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ミジンコの読書旅 第14弾【北海道 苫小牧編】

目次

はじめに

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

ミジンコに転生したIPUSIRONです😀

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今回はワーケーション&読書旅です。つまり、仕事をこなしつつ、読書も同時に進めるということです。
読書旅としてフェリーを利用するのは今回が初めてでした。フェリー特有の気づきがありましたので、本記事の後半でご紹介します。

今回の読書旅は14回目

前回(1週間前)・第13回目の読書旅は「栃木県日光・鬼怒川温泉」でした。以下の記事がその記録になります。

今回の読書旅についての基本情報

項目内容
旅程2026年2月25日(水)〜3月2日(月)|5泊6日
場所北海道
苫小牧
宿泊地【1泊目】行きのフェリー
【2-4泊目】苫小牧
【5泊目】帰りのフェリー
交通手段【自宅から仙台港フェリー乗り場まで】
電車移動:相馬駅⇒仙台駅⇒中野栄駅
タクシー移動:中野栄駅⇒仙台港フェリー乗り場
【仙台港⇔苫小牧港】太平洋フェリー(15時間)
【苫小牧港⇒苫小牧駅】
バス移動
目的・氷のワーケーション交流WEEK in 苫小牧
・読書旅
主な行動・初ワーケーション
・初の苫小牧訪問
・読書旅での初フェリー
・太平洋フェリーでの北海道行きは初めて
※名古屋行きは関西に住んでいた頃に何度も利用済み。
・初カーリング体験
・初スポーツ観戦(アイスホッケー)
・読書旅での初レンタカー発動
・物理本『河童が覗いたニッポン』読了
・物理本『暗号の話』再々読開始
・Audible『エピクロスの処方箋』読了
・Audible『成瀬は都を駆け抜ける』耳読書開始
・ともやんさんとの交流&食事会
成果物・当該ブログ記事
・同人誌のネタ1本+表紙案
読書旅の基本情報

「氷のワーケーション交流WEEK in 苫小牧」について

苫小牧市が主催する「氷のワーケーション交流WEEK in 氷都・苫小牧」に参加しました。

ワーケーションしながら、カーリング体験や雪中氷上BBQ、プロアイスホッケー観戦など氷都ならではのアクティビティを楽しめる企画です。期間中はいつでも参加・離脱が自由で、コワーキング優待やレンタカー無料といった滞在支援も充実しています。

北海道外からの参加者は、指定プログラムへの参加+市内2泊以上で最大25,000円のキャッシュバックを受けられます。

自分の専門性を活かして地域事業者と交流し、苫小牧を盛り上げるというコンセプトも面白いと感じました。ワーケーション参加を通じて苫小牧についてよく知る機会となりました。機会があればまた苫小牧を訪れたいと考えております。

なお、以下はXでハッシュタグ「#苫小牧ワーケーション」を検索したものなります。人によっては別のSNS(FacebookやInstagram)でこのハッシュタグを使っているかもしれません。

太平洋フェリーについて

過去に「フェリーとFIREは相性がよい」という主張の記事を書きましたので、参考にしてください。

苫小牧といえば

王子製紙に関する建物にあふれている

王子製紙は1873年(明治6年)に渋沢栄一が東京・王子村に「抄紙会社」として設立した日本最初の製紙会社であり、1893年に創業地の名を冠して「王子製紙」と改称しました。つまり東京都北区の「王子」が社名の由来です。1910年には支笏湖の豊富な水力と森林資源を背景に苫小牧工場が操業を開始し、苫小牧は「紙の街」として発展しました。現在も国内新聞用紙の約3割を生産する企業城下町であり、苫小牧駅前にそびえる200メートルの煙突は街のシンボルとなっています。東京の王子と北海道の苫小牧は、渋沢栄一の洋紙国産化の志を起点として、100年以上の歴史で結ばれています。

