1回転のクロス取引で大口優遇の条件を達成する【楽天証券編】
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
コーストFIRE中のIPUSIRONです😀
いきさつ
6月1日に大口優遇の条件を達成したので、大口優遇の適用期間は6月2日~9月30日でした。
「10月初日に大口優遇の適用から外れる」というお知らせがメールで来たので、再度大口遊具の条件達成のための取引をします。
9月は大量の株主優待クロスをしており、証券口座に多めの資金が残った状態でした。そこで今回は資金力があることを活かして、1回転で大口優遇の条件達成に挑戦することにします。
経験値を上げつつ、ブログのネタにもなり、一石二鳥です😀
楽天証券の大口優遇について
楽天証券の超割コースには大口優遇という特別枠があり、かなりお得な恩恵を受けられます。
詳細は過去に解説したので、参照ください。
大口優遇のための達成すべき条件
大口優遇になるためには、次に示す5つの条件のいずれかを達成しなければなりません。達成すると、3ヶ月間大口優遇を受けられます。
今回のゴールは「1日の信用取引金額3,000万円以上」という条件達成
一番狙いやすいのは、1番目にある「本日の新規建玉約定金額の合計が3,000万円以上」という条件です。
楽天証券の公式ページでも、いちにち信用を活用して1番目の条件を狙おうとすすめています。
1回転のクロス取引で条件達成を実現する
今回は資金に余裕があるため、1回転のクロス取引で条件を達成することを目標とします。
この方法を採用するにはいくら必要か?
1回転のクロス取引で3,000万円を超えるためには、買建と売建それぞれ1,500万円の注文を入れることになります。信用取引では元手資金の3倍まで取引できますが、余裕を持たせるべきであり、(対象銘柄にもよりますが)ざっくりと信用口座の信用保証金には1,200万円以上は欲しいところです。
詳細は後述しますが、通常の口座の預り金には100万円以上を残しておくべきです(対象銘柄によっては200万円以上)。
よって、トータルで1,300万円以上の余裕資金が必要になります。
この資金がきつい場合は、2回転のクロス取引での条件達成に挑戦してください。資金力についてのハードルは下がります。
ところで、余裕資金(現金)が心もとなくても、投資信託や株などの代用有価証券がある程度あれば、なんとかなります。
信用取引の区分は「いちいち信用」一択
選ぶべき信用取引の区分について考察します。
いちにち信用であれば、取引手数料がゼロ円、50万円以上であれば金利や貸株料もゼロ円です。大口優遇のための取引では当然50万円以上の注文になるため、完全にコストゼロになります[1]その代わり、当日中にいちにち信用を解消しておかないと多額の手数料が取られるので注意が必要です。。
一方、一般信用だと取引手数料、買方金利、貸株料のいずれもコストがかかります(ただし、大口優遇適用であれば取引手数料はゼロ円)。
よって、「いちにち信用」を採用します。
やるべきことのざっくりとした流れ
1:9月30日(末日)までに買建・売建のクロス注文します。その際、それぞれの注文は1,500万円を超えるようにします(両方合わせて3,000万円を超える)。
2:前場が開始したら、クロス注文が通ったはずです。この時点で条件が達成されます。
3:後片付けとして、クロス注文を解消します。
基礎用語の解説【補足】
クロス注文を解消する方法は色々あります。「現引⇒現渡」あるいは「買い返済+売り返済」のどちらでも構いません。
現引 | (信用取引の)買い建玉を保有している場合に、買付代金を支払って現物株式を引き取ること。 |
現渡 | 売い建玉を保有している場合に、(建玉と同一口座区分で保有する)同一銘柄・同一株数の現物株式を使って返済する(売却代金を受取る)こと。 |
買い返済(返済買) | 売り建玉を市場価格で購入すること。 「(売建値-決済時の買単価)×建株数」から諸経費を引いた金額を受渡して清算(差金決済)されます。 |
売り返済(返済売) | 買い建玉を市場価格で売却すること。 「(決済時の売単価-買建値)×建株数」から諸経費を引いた金額を受渡して清算(差金決済)されます。 |
しかしながら、前者の場合は1,500万円以上を超える預り金が必要です。つまり、信用口座の預金も考慮すると、最初から何千万円もあるということになります。そうであれば、最初からクロス取引せずに、片側の買建(あるいは売建)を注文して現引(あるいは現渡)すればよいだけです。
