太平洋フェリーで非日常を楽しむ【セミリタイア生活と相性ばっちり】
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
コーストFIRE中のIPUSIRONです😀
日本には色々なフェリーがあります。船酔いを心配する人がいるかもしれません。
私は乗り物酔いしやすいタイプであるにもかかわらず、これまで「仙台⇒名古屋」間で太平洋フェリーを4回ほど利用した経験がありますが、揺れを感じても酔うほどではありませんでした。
太平洋フェリーは結構大きな船なので、漁船のような揺れとはまったく異なります。
独断と偏見によるセミリタイアへの必須度
項目 | 概要 |
---|---|
シーン | 使う力。 |
金銭的リターン | 特になし。 |
金銭的コスト | 新幹線や飛行機で移動するより格安。オフシーズンを狙って早割で予約すれば、個室を10kぐらいで利用できる。 交通費と宿泊費がセットでお得、さらにフェリー生活という特別感を味わえる。 |
時間的リターン | 特になし。 |
時間的コスト | 片道20時間と長時間拘束されるが、寝たり読書したりすればよい。一人で時間を潰せる人は気にならないはず。 |
総合ランク(S>A>B>C>D) | セミリタイアへの必須度はAランク。 セミリタイア生活中や自営業であれば時間の調整しやすい。ミジンコ的には「そういった方全員におすすめ」。 |
太平洋フェリーとは
「苫小牧⇔仙台⇔名古屋」の間を3隻でぐるぐる回っているフェリーです。
クルーズシップオブザイヤーで第1位を何度も受賞しています。
太平洋フェリーの特徴
メリット
- そもそもフェリーなので安い。
- 特にオフシーズンは激安。
- 通常は2名の個室なら1人でも2名分の料金が必要だが、オフシーズンであれば1人でも1名分の料金で泊まれる(つまり貸し切り料金不要)。
- 個室であれば、周囲の騒音、自分のいびき、荷物の量、トイレを気にしないで済む[3]エコノミーシングルだと完全個室ではなく、個室風なだけなので注意。。
- 新幹線や飛行機では自分のいびきが気になって眠れないといった方には超おすすめ。
- 個室であればCPAPを持ち込める[4]CPAPについては「睡眠時無呼吸症候群患者によるセミリタイア生活」も参照してください。。空気圧の音が漏れても大丈夫。
- バリアフリー対応ルームあり。
- 車いすOK。乗下船時に介助者が車いすを押すとして、荷物の運搬についてはお願いできる。
- 車、バイクの乗船可能。
- ペットとの乗船が可能。
- ペットハウス(ペットは専用の別部屋)やウィズペットルーム(ペットと一緒の部屋)あり。
- 喫煙コーナーあり。
- 部屋では吸えない。
- タイミングが合えばキャンペーンがあるかもしれない。
- 過去のキャンペーンとして「ペアで100歳」「一人旅応援」「レディース」「GoToトラベル」などがあった。
デメリット
- 片道20時間ぐらいかかる。
- ごろ寝したり、非日常空間で読書や作業を楽しめたりする。こう考えるとメリットにもなりえる。
- 新幹線は早いかもしれないが、狭い椅子でくつろぐしかない。
- フェリー乗り場までの移動に苦慮する。
- 天候に左右される。
- 台風がぶつかってしまうと、出港できない可能性がある。
- お金は返ってくるが、スケジュールを調整し直すことになる。
- 船便が少ない。
- 太平洋フェリーは3隻のフェリーを順繰りに回しています。つまり、移動方向に対して1日1本しかないと思ってください。
- 船酔いすることがある。
- 対策についてはFAQに書いた。
- 個室でないと、盗難の危険性が若干ある。