アイスホッケーが活発

苫小牧市は1966年(昭和41年)に日本国内初となる「スポーツ都市宣言」を行い、スポーツを通じたまちづくりを積極的に進めてきました。特にアイスホッケーの歴史は古く、王子製紙アイスホッケー部(現レッドイーグルス北海道)は1925年(大正14年)に結成され、全日本選手権で史上最多の優勝回数を誇ります。高校レベルでも駒澤大学附属苫小牧高校がインターハイで9連覇・5連覇を含む圧倒的な実績を残しており、市内では年間約40大会600試合ものアイスホッケーの試合が行われています。スポーツ都市宣言30周年の1996年には王子製紙社宅跡地にnepiaアイスアリーナ(白鳥アリーナ)が完成し、JOCのナショナルトレーニングセンター強化拠点にも指定されています。まさに「氷都」の名にふさわしいスポーツの街です。

ホッキ貝 漁獲量日本一

苫小牧市はホッキ貝(ウバガイ)の水揚げ量が市町村別で日本一を誇り、2000年から25年連続でその座を守り続けています。北海道の基準では殻長7.5cm以上で漁獲できますが、苫小牧漁協は独自に9cm以上の大型貝のみを水揚げする厳しい基準を設けており、産卵期の5〜6月は禁漁にするなど徹底した資源管理を行っています。2002年にはホッキ貝を「市の貝」に制定し、地域ブランド「苫小牧産ほっき貝」として差別化を図っています。ホッキ漁の歴史は明治時代にさかのぼりますが、戦後の乱獲で資源が枯渇した苦い経験を経て、漁業者自らが資源管理型漁業へ転換した結果、現在の日本一につながりました。甘みのあるシコシコとした食感が魅力で、刺身やバター焼き、ホッキカレー、炊き込みご飯など多彩な料理で楽しまれています。

『僕だけがいない街』『ドッグスレッド』の聖地

苫小牧市は工業都市や海の玄関口としてのイメージが強いですが、実はアニメ・マンガ・ゲーム作品との縁が深い"聖地"でもあります。代表的な作品として、苫小牧出身の三部けい氏による『僕だけがいない街』があり、アニメ版では苫小牧の街並みがリアルに描かれ、聖地巡礼スポットとして人気を集めています。また『ウマ娘 プリティーダービー』では、地元企業・北幸商事が馬主の名馬ホッコータルマエがキャラクター化され、「とまこまい観光大使」として苫小牧をPRしており、観光案内所や樽前山神社に等身大パネルが設置されています。さらにアイスホッケーを題材にした漫画『ドッグスレッド』も苫小牧が舞台で、nepiaアイスアリーナなど実在のスポットが登場します。市も2020年度からアニメツーリズム推進事業を展開しており、コスプレイベント「とまコス」の開催など、幅広い世代のファンが楽しめるまちづくりを進めています。

読書旅の出発前

読書旅1日目

読書旅スタート

仙台港フェリーターミナルに到着

事前に「中野栄駅から仙台港フェリーターミナル」までのタクシー料金を調べていました。NAVITIMEによると、1,100円ぐらいと予想されていました。

実際のところ、タクシーを利用したところ1,210円でした。運転手に聞いてもだいたい1,200-1,300円で済むとのことです。

この程度の金額で済むならタクシー利用の許容範囲内です。
バスだともっと安いですが1時間待ちとかになります。
徒歩は「元気がよい」「荷物が少ない」「天気がよい」「暗くない時間帯」「暑くない」という条件が重なればありかもしれません。

乗船待機中

ちょうど乗船可能1時間前でしたので、パソコン作業しました。

太平洋フェリー「きたかみ」に乗船

フェリーきたかみでディナーバイキング

まったりフェリー読書旅

読書旅2日目

フェリーきたかみで朝食バイキング

展望デックの様子

港が近づくにつれてスマホ電波が復活していく

苫小牧港フェリーターミナル到着

タクシーは何台か停まっておりすぐに乗れますが、2.2kぐらいかかります。一方、バスなら280円ですが、バスの待ち時間が40分ぐらいになります。

今回は急いでいなかったので、バスを選択しました。

宿に荷物預けてから、部屋に入れる時間まで散策

宿は苫小牧駅前にあります。

チェックイン手続きをしてから荷物を預けました。ルームキーは出ますが、本来のチェックイン時間の15時まで入室できません。2.5時間ぐらい余裕がありましたので、博物館を攻めることにします。

