読書における心構え

はじめに

私(IPUSIRON)の読書における心構えを紹介します。これらは本の選び方、読み方(インプット)、活かし方(アウトプット)に共通する内容です。

読書の目的やスタイルを明確化する

読書の目的を明確化することで、読むべき本を絞り込めます。IT技術書であれば、次のような読書の目的が挙げられ、それに応じて向いている本が決まってきます。

  • 得意分野をより探求したい⇒数式や専門用語が多い本や論文、最新の洋書
  • 苦手分野を克服する⇒手を動かしながら読み進める本、サポートの厚い本、イラストが多い本
  • 未知の分野を新規開拓する⇒広く浅く解説した本、一般向けに書かれた本

読む本が決まれば、それに対応して読書スタイルも決まります。数式を理解したり、プログラムを入力したりするのであれば、精読が向いています。一方、物語風の内容であったり、新しい用語を知識にしたりするのであれば、速読も可能です。

読書のやり方に正解はない

人によって向いている読書法は異なります。同一人物であっても、読もうとするタイミングや環境によっても向いている読書法は異なります。100人いれば100の読書法があるのでなく、1,000以上の読書法があるのです。言い換えれば、現在行っている読書法には改善の余地が大きく残されているということです。それを改善するには、実際にアイデアを自分で考えて試行錯誤するのもよいですが、他人が実施している読書法を参考にすることで思いがけないヒントが見つかるかもしれません。最初は完全に模倣してみるのもよいでしょう。何か違うと感じたら、ちょっとしたアレンジを加えます。また、自分の読書法に融合する形で組み込むのもよいでしょう。重要なのは試してみることです。言い訳を考えたり、失敗を恐れて試さなかったりするようでは、成功は訪れません。逆に積極的に読書に前向きに取り組むことで、いつの日か自分なりの読書法を確立化でき、読書という行為を楽しみながら、知識の習得や知的好奇心を満たすという目的を達成し続けられるはずです。

好きなことを見つける

現状の目標が見つからなければ、読書を通じて好きなことを追求することも1つの手です。そのためには、自分にとって好きなことが明確になっていなければなりません。自信を持ってこれが好きといえるものがありますか? 即答できる人もいれば、そうでない人もいることでしょう。本当に好きなことをまだ見つけられていなければ、日々好きなことを探し続けてください。興味の対象との出会いが少ないだけかもしれません。そうであれば本章で紹介する読書により、好きなことを見つけられる可能性は非常に高まります。

なお「好きなこと」「得意なこと」「憧れること」は似ているようでまったく意味が異なります。いずれも読書では重要な要素となりますが、区別して認識しておくことで読書の精度を高められます。

読書で得られるものと失うものを明確にする

人を成長させる手段として読書は有効ですが、それが絶対というわけではありません。経験、交流(人との出会い)なども非常に有効です。

読書という行為は、本代(金銭的コスト)、読書時間(時間的コスト)、本を置く場所(空間的コスト)を費やすことになります。冊数が増えれば増えるほど、これらのコストは比例していきます。

読書は人生を豊かにしますが、家族との時間やお金を失って後悔するようでは本末転倒といえます(読書そのものが生きがいであれば別)。失うもの以上に得られるものを最大化するように意識してください。「読書による自己投資⇒自己成長する⇒アウトプット(仕事や成果物)でお金を稼ぐ⇒経済的自由を手に入れる⇒自由時間が増える⇒自分と家族が幸せになる」といったサイクルを目指しましょう。このように長い目で見れば、読書によって自由かつ充実した時間を得られるのです。

成長を想像する

経験・交流・読書などは人を成長させます[1] … Continue reading。特に読書については、本代と読書時間のコストを費やすだけで済みます。それ以外に失うものはほとんどありません。

読書は自らの意思で継続できます。数値化されるわけではないので成長を感じにくいかもしれませんが、継続すれば必ず成長します。再読することでその成長を容易に感じられるはずです。

自分が目指すべき将来像を想像することで読書の方向性がぶれません。そして、日々の成長を楽しむことで、読書を継続するモチベーションを保てます。

読書時間を作る

「忙しくて読書できない」という方もいるかもしれません。1日のうちで無駄にしている時間がないのかを見つめ直してください。SNS、メールチェック、サイト巡回、TV鑑賞などを繰り返していませんか? 1日に数回チェックすれば十分なのに、1日に何度もチェックしてしまいがちです。

無駄な時間や隙間時間に集中的に読書してください。忙しい人ほど読書に集中しなくてはならず、結果的にダラダラ読書するよりも効率よく吸収できることさえあります。これが「忙しい人ほど読書家である」「成功者に読書家が多い」といわれている所以です。それを継続することで、読書が習慣となるはずです。