- 国内旅行保険に入っておけば安心かも。
- 例:三井住友ゴールドNLの付帯保険には、持ち物安心プラン(携行品損害保険)がある[5]https://www.smbc-card.com/mem/service/li/hoken_keikouhin.jsp。
- 国内旅行保険に入っておけば安心かも。
3隻のフェリー
太平洋フェリーは「いしかり」「きそ」「きたかみ」という3隻のフェリーが運航しています。3隻すべて川の名前が由来になっています。
- いしかり…フェリー・オブ・ザ・イヤーの第1回~第13回[6]いしかり(2代目)が受賞しています。、第20回~第28回連続受賞。迷ったらこれに載れば間違いなし。
- きそ…フェリー・オブ・ザ・イヤーの第14回~第19回連続受賞。
- きたかみ…乗用車の搭載可能数がもっとも多い。
基本的な部屋の種類
ランクが高い順に並べました。
ロイヤルスイート | 個室。角部屋。フェリー1隻に1部屋しかない。一番豪華。 オフシーズン(A期間)+Web割であれば、1名の料金で宿泊可能。47kぐらいで予約可能。 バスルームはガラス張り。 スタッフが部屋まで案内してくれる。 夕食時に限り行われるスペシャルサービスとして、ロイヤルスイーツ専用席を用意される(恥ずかしがって断る必要はない)。 |
スイート | 個室。角部屋。フェリー1隻に1部屋しかない。 |
セミスート | 個室。フェリー1隻に2部屋しかない。 セミスイート以上はWebA割で予約できない。 |
特等 | 個室。洋室と和室の2種類。 そこそこ広い。 |
1等 | 個室。洋室と和室の2種類。 1等以上は鍵付き。 イメージとしてはビジネスホテルの小部屋。 外の風景が見えないインサイド個室あり(このタイプだと少し安い)。 |
S寝台 | 仕切りあり。S寝台以下は鍵なし。TVあり。 S寝台以下は低層階なので、他の人の騒音もあるが、船の機関の音がうるさく、機関の振動がある。 |
B寝台 | 上下セパレートの二段ベッド。 イメージとしては小さなカプセルホテル。 |
2等 | 大部屋での雑魚寝。当然仕切りも鍵もなし。 一番安い。 |
どれぐらい安いのか
オフシーズン中に早割で予約すると、どの程度安いのかを紹介します。
「仙台⇒名古屋」でざっくりとシミュレーションします[7]待ち時間、乗り換え時間は無視しています。。
A期間(オフシーズン)であれば格安で太平洋フェリーに乗れます。この時期で計算してみました。
移動手段 | ルート | 備考 |
---|---|---|
新幹線 | 仙台駅⇒東京駅:JR新幹線はやぶさ (乗り換えのみ) 東京駅⇒名古屋駅:JR新幹線のぞみ 【指定席19,980円】【3時間8分】 | 急ぎならこれ。 |
新幹線 | 仙台駅⇒東京駅:JR新幹線線【11,410円】【1時間33分】 (改札から出る) 東京駅⇒名古屋駅:JR新幹線のぞみ【指定席11,300円】【1時間36分】 | 東京観光も兼ねるならこれ。 |
特急+新幹線 | 仙台駅⇒上野駅:JR特急ひたち【9,280円】【4時間25分】 上野駅⇒東京駅:JR山手線【157円】【8分】 東京駅⇒名古屋駅:JR新幹線のぞみ【指定席11,300円】【1時間36分】 | |
飛行機 | 仙台駅⇒仙台空港駅:仙台空港アクセス線【661円】【25分】 仙台空港⇒中部国際空港:ANA【37,270円】【1時間20分】 中部国際空港⇒名鉄名古屋駅:名鉄空港線特急【890円】【37分】 | |
高速バス | 仙台駅前⇒名鉄BC:高速バス・青葉号【9,800円】【9時間20分】 | 一番安く行きたいならこれ。 |
自家用車 | 仙台駅⇒名古屋駅【高速代+ガソリン代】【8時間34分】 | 道草自由。 |