苫小牧市科学センターに立ち寄る

ロシア(旧ソ連)宇宙ステーション「ミール」を見学

苫小牧市立中央図書館を偵察

苫小牧市美術博物館で錠前撮影

宿の部屋で「おやつ+PC作業」タイム

苫小牧名物の「しばれ焼き」を体験

ワーケーションのオリエンテーション後に、しばれ焼き(ドラム缶を加工した焼き台で味わうジンギスカン)を初体験しました。

夜食ゲットして宿で一仕事

読書旅3日目

サービス朝ご飯

読書旅初のレンタカー

前回レンタカーを利用したのは、5年前の沖縄2泊3日の家族旅でした。

ウトナイ湖を訪問

苫小牧エントリーパスをインフォメーションセンターに見せて、とまチョップ水1本をいただきました。

ノーザンホースパークを訪問

交流ワークショップ→交流会

読書旅4日目

朝ごはんはホッキ飯あり

カーリング体験

昼ご飯は苫小牧ラーメン

アイスホッケー観戦&アイスホッケー体験

夜ご飯はホッキカレー

読書旅5日目

サービス朝ご飯はパンにする

ともやさんとの合流前のコーヒータイム

ともやんさんと合流して散策開始

お昼ご飯はゴーゴー丼とつぶ焼き

ほっき貝資料館でホッキ貝合わせ

苫小牧フェリーターミナルに早めに到着

夜ご飯は太平洋フェリー「きそ」のディナーバイキング

苫小牧港を出航したらすぐに電波入りにくなる

読書旅6日目

起床したら金華山近くに

朝ごはんはあんバタサン

下船直前まで読書

帰宅

今回の読書旅の支出

区分項目金額決済方法・備考
主要交通費仙台港⇒苫小牧港
きたかみ
1等クロスツイン・洋室
※「移動+宿泊」を兼ねている
12,100円事前にクレカ払い
※「冬の早得21」で予約
苫小牧港⇒仙台港
きそ
1等・洋室
※「移動+宿泊」を兼ねている
11,200円事前にクレカ払い
※「冬の早得21」で予約
宿泊費東横INN苫小牧駅前(2-4泊目)21,660円事前にクレカ払い
※「創業40周年記念クラブカード会員ご愛顧感謝クーポン」の第1弾と第2弾を両方適用。1枚500円OFFだから、2枚で1kOFF
CB苫小牧ワーケーション-25,000円
※実質プラス分
※苫小牧ワーケーション参加+ミッションクリアでキャッシュバック
1日目(2/25)タクシー
自宅⇒相馬駅
1,100円Suica
電車
相馬駅⇒仙台駅⇒中野栄駅
1,166円Suica
タクシー
中野栄駅⇒仙台港フェリー乗り場
1,210円現金
フェリーターミナル2階
売店
フェリー内の夜食のため
830円PayPay
フェリーターミナル2階
自販機
アイスコーヒー
130円現金
2日目(2/26)フェリーの朝食バイキング1,200円クレカ
タッチ決済
バス
苫小牧港フェリーターミナル→苫小牧駅前
280円PayPay
苫小牧市美術博物館300円現金
三星
おやつ2個
320円iD
コワーキングスペース
ジンジャーエール
400円現金
セコマ
夜食
273円iD
3日目(2/27)道の駅ウトナイ湖の売店
おやつ(じゃがザックうま塩)
540円iD
ノーザンホースパーク
入園料
600円現金
※苫小牧エントリーパス利用
ノーザンホースパーク
ひき馬体験+記念写真
2,400円iD
クレカ
ノーザンホースパーク
昼ご飯
1,700円クレカ
レンタカー返却時のガソリン満タン代
2.68リットル
410円現金
ワーケーション交流会
なか善 本店
3,000円現金
ローソン
スイーツ
408円クレカ
4日目(2/28)昼ご飯
五十番
塩チャーシューラーメン・こってり
1,070円現金
夜ご飯
ちょこっと
赤カレイの煮付け(670円)、ホッキバターライスの焼きカレー(1,000円)
1,670円現金
5日目(3/1)ココトマカフェ
ブレンドコーヒー二人分
684円iD
※苫小牧エントリーパス発動で10%OFF
昼ご飯
港町トマコマイ ゴーゴー食堂
ゴーゴー丼+つぶ焼き
3,000円現金
※苫小牧エントリーパス発動
バス
苫小牧駅前→苫小牧フェリーターミナル
0円バスカード
※本来は280円だが、もらったバスカードを利用した。
苫小牧フェリーターミナル
レストランカーム
白い恋人ソフトクリーム
460円PayPay
お土産
あんバタサン2箱
1,280円クレカ
夜ご飯
太平洋フェリー「きそ」
ディナーバイキング
2,300円クレカ
6日目(3/2)タクシー
仙台港フェリーターミナル→中野栄駅
1,510円クレカ
電車
中野栄駅⇒仙台駅⇒相馬駅
1,166円Suica
タクシー
相馬駅⇒自宅
1,100現金
50,467円※CB25,000円分を引いている。

