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消費者庁が、2023年10月1日から施行する景品表示法の規制対象(通称:ステマ規制)にならないよう、配慮して記事を作成しています。もし問題のある表現がありましたら、問い合わせページよりご連絡ください。

参考:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。 | 消費者庁

Unpack floating-point value【NandGame編】

浮動小数点に関するレベルが開始

上級科目として、ここからは浮動小数点(floating point)演算を構築します。

浮動小数点は整数に比べて、より広い範囲の数を表現できます。

NandGameの浮動小数点

NandGameでは16ビットで浮動小数点値を表現します。

NandGameの浮動小数点記法は次のとおりです。

要素ビット位置ビット数概要
sign15ビット目
※右が0ビット目とする。
1ビット符号
・0=正、1=負
exponent10~14ビット目5ビット指数
ただし、バイアス指数なのでパック時には15を足す(詳細は後述)。
significand0~9ビット目10ビット仮数かすう(シグニファンド)
有効数字を示す。
ただし、正規化された状態なので、アンパックする際には、「暗黙の最初の1」(後述)が存在することを忘れないように。

正規化

同一の数について複数の表現ができます。これでは比較や演算の際に不都合であるため、正規化という手続きを踏んで、標準的な形式に表現します。

例えば、10進数の228を浮動小数点数で表してみます。

まずは2進数に変換すると、22810=1110 01002=1110 01002×20=1.110012×27になります。

実のところ、仮数の最初(一番左)のビットは常に1になるため、格納する必要ありません。これを暗黙の最初の1と呼びます。

暗黙の最初の1を無視すると、次のように表現できます。

仮数部に小数部分のみを記述されています。これにより、1ビットを削減できます。つまり、表現できる数の範囲が広くなるわけです。

指数のバイアス(bias)

負の数を扱うのは不便なので、便宜上保存されている指数に15を加えます。加算された結果の指数をバイアス(下駄履き)指数といいます。

先の例にバイアス指数を適用すると、次のようになります。指数部が1 01102(=710+1510=2210)になります。

Unpack floating-point valueレベル

Unpack floating-point valueレベルのゴールは、正規化された浮動小数点数を3つの要素に分解する回路を実装することです。

回路の入出力は次のとおりです。

入力・fp・・・正規化された浮動小数点数。16ビット。
出力・sgn・・・符号。1ビット。
・exp・・・指数。16ビット。
※実際には16ビットも必要なく5ビットしか使いませんが、NandGameの仕様上入出力のデータ幅は1ビットか16ビットしか選べないのでこうなっています。
・sf・・・仮数。16ビット。正規化を考慮して、暗黙の最初の1を付与する。
回路の入出力

16ビット表現から33ビット(=1+16+16)表現に変換することを「パックする」、その逆を「アンパックする」と呼ぶことにします。そして、16ビット表現の場合パックされた浮動小数点、33ビット表現の場合パックされていない浮動小数点と呼びます。

Unpack floating-point valueレベルを解く

1:指数部を取り出す

これは簡単です。「入力のfpの15ビット目」を出力sgrと直結するだけです。

2:指数を取り出す

出力のexpからバイアス指数を出力します。そのためには、「入力のfpの10~14ビット目」を抽出してから、16ビット化するだけです。

3:仮数を取り出す

まずは0~9ビット目を単純に取り出して16ビット化します。

次に正規化について考えなければなりません。

指数が0以外、すなわち5ビットのうちどこかに1があるなら、暗黙の最初の1を付与するようにします。5入力のORゲートがあればそれ1つだけで済みますが、通常の2入力のORゲート(orコンポーネント)しか用意されていません。そこで、orコンポーネントと繰り返して使うことにします。

4:テストする

入力のfpに0400hや07ffhを指定して、挙動を確認してみましょう。

テストにパスするとクリアになります。