睡眠時無呼吸症候群患者によるセミリタイア生活
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
コーストFIRE中のIPUSIRONです😀
私自身10年以上睡眠時無呼吸症候群(以降、SASと略す)に悩んでいました。
「いびきがうるさいとよくいわれる」「寝ても寝たりない」「自分のいびきで起きる」「いびきをかくことが怖くて公共交通機関で寝られない」「起床したときにやたら疲れている」などの弊害があり、2年前に病院に行きSASについて相談しました。
それ以降、寝る度にCPAPを使っています。マスクを装着するのは少々わずらわしいですが、睡眠の質が向上しました。同時にいびきも若干軽減できました。
SASで困っている方はCPAPの導入について一考の価値はあります。
独断と偏見によるセミリタイアへの必須度
項目 | 概要 |
---|---|
シーン | 使う力。 貯蓄したお金を健康という意味で自己投資に費やす。 |
金銭的リターン | 直接的な金銭的なリターンはない。 |
金銭的コスト | CPAP(SASの悪影響を軽減する装置。詳細は後述)をレンタルする場合、月1回通院する必要がある。診療費等を含めると月5k前後になる。 |
時間的リターン | CPAPによって睡眠の質が向上すれば、短い睡眠時間でも満足できるようになる。さらに、仕事の進捗はよくなる。 |
時間的コスト | 病院に通院する時間的コストが発生する。 |
総合ランク(S>A>B>C>D) | セミリタイアへの必須度はDランク。 毎月「5kの金銭的コスト」と「通院の時間的コスト」という一種の固定費がかかりますが、CPAPにより睡眠の質が1.5倍に向上する。その結果、稼ぐ力が1.2倍の効率にアップするかもしれない。 どちらが得かどうかは人それぞれなので何とも言えないが、SASで悩んでいる方はC-PAPの導入を一考するに値する。 ミジンコ的には「SASで睡眠の質に悩んでいるのであればCPAPを導入する。コスト高に感じるようになれば、減量するなどしてSASを根本的に治してから、CPAPを止めればよい」といえる。 |
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
1時間あたりの平均の無呼吸と低呼吸[1]睡眠中10秒以上呼吸が止まること。無呼吸ではないが、もう少しで止まりそうな弱い呼吸のこと。の回数をAHI(無呼吸・低呼吸指数)といいます。この指数が5以上であれば異常と判定され、これを睡眠呼吸障害(以下、SDBと略す)といいます。
SDBでなおかつ日中の眠気や倦怠感を伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。
また、こういった症状がなくても、AHIが15以上であればSASと診断してもよいことになっています。
SASの種類
SASは閉塞性(obstructive)と中枢性(central)の2つに大別される。
- 閉塞性SAS(OSAS)…呼吸をしようとしているが、上気道の閉塞によって鼻や口の気流が停止するタイプ。
- いびきが生じやすい。
- 中枢性SAS(CSAS)…呼吸運動そのものが停止するタイプ。
- 「呼吸せよ」という脳からの信号自体が一時的になくなる。
- 基本的にいびきはかかない。
SASと関連のある病気
OSAS
- 高血圧
- 心不全
- 脳卒中
- 不整脈
- 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
- 突然死…OSASの患者は慎也に突然死するリスクは、OSAS以外(SASでない、CSASを含む)の人と比べて2.57倍高いと報告されている。
CSAS
- 心不全をはじめとした心機能低下や脳卒中
SASの治療
OSAS
- 減量…肥満の場合。
- 持続陽圧呼吸療法(CPAP[2]“Continuous Positive Airway Pressure"の略称。療法)…CPAP(詳細は後述する)という装置を使う治療。
- 口腔内装置(OA)…マウスピース療法。
- 耳鼻科的手術…レーザー治療など。
- 生活習慣の改善…横向きに寝る、禁酒、睡眠薬の禁止、鼻疾患の治療
CSAS
- 心不全などの循環器病の治療をする。
- 酸素療法
- CPAP療法
以上のようにSASの対策は色々あります。私自身はCPAPしか試したことがありませんので、本記事ではCPAPに注目して解説します。
CPAPとは
CPAPとは気道に空気の圧力(陽圧)を持続的にかけることによって、舌の根元が沈み込んで気道を閉塞するのを予防する装置のことです。CPAPは「シーパップ」と呼びます。
顔にマスクを装着して、装置から空気を送ることで呼吸をしやすくします。
日本の保険診療では、AHIが20以上のOSASと診断された場合にCPAP療法の対象となります。
CPAP療法はAHIを改善するだけでなく、次の効果も期待できます。
- 降圧(高血圧の改善)
- 不整脈の減少
- 交感神経の働きの抑制
- インスリンが効きにくい状態を改善(糖尿病の改善)
- 心筋梗塞・狭心症や脳卒中など循環器病の発症を抑え、この症候群の経過をよくする。
CPAPの特徴
メリット
- SASの悪影響が軽減される。
- 目覚めのよさが1.5倍になることを期待できる。
- いびきが軽減される。
デメリット
- レンタル費、通院の時間がかかる。
- 根本的な治療方法ではない。
- 顔に固定するため慣れるまで不快感がある。
- トイレに行くたびに装着し直す必要がある。
- 旅行先に持っていくときに荷物になる。「C-PAP本体+ACアダプター+チューブ」の一式を持つことになり、カバンが1つ増える。
- 外した際に空気圧が漏れるため、その音が少々うるさい。
- 一緒に寝ている人がいれば、その人に対して騒音になってしまう。
- ランニングコストがかかる。
- 衛生面を考えるとメンテナンスが必要。
- 十数年CPAPを使い続けると、CPAPがない環境では寝られないという人もいる。
私が使っているCPAP
私がレンタルしているCPAPはAireSense 10 Respond Wという機種になります。
接続法などは以下の動画が参考になります。紹介しているCPAPの型番は異なりますが、ほぼ同型で使い方も同様です。
病院には行きたくないけどCPAPを使いたい
保険制度ではCPAPをレンタルできますが、購入するよりは安価で済みます。しかしながら、毎月5k支払うことを考えると、いっそのこと購入したほうが(サポート等は無視すれば)トータルでコスト削減になるかもしれません。
また、SASと診断されていないが、CPAPを導入したいという方もいることでしょう。
AmazonでもCPAPもどきが売っていますが、微妙な製品ばかりのような気がします。
「CPAP」「購入」でGoogle検索すれば、まともなCPAPを販売している業者があります。私自身は利用したことがないのでなんともいえませんが、検討してみてください。
他の安眠グッズと干渉しないか?