読書旅でのフェリーという選択

今回の読書旅では、はじめてフェリーを使いました。 フェリー自体が人生初というわけではありませんが、読書旅の移動手段として選んだのは今回が初めてです。

時間効率だけを見れば、新幹線や飛行機のほうが圧倒的に有利です。それでもあえてフェリーを選びました。

読書旅において、私は「移動を削る」のではなく、「移動を使う」ことを重視してきました。前日乗りもその発想の産物です。移動時間を無駄にせず、読書時間に変換する。その延長線上に、フェリーという選択肢がありました。

結果から言えば、フェリーは単なる移動手段ではありませんでした。思考を閉じ込める密閉容器のような存在でした。

移動手段別の読書旅スタイル比較

これまでの読書旅で複数の移動手段を体験してきました。まず、それぞれの特徴を整理します。

徒歩

読書手段はオーディオブック一択です(人通りが少ない場面だけ二宮金次郎スタイルでの読書も可)。目と手が歩行に使われるため、耳だけが読書チャンネルになります。

ただし、歩くリズムが思考を促進する効果があります。聴いた内容について「歩きながら考える」のは徒歩読書旅の独自の体験といえます。

弱点は、メモが取りにくいことです。気づきがあってもその場で記録しにくいといえます。ただし、スマホやApple Watchでの音声メモで解決します。

運転中はオーディオブック中心です。長距離ドライブとの相性が非常によく、高速道路を数時間走るだけで1冊聴き切れます。

駐車中は紙・電子も可能ですが、SA/PAでの休憩時間に本を広げるかというと、現実的には短時間になりがちといえます。食事や休憩時間に短時間読書する程度になります。

車読書旅の本質は、移動そのものをオーディオブックの時間に変換することです。荷物を大量に積めるのも利点で、旅先の宿で読むための本を何冊でも持っていけます。

電車

電車の混み具合によって、物理本・電子書籍・オーディオブックを使い分けましょう。

路線によってはPC作業もできます。新幹線や特急なら90分〜2時間のまとまった時間が取れますし、天然の締め切りである「到着時刻」はポモドーロ的に機能します。「仙台着までにこの章を読み切る」という時間制約が、逆に集中力を引き出す。弱点は、スマホの電波が常に入ることです。SNSやメールの誘惑を自力で断つ必要があります。

フェリーが読書旅に最適な理由

速さを捨てると、思考が残る

飛行機は速い。新幹線も速い。速さは現代においてほぼ絶対的な価値です。しかし、読書や思索にとって、速さは必ずしも味方ではありません。

フェリーは遅い。そして途中で降りられません。仕事に戻ることもできない。予定を差し込むこともできない。いったん乗れば、海の上です。

この「戻れなさ」が効いてきます。

電車や飛行機では「到着までの残り時間」が常に意識の片隅にあります。あと何分、あと何駅。時間は減算的に流れていきます。ところがフェリーでは、乗船した瞬間から到着まで、ただ「ここにいる」という感覚に変わります。降りたくても降りられない。この物理的な拘束が、逆に精神的な解放をもたらします。

電車の数時間に対してフェリーは十数時間がざらです。例えば、今回の「仙台港⇔苫小牧港」は15時間の船旅になります。「読書セッション」ではなく「読書合宿」そのものです。1冊の通読に十分な時間があり、途中で大浴場に入ってリフレッシュしてまた読めます。このリズムは他の移動手段では再現不可能です。

