はゼロでない【不動産の無償譲渡】

リフォーム費用や固定資産税だけを考慮してゼロ円物件に飛び付いてはいけません。
実際にはそれ以外にも費用がかかります。
その費用を上回るほどに得すると判断したら、無償譲渡を受けるべきでしょう。

不動産の無償譲渡とは

無償譲渡とは特定のモノを無償で譲り渡す行為です。

不動産の無償譲渡といえば、空き家や空き地といった不動産を、希望する人に無料で譲り渡すことを指します。

空き家の無償譲渡の体験談は次の記事で紹介しています。

無償譲渡≠費用ゼロ円

不動産を譲渡する場合は、通常対価として代金を支払います。一方、無償譲渡では代金はゼロ円です。

しかし、不動産の無償譲渡では、不動産の名義変更するための費用、そして譲渡に伴う税金がかかります。つまり、ゼロ円物件であっても、完全に費用がゼロ円になることはありません。

譲渡する側と譲渡される側の両者とも費用がかかりますが、一般には譲渡される側の方が負担が大きくなります。

誰から誰に無償譲渡するか

個人か法人かによって税金のかかり方が違います。

無償譲渡の4ケース

譲渡される側
個人法人
譲渡する側個人ケース①ケース②
法人ケース③ケース④

ケース① 個人が個人に無償譲渡する

譲渡する側:税金は発生しない

譲渡を受ける側:ゼロ円でもらったとしても不動産自体には価値がある。つまり、金銭的な価値のあるものを贈与されたことに相当するので、贈与税がかかる。加えて不動産の場合は不動産取得税がかかる。

※ただし、控除額より価値が低ければ、税金はかからない。

本記事ではこのパターンについて議論します。

ケース② 個人が法人に無償譲渡する

譲渡する側:無償で譲渡したとしても、税法上は一定の対価(不動産の時価)を受け取ったものとされる。つまり、みなし譲渡所得課税という所得税が課せられる。

譲渡を受ける側:不動産を受け取った側は利益があったとみなされるので、法人税が課せられる。

ケース③ 法人が個人に無償譲渡する

譲渡する側:対価を受け取らなくても、税務上は利益があったとみなされるので、法人税が課せられる。

譲渡を受ける側:一時所得があったとみなされて、所得税が課せられる。

ケース④ 法人が法人に無償譲渡する。

譲渡する側:対価を受け取らなくても、税務上は利益があったとみなされるので、法人税が課せられる。

譲渡を受ける側:不動産を受け取った側は利益があったとみなされるので、法人税が課せられる。

まとめ

どのケースにおいても、基本的に税金が発生しています。

さらに、どのケースでも不動産の名義変更をしなければならず、その費用がかかります。

以降ではケース①について議論します。

ゼロ円物件をあげる側の費用は?【ケース①の譲渡する側】

基本的に費用はかかりません。

ただし、相手との契約条件の内容によっては、もらう側のお金を一部負担することもあります。

ゼロ円物件をもらう側の費用は?【ケース①の譲渡を受ける側】

不動産をもらう側の費用には、登記費用と税金の2つがあります。

ゼロ円物件をもらう側の費用

登記費用贈与契約書贈与契約書に収入印紙200円を貼る。
贈与する側と贈与される側の2部を作るので、計400円。
登録免許税収入印紙代=固定資産評価額×2%
※所有権移転登記の登記申請書に貼る。
証明書の取得費用・印鑑登録証明書(譲渡する側と譲渡される側の2枚分)
・(譲渡される側の)住民票の写し
・固定資産評価証明書(土地と建物なら2枚分)
(登記代行費用)所有権移転登記申請を司法書士に依頼する場合は、手続き代行費用がかかる。
※自力でやればゼロ円
税金贈与税課税価格×税率-控除額
不動産所得税固定資産評価額×4%
※特例あり。
固定資産税固定資産評価額×1.4%
※物件を保有する限り毎年課せられる。
(都市計画税)一部の地域が対象。
固定資産評価額×0.3%
※物件を保有する限り毎年課せられる。