どんな本でも学びがある

多くの方は本選びにおいて、他人のおすすめ本を欲します。自力で選ぶにしても、今必要とする本や好みの本ばかり選びがちです。こうした気持ちはわかりますが、あえて「どんな本でも学びがある」という精神を大事にして欲しいと考えています。良書・悪書、好き・嫌い、得意・不得意と分けないように意識します。そして、専門書、一般大衆向けの本、漫画、絵本、児童書など、ジャンルを問いません。

読書は本と人との出会いといえます。無駄と思える本に出合うことを恐れることはありません。どんな本であっても、少なくとも1つは得られるものがあります。超多読法を活用すれば、得られるものの少なさもトータルの数でカバーできます。断片的な情報であっても、大量に集めれば体系化でき、新たな学問が生まれるかもしれないのです。

読書とは一生の付き合い

短期的な目標については良書や特定の分野の本を集中的に読むことで効率的に効果を上げられます。それに対して、長期的な目標については同様のアプローチが向いているとは限りません。目標に到達するルートは様々あります。多くの方は効率的なルートを辿ろうとします。同じ道を進むのか、あえて別の道を進むのかは、読者の素質や性格次第です。誰でも負けないような才能があり、努力を怠らないという自信があれば同じ道を進むのもよいでしょう。そうでなければ、別の道を進んで一発逆転を狙うのもありでしょう。

そもそも読書に正解はありません。どんなに効果があっても、自分に合っていない方法は続きません。人生は長く、読書は一生継続していくものです。今後の人生をよりよい読書ライフにするためには、自分の向き・不向きを見極めて、自分に合った読書法を確立してください。

やってみれば自分に向いているかどうかがわかります。とりあえず試してみて向いていないと思ったら、早めに止めて新しい方法に挑戦すればよいのです。

読書は自己投資に最適

自分の成長を信じるのであれば、読書に自己投資するのが有効といえます。特に若いうちは自己投資で自分の能力を磨き、稼ぐ力や生き抜く力を身に付けるのです。IT書籍であれば1冊数千円です。数千円あれば美味しい食事を食べられるかもしれませんが、食べてしまえばなくなります。逆に美味しい食事を数回我慢すれば、著者の知恵や成功談を数千円で吸収できる機会が得られるということです。読んだことは頭に残り、なくなったりはしません[2]忘れたとしても再度読み直せば前よりはすぐに理解できます。つまり、忘れただけで読んだ事実は残っています。。その結果その本で得た知識により、将来的に本の値段の何十倍を稼ぐきっかけになるかもしれません。 あなたがその本を20歳で読んだとき、30歳で読んだときを比較してみます。前者の方がその本で得た内容を10年間長く活かせます[3] … Continue reading。年10万円の差を生むのであれば、生涯で100万円の差になります。こうした本が10冊、20冊と増えていけば、生涯で1,000万円、2,000万円の差が出てきます。

読書を先延ばしにすることの弊害は、上記のような機会損失だけではありません。年齢を重ねて、記憶力が低下します。場合によって、視力の悪化や体力の低下によって読書が困難になる可能性さえあります。この本は老後のために取っておこうと考えてしまうと、一生読まない本になってしまうかもしれないのです。

「インプット→アウトプット→改善」のサイクルを繰り返す

人にはそれぞれに合った読書スタイルとテクニックがあります。本章では私が実践している読書法の一部を紹介しますが、あなたにとってベストな方法とは限りません。

ではどうしたらよいのでしょうか。最初は本書や周囲の読書家から、様々な読書法について情報収集しましょう。そして、自ら実践してみるのです。最初は真似になってしまいますが、それでもかまいません。実践してみることで、自分にとって向き・不向きがわかってきます。机上で考えるのではなく実践することが重要です。
その上で自分なりのアレンジを加えたり解決方法を考察したりして、「実践・検証・フィードバック」を繰り返します。このサイクルを継続することで、自分の読書法がどんどんブラッシュアップされていきます。

自分の方法が確立しても、読書法についてはアンテナを高く上げておき、常に広く情報収集します。他人の意見には素直に耳を傾け、有効な方法を取り込んでしまえばよいのです。

References

References
1 ドイツ帝国の初代宰相ビスマルクの言葉に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というものがあります。これは読書を通じて歴史を学ぶことの重要さを示唆しています。
2 忘れたとしても再度読み直せば前よりはすぐに理解できます。つまり、忘れただけで読んだ事実は残っています。
3 他の本との相乗効果、本人の読書スキルの向上を考慮すると、このように単純には計算できません。しかしながら、早く読むことは圧倒的に有利であることは間違いありません。