読書の集中力は、意志ではなく環境で決まります。フェリーは強制的に環境を固定します。時間が確保され、選択肢が減り、本を開く以外の行動が自然と削られます。これは精神論ではなく、構造の話です。

電波が弱いという贅沢

フェリーでは電波が安定しません。港が近づくにつれて電波が強くなっていくのを体感しました。

「電波が強くなる=現実に戻る」ということを意味します。

その前の時間は、半ばオフラインです。通知も届きにくく、SNSも途切れがちになります。意識的にデジタルデトックスをしようとすると失敗しますが、環境が勝手に制限してくれると楽です。普段はSNSやメール、調べ物など、次から次へと注意を奪われる要因が、船上では物理的に減ります。電車のように「スマホを我慢する」必要がありません。読書以外にやることがない時間が自然発生するのです。現代においてこの環境を得ること自体が贅沢といえるかもしれません。

なお、太平洋フェリーでは以前衛星回線によるWi-Fiサービスを提供していましたが、設備の老朽化により2024年5月末に停止されています。今後Starlinkなどの導入で状況が変わる可能性はありますが、現時点では「圏外の時間が長い」という前提で乗るのが正解です。読書旅的には、むしろそれでよいのです。

読書に必要なのは、集中力よりも遮断です。フェリーはそれを自然に実現してくれます。

読書空間としてのフェリーの構造

フェリーには読書に使えるスペースが複数あります。客室はもちろん、共用のラウンジ、デッキ、展望エリアなど、気分に応じて場所を変えられます。同じ船内にいながら、環境を切り替えることで読書のモードを変えられる。この「場所の選択肢」は、電車や飛行機の座席一択とは根本的に異なる構造です。

食事、入浴、睡眠、読書がすべて同じ空間にあります。自宅の快適さと旅先の非日常のいいとこ取りです。自宅にある誘惑(家事、宅配、テレビ)は一切ありません。物理本、電子書籍、オーディオブック、PC作業、すべてが制約なく使えます。個室を予約したのであれば、テーブルは広く、電源もあり、揺れを除けば作業環境として申し分ないでしょう。

揺れを感じ、風呂に入り、海風に当たり、その合間にページをめくる。すると本の内容が、「あの海の上で読んだ章」として記憶に刻まれます。読書が体験になります。私は読書旅を「記憶に残る読書の仕組み」として捉えていますが、フェリーはその仕組みが特に強く働く環境でした。

目が疲れたらデッキに出て水平線を眺められます。360度の海と空です。これ以上の「目の休息」は存在しません。デッキに出ると、広告もネオンもない。情報量が極端に少ない。刺激が少ない環境では、思考は内側に向かいます。抽象的なテーマや長期的な構想が浮かびやすくなります。新幹線は都市と都市をつなぐ高速回線であり、移動中も都市の延長線上にいます。フェリーは物理的に都市から切り離されます。この変化幅が大きいのです。

一方で、デッキ読書には注意点もあります。風の影響でページがめくれるため、紙の本とデッキの相性はあまりよくありません。風のない船内ラウンジが結局一番落ち着くという結論に至りました。物理本派の宿命です。

インプットからアウトプットへの完全サイクルが回る

本を読み、考え、PCにアウトプットできます。電車のPC作業が「限られた時間で詰め込む」のに対し、フェリーでは読んだ直後に咀嚼して文章にする時間がたっぷりあります。読書旅の成果物を旅の途中で生み出しやすい環境といえます。

「精神と時の部屋」読書法の疑似実現

私はかつて、午前中から図書館にこもり、「10冊読破するか閉館するまで帰ってはダメ」というルールを自分に課していました。心の中で「精神と時の部屋」読書法と名付けていたものです。2ヶ月継続しましたが、万人にはおすすめしません。自分で課したルールを自分の意志力で守り続ける必要があり、相当なストイックさが求められるからです。

ところが、フェリーに乗ると、あの環境が勝手に再現されます。仙台港から苫小牧港まで約15時間。乗船した瞬間に「降りてはダメ」が物理法則として確定します。意志力ゼロで「精神と時の部屋」が発動するのです。