徒歩 | 仙台駅⇒名古屋駅【??】【131時間】 | 高低差があるので多分この時間は無理。松尾芭蕉なら可能かも。 |
太平洋フェリー | 仙台駅前⇒仙台港フェリーターミナル:連絡バス【550円】【45分】 仙台港⇒名古屋港:フェリー【2等(雑魚寝)なら3,900円、1等(個室)なら9,400円】【21時間40分】 フェリーふ頭⇒野跡駅:名古屋市営バス【210円】【18分】 野跡駅⇒名古屋駅:名古屋臨海高速鉄道あおなみ線【310円】【20分】 | ゆったりのんびりならこれ。 自分の車を持っていきたければこれ。 |
普通に移動するのであれば、新幹線という選択肢になります。快適さは普通、移動時間は短くて済みます。
一方、太平洋フェリーだと、フェリー乗り場への移動、フェリー自体の待ち時間や移動時間も考えなければなりません。長時間拘束されますが、かなり金額的にはお得になります。雑魚寝でよければ4kぐらい。個室でも10k前後です[8]特に個室は人気で争奪戦になるため、早めに予約することをおすすめします。。どちらせによ快適さは新幹線や高速バスよりはるかにましです。
私と太平洋フェリー
以前関西に住んでいたことがあります。実家は福島県相馬市。仙台港から車で1時間以内とかなり近かったので、よく太平洋フェリーを使っていました。愛知県の大学院時代の友人がいて、よく寄って泊まらせていただいていました。
フェリー内ではゆっくりと読書したり、海を見ながらバイキングしたりするのが楽しみでした。
父との思い出
2018年に父がALSを発症しました。その詳細については、以下の記事で触れています。
ALSを発症してもすぐに歩けなくなったり、寝たきりになったわけではありません。ALSは徐々に身体が弱ってきます。まだ歩ける時期にこれまであまりできなかった旅行をするようになりました。その1つの選択肢として、太平洋フェリーをすすめました。「仙台⇔苫小牧」「仙台⇔名古屋」の2回太平洋フェリーを利用しました。元漁師だったこともあり、とても楽しかったといっていました。
歩きにくくなってからも名古屋に旅行したいといっていました。しかし、飛行機だと大変なので、太平洋フェリーにしました。フェリー乗り場までは車で移動できますし、太平洋フェリーなら車いすで乗船できます。そして、名古屋港のフェリーふ頭からは、車いす対応のレンタカーを1日貸し切りで名古屋を半日楽しみました。次の画像は、海好きだった父が太平洋フェリーの売店で買ってきたお土産です。今も茶の間の壁に飾っています。
太平洋フェリーの魅力について
サイトによる紹介
公式ページにも内装の紹介があり、全体像を把握するのに向いています。
動画による紹介
YouTubeに太平洋フェリーの紹介動画が何本かあり、動画だとイメージがつきやすいです。
ブログによる紹介
SNS等の口コミによる紹介
書籍による紹介
FAQ
フェリー乗り場までの移動
- フェリーでの移動自体は楽ですが、フェリー乗り場まで移動するのは大変かもしれない。
- フェリー乗り場の駐車場に車を駐車し、万が一何か起きたとしても保証されない。
- 放置がばればれなので狙われる可能性が高い。
- 近くの駅前の有料駐車場に車を置いて、駅からフェリー乗り場までタクシーというのが確実。
- バスでも移動できるが、乗船がギリギリになりがち。また、バスが混雑する。
食事はできる?
- レストランでは朝食・昼食は1k、夕食は2k。バイキング形式。
- 喫茶コーナーの軽食。
- 船内に持ち込み自由。
- 乗船前にコンビニやフェリーターミナルの売店で購入して、フェリー内で食べられる。
- 自販機あり。
20時間も暇ではないのか?
