苦手なサインを克服した方法【ミジンコ流サイン攻略法】
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
コーストFIRE中のIPUSIRONです😀
これまで断片的にしか語ってきませんでしたが、ミジンコがサインを克服した方法をこの記事で明らかにします。
誰得情報かもしれませんが、同様の悩みを抱えている方に少しでも役立つことを願っています。
サインを克服するまでの流れ
私は20年以上IT技術書を執筆し続けています。
長年本を出し続けると知名度が少しずつ高まるわけであり、オフ会などでサインをお願いされる場面は増えていきました。例えば、近年では、ゆるいハッキング大会、技術書典など、露出する機会が多くなりました。
サインをお願いされる場面が増えるということは、「本が売れていること=読者が増えたこと=知名度が高くなったこと」の間接的な証拠ともいえます。つまり、本来であれば嬉しく思うべきところです。
しかしながら、「字が下手なこと」「緊張で手が震えがちなこと」という理由で基本的にはサインを断ってきました。そのたびに心苦しく思っていました。
サインに対する考え方が変わったのは、『暗号技術のすべて』を出版したときになります[1] … Continue reading。このときから、「これでは駄目だ」と思い、サインに対して真面目に立ち向かうことにしました。
普通に考えると「字が下手なら、練習をしてきれいに書けるように努める」という発想になりがちです。それができれば理想的ですが、すぐに達成はできません。さらに、サインをお願いされる場面とは、落ち着いた場所とは限りません。講演会場の外の廊下、飲み屋のテーブル上といった場所でも起こりえます。むしろ座って机に向かっている状況の方が少ないといえます[2]事前にサイン入り本を準備するという場合は机の上で書けるでしょう。。
そこで、私が採用したアプローチは次の2つでした。
- ①ハンドルネーム(ペンネーム)のサインを専門家に作ってもらう。
- ②トレードマークとなるイラストを用意する。
※後述しますが、最終的にはアプローチ②を採用しています。
専門家にハンドルネームのサインをデザインしてもらう
サインのデザインを専門家に頼むという方法があります。
今はココナラなどを通じて気軽かつ安価に発注できます。「サイン」「署名」「デザイン」「設計」で検索するとよいでしょう。
私は2020年に2つのサインをデザインしてもらいました。当時デザインしてくれた方は、現在ココナラで出品しているようです[3]当時はminneで運営していましたが、今はココナラで活動していました。。
署名設計- 会社員/芸能人向けにサインを設計します 署名専門のデザイナーが設計、書類やカードのサインで利用可能サインカード、サイン練習キット、サインの動画ファイル、説明カード(サインの練習のコツが載っている)を一式にして提供しています。さらに、追加料金を支払えば、AI形式での納品、著作権放棄にも対応してくれました。
トレードマークとなるイラストを用意する
文字が下手でも、トレードマークとなるイラストがあればカバーできるのではないかと発想しました。
トレードマークとなれば「ハンドルネームよりもイラストで覚えてもらえる」「名刺で使える」「Twitterアイコンでも使える」「著者近影で使える」「書店のPOPで使いやすい」という副次的な効果を期待できます。
私は絵心がないので複雑なイラストは無理ですし、サインには不向きといえます[4]もし漫画家のようにイラストが得意であったり、その漫画のキャラクターがメインである場合は別です。。ちょっとバランスが崩れてもなんとかなるイラスト、描きやすいイラストを採用しなければなりません。
加えて、「素早く描けること」「絵心のない私にも描ける」「他の著者のイラストとかぶらないこと」「なるべくなら自分のイメージに合うこと」という条件が挙げられます。
これらの条件を満たすイラスト案を検討した結果、ミジンコを選びました。
ヨチヨチ歩きの成長段階にあたるミジンコレベル・ミジンコ級を自称していることともマッチしていると思っています。
理想的な組み合わせとしては、「ミジンコイラスト+デザインサイン」バージョンでしょう。
しかしながら、デザインサインに慣れていないこと、そしてシンプルさを重視したほうがよいという判断により、現状では「ミジンコイラスト+基本署名」バージョンを採用しています。
そして、その場の状況や時間的な余裕に応じて、吹き出しを追加してサインしています。
自宅でじっくりとサインできる場合は、デザインサインを使うパターンもあります。