フェリーは「宿泊+移動」のセット商品である

フェリーを金銭面から見ると、実はかなり合理的な選択肢です。ポイントは「宿泊費と交通費が一体化している」という構造にあります。

たとえば仙台から苫小牧に向かう場合、新幹線と在来線を乗り継ぐと片道だけで2万円前後かかり、当然ながら宿泊費は別途必要です。飛行機もLCCでないかぎり同等以上の出費になります。

太平洋フェリーの仙台〜苫小牧航路(A期間・いしかり)の通常運賃は以下のとおりです[1]2025年時点の情報です。最新の運賃は太平洋フェリー公式サイトをご確認ください。。

等級通常運賃(大人1名)早得21適用後(目安)
2等和室9,500円5,700円(40%OFF)
B寝台11,900円7,140円(40%OFF)
S寝台13,700円8,220円(40%OFF)
1等洋室(個室)16,000円11,200円(30%OFF)
1等和室・和洋室(個室)18,800円13,160円(30%OFF)
特等洋室(個室)24,200円16,940円(30%OFF)

注目すべきは「早得21」です。乗船日の21日前までにインターネットで予約・購入すると、寝台クラスで最大40%OFF、1等・特等でも30%OFFになります。A期間(閑散期)限定かつ席数に限りがありますが、乗船2ヶ月前の朝9時から予約開始なので、早めに動けばかなりの確率で取れます。

私も今回の読書旅では早割21で個室を予約しています。

この金額で「一晩の宿泊」と「仙台〜苫小牧間の移動」が同時に完了する、と考えると見え方が変わります。仙台19:40発、苫小牧翌11:00着なので、夕方に港へ行けば翌朝には北海道にいます。この間、船内レストランで食事ができ、展望大浴場で風呂にも入れます。

読書旅の文脈で言い換えれば、「移動費を払ったらホテル代がタダになり、15時間の読書環境がおまけについてくる」のです。

ちなみにA期間中は個室利用時の貸切料金がかからないため、1等個室を1人で使っても追加料金は不要です。個室で一晩、誰にも邪魔されずに本を読めて、朝起きたら北海道。早得21を使えば1等個室でも約11,000円。ビジネスホテル1泊と大差ない金額で、移動と読書環境の両方が手に入ります。

フェリー乗り場までの移動が課題

車を乗せれば「車の読書旅」と合体できる

フェリーには車を乗せられます。太平洋フェリーの仙台〜苫小牧間で6m未満の乗用車を載せると29,900円(早得21で20%OFFの約23,920円)で、運転者1名分の2等またはC寝台の乗船運賃が含まれています。上等級を使いたい場合は、2等運賃との差額を追加するだけです。

これが何を意味するかというと、「車ごと北海道に渡れる」ということです。

読書旅は基本的に公共交通機関を使ってきましたが、車を持ち込めば、到着後の行動範囲が劇的に広がります。公共交通機関が少ない地方の温泉宿や、駅から遠い書店、車でしかアクセスできない絶景ポイントなど、これまで「行きたいけど足がない」と諦めていた場所が選択肢に入ります。

つまり、「フェリーで読書しながら移動→車で目的地を巡る」という、鉄道読書旅とはまったく異なるスタイルの読書旅が可能になります。車の中でも読書はできますが(もちろん運転中は無理なので、駐車中に限りますが)、フェリー区間で集中的に読み、車区間では錠前探しや書店巡りに専念する、という役割分担が自然にできます。

マイカープランなど、車付きの割引プランも用意されているので、車を使う読書旅を計画する際は公式サイトで最新の情報を確認するのがよいでしょう。

ただし、カーフェリーならではの注意点があります。乗船後は原則として車両甲板に戻れません。安全上の理由で、航行中は車両甲板が閉鎖されるからです。

つまり、「船内持ち込みバッグ」を乗船前に完璧に準備しておく必要があります。車のトランクに入れっぱなしの本は、15時間取りに行けません。リュック1つと手提げ1つ程度に、読みたい本とKindle端末、ノートとペン、充電器、耳栓を詰め込んで乗船する。この準備が、フェリー読書旅の成否を分けます。

フェリーの弱点

フェリーの弱点は「船酔いリスク」と「本の追加ができない」ことです。乗ったら降りるまで、手持ちの本だけで過ごすことになります。スマホの電波が入りにくければ、新規で電子書籍をダウンロードすることもしにくくなります。