- 個人的には20時間といった楽しんでいるが、人によっては退屈しないか心配かもしれない。
- TVもあるが、面白い放送はない。
- 部屋のTVが観にくければ、フロアのTVを観るというのもあり。
- 本、漫画、携帯ゲーム機、PCなど、暇をつぶせるものをもっていくこと。
- 電子書籍を読む場合は、出発前にデータをダウンロードしておくこと。
- スマホでネットをしようとしても、太平洋上では電波が入らない。
- シアターラウンジやゲームセンターもあるがおまけ程度に考えておくこと。
- WiFiがあるが有料。使ったことがないので、スピードやセキュリティは不明。
車の乗船について
- 別料金を支払えば、乗船可能。
自転車やバイクで旅をしている
- 別料金を支払えば、乗船可能。
船酔いが心配
- 大型のフェリーなので酔いにくい。
- それでもいつも揺れている感じはある。
- 酔いやすい部屋とそうでない部屋がある。左右に揺れるわけなので、中心が船の重心になる。中心に近く、下の階層であれば、理論的には揺れを感じにくい。また、外の景色が見えなければ、体感的に揺れを感じやすい。
- 元々酔いやすい私は問題なかったが、心配であれば酔い止めを用意しておこう。
- フェリー内の売店にあるとは限らない。「きそ」では販売しているという情報あり。
- 用意し忘れたら、フェリーターミナルの売店で入手しておく。
鍵をかけられる?
特に1人で乗船した場合は、荷物を置きっぱなしにして盗まれないか心配してしまいます。船内ではたびたび「盗難や置き引きに注意」という放送が入ります(それほど置き引きがおおいのかもしれない)。
フェリーの案内所に貴重品預かりサービスがありますが、封筒に入る量しか預かってくれません。財布とかであれば無料の貴重品ボックスに入れられます。スーツケース程度を入れられる有料のコインロッカーもあります(当然出し入れの度にお金がかかる)。
2等、B寝台には仕切りさえありません。S寝台はロールスクリーンの仕切りはありますが、鍵はありません。よって、気になる方は1等以上を選びましょう。カードキーがあります。このカードキーは磁気テープかつ使い捨てタイプです。つまり、物理鍵のように合鍵を作って、別の日に同室に侵入することはできないので、安心してください。
ドアの下にある小さい扉はおそらく緊急時に空気の通気のものでしょうか?
隙間からバイパス解錠で内側のサムターンにアクセスして、ロックを解除できるような気もします。悪用厳禁。
大きな荷物がある
- 例えば、スーツケース、スキー、スノーボード、お土産がある場合が考えられる。
- 個室ならスーツケースがあっても問題ない。
- S寝台の場合、ベッドの下に大きな荷物を入れられるスペースがある。ただし、フルオープン。
- B寝台以下の場合は、小さいカプセルホテル形式なので、大きいスーツケースを置くスペースさえない。
コンセント
- コンセントはあるが、数はない。分岐できる電源タップを持っていくべき。
船内移動
- スリッパやサンダルで移動可能。
- 事前に用意しておくことをすすめる。
- 服装は基本的に何でもOKだが(ジャージも可)、肌を過度な露出したものはNG。
- デッキに出ると風が強く寒いので注意。
大浴場
- 海が見える大浴場。
- といっても、夜は真っ暗な海しか見えない。
- リンスインシャンプー、ボディソープが浴場内に備わっている。
- 大浴場手前の脱衣所にはドライヤーあり。
- タオルの貸し出しサービスはない。
- 個室であれば、アニメティやタオルが揃っているので、フェリーに持ち込む必要さえない。
- 当然部屋から大浴場へはタオルや着替えを持ち運ぶ必要がある。
- 共同風呂が嫌なら、個室の風呂を使う。当然ながら個室を予約しても、個室の風呂と大浴場のどちらも使える。
- フェリーが揺れるため、風呂水は満水ではない。また、風呂から立つときは揺れに注意する。
トイレ
- 共同トイレあり。
- 個室であれば室内にシャワートイレあり。
船内での買い物
- 売店あり。
- 食べ物、お土産が買える。
- 北海道土産もある。
- 営業時間に制限あり。
- 自販機ではジュースや酒を買える。
- 船内では現金払いのみ。
緊急で外部に連絡したい
- 陸が近くでない限り、電波が入らない。
- 各フェリーに衛星船舶公衆電話が用意されており、それで電話を掛けられる。
- 初掛け200円で36秒、追加100円毎に33秒通話。
- ただし、100円硬貨のみが使える。
- テレホンカード、クレジットカードは不可。
おわりに
「仙台⇔苫小牧」間の太平洋フェリーは利用したことがないので、いつか北海道旅行のときに車と一緒に乗船したいと思っています🙋♂️