FUDE BALLとの出会い
「イラスト+署名」の組み合わせは決めたものの、まだうまくサインができません。
その理由は、サインの出来はペンや紙によっても左右されるからです。特に個人的にはペン先が細いと「イラストの迫力がなくなる」「文字の下手が強調される」と感じました。
そこで、ペン探しが始まりました。ボールペン、サインペン、筆ペンなどいろいろと試しました。最終的にたどり着いたのがFUDE BALL(筆ボール)です。
書きやすさが抜群です。何よりペン先が適度な太さであり、イラストや文字の両方を書いても映えます。手が震えて文字がぐちゃっとしても修正が効きやすいです。
サイン時に注意すべき点
ここではFUDE BALLでサインするという前提での話になります。
- サインをお願いする側がペンを用意してくれるパターンがあるが、自前のペン(FUDE BALL)があることを伝えて、こちらを使う。
- 「ここにサインをお願いしてください」といわれた箇所が、サインしにくいものやスペースであれば、適切な場所があることを伝える。
- 本の表紙は紙的にツルツルなのでFUDE BALLでは対処できない。どうしてもという場合を除いて、まえがきの終わりあたり、白いスペースに誘導する。
- 本を開いたとき、左側のページにはサインしにくい。私が右利きというのもあるが、本が分厚いと左側のページが浮き上がって安定しないからである。右側のページのほうが一般にサインしやすいだろう。
- 2枚目のページに文字がにじまないように紙を挟むとよい。
- すぐインクが乾くわけではないので、サイン後にすぐ本を閉じないように注意をうながす。
私の経験則なので、もっとよい方法があるかもしれません。
吹き出しつきバージョンで活用の幅が広がる
サイン会の場合は、同じサインではちょっと味気ないと思うため、差をつけるために吹き出しに相手の名前を入れることがあります。その際には、名前の記入ミスを防ぐために、相手の名刺を見せてもらいましょう。
書店でのPOP表示
POPはこのような感じで飾ってもらえます。
落ち着いた場所でできるとはいえ、下書きをしたり、色鉛筆を使ったりとそれなりの時間を要します。
2枚のPOPを描くだけでも1時間はかかります。
検討したが没になった案
名刺を渡すだけで済ます
基本的な名刺を差し上げますが、それでも本へのサインをお願いされるケースはよくあります。つまり、結局のところサインをすることは避けられないわけです。
名刺はサインの代替にはなり得ません。
名刺とサインの両方をしてあげると、相手の満足度を高められるでしょう。
サイン用のスタンプを用意する
スタンプがあれば効率よくサインを転写できます。しかし、手書きのサインをお願いされるケースが考えられます。せっかく時間を費やして満足してもらえないのはもったいないので、サインしたほうがよいでしょう。
予期せぬ要求に対応する方法
ここまでで解説した内容で十分だと思いますが、レアケースが発生します。都度対応すればよいと思いますが、私自身経験を通じて少しずつ工夫して、対応できるシーンを広げてきました。
ここではその中からいくつかをピックアップして紹介します。
※ここで紹介した文具については、実店舗の文具屋で購入したほうが安いかもしれません。ただし、マイナー色であれば、大きめの文具屋でなければ見つからないかもしれません。
特殊なものにサインする
紙以外にサインするというパターンがごくまれにあります。
本の表紙、椅子の裏、ノートPCの天板などにサインをお願いされたことがあります。
下地が白でない場合は、白のマーカーで対応します。油性なので基本的に何にでも書けます。修正液で代用すると、サインがぐちゃぐちゃになるのでおすすめできません。
私は、ぺんてるのホワイト・中字 X100W-MDを使っています。
FUDE BALLは書籍にサインするレベルでは十分ですが、サイン色紙のように大きめのサインの場合には物足りなくなります。そういった場合は油性マーカー・中字・丸芯が向いています。
私は、PILOTの油性マーカー MPM-10F-Bを使っています。
東京出張の際には、サイン用具一式を入れた筆入れを忘れないように持ち歩いています。
金色ペンで豪華さを出す
点字バージョン
自宅でサインできるなら下書き可
これまでにサイン入りの本をプレゼントするという企画がありました。
このときは自宅で落ち着いた状態でサインしました。名刺のミジンコイラストをすかせた状態で下書きをして、慎重に描きます。
一方、POPは厚紙なので、イラストを透かして見るという技は使えません。