CPAPのマスクを付けた状態で、めぐりズムを装着してみました。ほんの少しだけ干渉しますが、睡眠を邪魔する程度ではないのでまったく問題になりません。
私の通院日の様子【実例】
1:CPAP本体からACアダプターのケーブルを抜きます。その状態でCPAP本体からSDカードを取り外して、専用のケースに入れます。
2:保険証、財布、SDカードを納めたケースを病院に持っていきます。
3:病院の受付で保険証と診察券を提出します。
4:内科の待合室に移動して、ケースを看護師に渡します。SDカード内のデータの解析に時間がかかるので、事前に渡します。
5:血圧を測っておいて、待合室で待ちます。
6:名前が呼ばれたら、血圧の結果を渡します。
7:その後データの解析が終わると、SDカードとケースを返されます。
8:診察室前の待合室に移動して、医者から名前を呼ばれるのを待ちます。
9:名前を呼ばれたら、医者からCPAPレポートを渡され、今回の結果の説明を受けます。いつも通りであれば、診察は1分で終わります[3]待ち時間の方が圧倒的に長いです。。
10:受付前に戻り、名前を呼ばれたら医療費5kぐらいを支払います。
11:血圧の薬をもらっているので、処方箋を持って近所の薬局に行きます。以上が通院日の様子になります。
いびきをかいているかを調べたい
いびきを録音するアプリは色々出ていますが、私は次のAndroidアプリを使っていました。一時期は有料版を使っていたほどです。
CPAPを継続するか卒業するか【実例】
CPAPを2年以上使い続けてきました。その間体重が30kg落としたので、SASが改善しているかもしれないと思い、医者にそのことを伝えました。SASが改善しているかどうかは専用機械を使った検査でわかります。これはSAS認定するかどうかの検査とまったく同じものです。
今回この検査を行うことになりましたので、忘備録として記載しておきます。
- 寝る前にこの機器で測定するだけで、SASかどうかを判定できる。
- 表面の青いスイッチを押すと起動して、画面が付く。その後、側面の緑のスイッチを3秒以上長押しすると記録が開始する。
- 薬指にセット。
- カニューレを鼻にセットして、チューブを耳にかける。
- チューブが外れないように、サージカルテープで指を一周させて固定。服の数個所でチューブを固定。
- 一度記録をスタートすれば、12時間連続して記録し続けてくれる。
- 少なくとも4時間データが取れれば、SASかどうかの判定ができる。
- 停止する必要はなく、12時間後勝手に終了する。起床して取り外したら、電源を手動で切る必要なし。
- 起きてからカニューレが外れているのに気付いたら、再度鼻にセットする。
- 機器を返却後、データの解析がある。一週間後ぐらい。それ以降にCPAPの診察に行く予定があれば、そのときに検査結果とCPAPを継続するかどうかを聞けばよい。CPAPの機器は持って行く必要はない(私の地区の場合は、後で自宅まで業者が取りに来る)。
- 業者から機器を借りてデータの解析があるので、医療費が発生する。健康保険の対象であり、負担額は3kぐらいだった。
おわりに
セミリタイア生活においてCPAPによる金銭的・時間的コストは負担になるかもしれません。
これを解決するにはSASの根本的な治療が必要です。肥満であれば減量したり、肥満でなくてもSASであれば手術を検討すべきといえます。
SASをすぐに治療できないのであれば、CPAPを導入する価値は十分になると思います。金銭的・時間的コストを超過する恩恵を受けられるはずです。仕事の効率性が上がれば、稼ぐ力も大幅にアップするでしょう。
私は現在-30kg近く減量したので、そのうちCPAPを卒業するかもしれません。