※贈与する側の住所と不動産の住所が一致しているものとします。通常、引っ越した場合は役所に届け出て住民票の住所は変更されます。しかし、不動産の所有者のデータは法務局が管理しており、役所への住所変更だけでは法務局のデータは更新されません。つまり、不動産の所有者が引っ越した場合は、所有権移転登記(名義変更の登記)の前に所有権登記名義人住所変更(名義人の住所変更)をしなければなりません。そのためには別途申請の費用がかかります。

登記費用

基本的に所有権移転登記の手続きは一般に無償譲渡を受ける側が実施します。つまり、書類を作ったり、その申請費用は譲渡を受ける側が負担します。

ただし、譲渡される側の代理人として、譲渡する側(あるいはその近親者)が申請手続きするケースもあります。そして、お互いが納得すれば、譲渡する側が登記費用を負担するということもケースもあります。

例えば、無償譲渡に伴う手間や費用は負担するから、不動産をもらって欲しいというパターンです。

贈与契約書の印紙代

不動産の無償譲渡では贈与契約書を作りますが、1部につき収入印紙200円を貼ります。

贈与する側(贈与者)と贈与される側(受贈者)がそれぞれ保管するので、計2部必要になります。

つまり、収入印紙代として計400円必要です。

登録免許税

不動産の所有権を移転するために、所有権移転登記(名義変更の登記)をします。

その申請には登録免許税がかかります。

その額に相当する収入印紙を申請書に貼り付けて申請します[1]後から支払うものではなく、申請時に支払います。

登録免許税額=固定資産税評価額(課税標準額)×2%

※相続登記の場合は税率が0.4%と低いですが、贈与の場合は2%と高くなります。

固定資産税評価額は市町村が決定するものであり、役所から発行される固定資産評価証明書から調べられます。

計算法の詳細は法務局のウェブサイトを確認してください。

税金

贈与税

不動産という財産をもらったことになるので、もらった側は贈与税がかかります。

贈与税は次のようにして計算できます。

課税価格=贈与財産評価額-110万円(基礎控除額)

贈与税額額=課税価格×税率-控除額

基礎控除額が110万円なので、贈与では110万円以下であれば贈与税はかからないことになります。

※これは不動産に限らず、現金でも同様です。

逆にいえば、無償譲渡した物件の評価額が110万円超であれば、ゼロ円でもらったとしても贈与税がかかります。

贈与財産評価額の評価方法は色々あり、詳細は国税庁のウェブサイトを参照してください。

贈与される側が直系尊属かどうかによって、控除額が変わってきます。第三者から譲渡された場合は、一般贈与に該当します。

贈与税の申告・納税は翌年2月1日から3月15日までの期間に行います。

不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得したことに対して都道府県が課税する地方税です。

不動産取得税は次のように計算します。

不動産取得税額=固定資産税評価額×4%

※特例によって、土地と住宅は3%(2021年3月31日までの譲渡)、住宅以外の家屋は4%になります。

不動産を取得した後、半年~1年半の間に都道府県から納税通知書兼領収証書が届き、これを使って納付できます。

土地と建物を無償譲渡した場合は、2枚が届きます。

※コンビニ払いしたければ、バーコードのある納付書に交換してもらえばよいわけですが、問い合わせ先は税務署ではなく県の地方振興局になります。自治体によっては対応していない可能性もあります。

固定資産税

固定資産税は、不動産などの固定資産を1月1日時点で所有している人に対して毎年課される税金です。

市町村の決定した固定資産税評価額に基づいて、4月1日から翌年3月31日までの分が課されます。

固定資産税額=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%

ただし、一般に税率は1.4%ですが、市町村によっては異なる税率を課している場合もあります。

不動産を保有する限り、毎年課されます。

都市計画税

都市計画税は、都市計画地区(市街化区域)内に不動産を1月1日時点で所有している人に対して毎年課される税金です。

都市計画税額=固定資産税評価額(課税標準額)×0.3%

その他の費用

改修・リホームの費用

譲渡された物件によっては、改修やリフォームが必要になります。特に水回り、床、屋根(瓦)の修理には大きな費用がかかります。

また、ドアや窓、錠前の状態も確認しておきましょう。

片付け費用、ゴミ処分料

不要なモノが片付けられていなければ、その片付け費用や処分料がかかります。

References

References
1 後から支払うものではなく、申請時に支払います。