だからこそ、乗船前の選書が旅の成否を分けます。主本を1〜2冊、気分転換用のサブ本を1冊。Kindle端末があれば容量を気にせず大量に持ち込めるので、船旅との相性は抜群です。

移動手段別・読書旅適性の比較

読書旅の観点から、各移動手段の適性を整理します。

移動手段紙・電子オーディオブックPC作業移動時間環境の固定力読書空間宿泊との一体性コスト感思索適性デジタルデトックス没入の深さ
徒歩××短〜中なし×浅い
△(駐車中)×長いが運転中なし×浅い
電車(在来線)△(路線による)区間次第低い(途中下車可)座席のみなし×
新幹線中程度低い(都市の延長)座席のみなし高い×
飛行機短い中程度座席のみなし高い(パック利用で下がる)×
高速バス×長い中程度座席のみなし安い×
フェリー圧倒的に長い高い(圏外・下船不可)客室・ラウンジ・デッキあり(宿泊+移動)中(早得で安い)◎(自然発生)深い
ホテル滞在なし低い(外出自由)部屋のみ宿泊のみ中〜高×

ポイントは「環境の固定力」と「宿泊との一体性」です。フェリーの強みは移動時間の長さではなく、乗った瞬間に選択肢が削られるという構造にあります。加えて、宿泊費が交通費に含まれるため、トータルのコストパフォーマンスが高い。ホテル滞在は自由度が高い反面、外出もネットも自在なので、環境を固定する力はフェリーに劣ります。

フェリー読書旅は、時間を寝かせる行為

読書旅ではよく「時間を買う」という表現をしてきましたが、フェリーはそれとは少し違います。フェリーでは、時間を寝かせます。

何もしない時間が自然に生まれます。すると、頭の中で断片が勝手につながり始めます。発酵のような時間です。温泉読書や前日乗りも有効ですが、フェリーはその中でも閉鎖性が段違いに強いのです。

移動が目的地の前座ではなく、それ自体がコンテンツになります。

第11弾の大阪読書旅で飛行機デビューを果たしたとき、行動範囲が一気に広がる感覚がありました。

飛行機が「距離の壁」を壊す手段だとすれば、フェリーは「時間の壁」を壊す手段です。長時間の移動がそのまま読書時間になるのですから、むしろ移動時間が長いほど読書旅として充実するという逆転現象が起きます。

今後の読書旅では、フェリーの航路を積極的に組み込んでいきたいと考えています。太平洋フェリーだけでなく、新日本海フェリーやさんふらわあなど、国内には魅力的な長距離航路がいくつもあります。仙台〜名古屋間の約21時間40分の航路なら、分厚い1冊を丸ごと読了することも現実的です。車を載せて北海道や九州を巡る長期読書旅も、もはや空想ではなくなってきました。

効率だけを考えれば選ばない交通手段です。しかし、読書旅という文脈ではきわめて合理的です。速さではなく、閉じ込めを選んでいることになります。しかもコストまで抑えられます。フェリーは移動手段ではなく、思考を熟成させるための密室空間のようなものといえます。

ふるさと納税者なら苫小牧は見逃せない

フェリーの行き先が苫小牧であるなら、ふるさと納税も絡めておくと旅の満足度がさらに上がります。

苫小牧市は「紙のまち」として知られていますが、ふるさと納税の返礼品で特におすすめなのが「王子サーモン」のスモークサーモンです。王子サーモンは1967年に王子製紙の関連会社として創業した老舗で、その誕生の経緯がなかなか面白い。当時の王子製紙副社長がロンドンのレストランでスモークサーモンを食べたところ、使われていた鮭が北海道・日高沖産だったことに感激し、帰国後にスモークサーモンの開発を指示したそうです。燻製に使う木材チップの選定に、製紙会社ならではの木材知識が活きたというのも面白い話です。

苫小牧はホッキ貝の漁獲量でも長年日本一を誇っており、ホッキ貝関連の返礼品も揃っています。紙のまちらしく、ネピアのトイレットペーパーやキッチンタオルなどの日用品も人気があります。