通常は返済でクロス取引を解消する
通常は返済を選ぶことになります。つまり、買建に対しては売り返済、売建に対しては買い返済になります。
買建に対する売り返済、売建に対する買い返済を同時間(前引け)のタイミングに行います。そのため、最終的に精算する金額はプラスマイナスゼロ円になります。
ただし、預り金に差額決済分の余裕は必要です。特に対象銘柄が大型株であればクロス注文する単元数が少ないわけであり、当日に暴騰・暴落が起きてしまうと差額決済分が大きくなるので注意が必要です。
運悪く預り金が足りなさそうであれば、急遽リアルタイム入金をしてしのぐという手があります。
それさえもできないのであれば、あえて返済は同タイミングで行わず、利益が出る返済から先にするという手もあります。その場合は、若干の損が発生する可能性があるので、注意が必要です。
1回転のクロス取引で条件達成を実現する具体的方法【実践編】
ステップ① 取引銘柄を選定する
1:メニューの「国内株式」>「信用取引情報>「一般信用売建銘柄」を選びます。
2:いちにち信用の在庫状況を確認するので、次のように指定して検索します
- 弁済期限:いちにち
- 特別空売り料:なし
- 並び順:売建可能数量かつ降順[2]大きい順にソートされます。
3:この中から「50単元(5,000株)未満で、1,600万円を超える」銘柄を探します。つまり、1株当たり3,200円以上のものになります。ぎりぎりだと失敗する可能性がありますし、大きすぎても調整しにくいといえます。今回は資産に余裕があるので、4,500円前後の銘柄を探しています。
トヨタや任天堂は大口優遇のクロス取引によく用いられる銘柄でしたが、株式分割により以前と状況が変わっています。
9月30日の終値が5,421円である、アサヒグループホールディン(2502)に決めました。
出来高もある程度あり、直近高値騰落率も比較的小さいことがわかります。
寄付で株価が下がったとして、低く見積もっても5,300円ぐらいでしょう。そうであれば、31単元(=3,100株)を買えば、1,643万円となり、1,600万円を超えていて問題なさそうです。
ステップ② 信用新規余力に余裕があることを確認する
マイメニューから「入出金・振替」>「振替」>「振替実行・代用状況」を選び、「振替実行・代用状況」ページを開きます。
条件達成の決行日(この例では10月1日)における信用新規余力を見て、クロス取引での取引金額と比べて余裕がなければなりません。最低でも信用新規余力は3,400万円は必要です(ステップ①で決めた銘柄によるが、今回のアサヒグループホールディンであれば下振れしても1,643万円、上振れすれば1,700万円ぐらいになるため)。
さらに、それより数百万余裕があれば問題ないでしょう。
そうでなければ、預り金から信用保証金に資金を移動させて調整してください。あるいは代用有価証券を割り当てて、余力に余裕を持たせておきます。
ステップ③ アサヒグループホールディンを1回転クロス取引して条件を達成する
ここからは実際に予約注文を入れていきます。
3a:売建注文を予約します。
- 売買:売建
- 市場:東証
- 「SOR有効」については執行条件を寄付にするとは消えるので気にしなくてよい。
- 信用区分(期限):一般(1日)
- 数量:あらかじめ計算しておいた数量(この例では3,100)
- 価格:成行
- 概算約定代金が1,500万円を超えることを確認。
- 執行条件:寄付
- 口座:特定
- セット注文:予約しない
なお、どの手数料コースでも注文時点では手数料を含んだ代金を拘束されます。いちにち信用の場合は一時的に手数料がかかったように見えますが、後で返って来るので気にしなくて問題ありません[3]https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/margin/short_selling/。
3b:買建注文を予約します。
- 売買:買建
- 市場:東証
- 信用区分(期限):一般(1日)
- 数量:売建注文と同数(この例では3,100)
- 価格:成行
- 執行条件:寄付
- 口座:特定
- セット注文:予約しない
3c:予約したクロス取引の注文を再度確認します。
メニューの「国内株式>「注文」>「信用取引」を選び、「国内株式取引」ページの「注文照会・訂正・取消」タブを選びます。
買建と売建の注文予約が並んでいるので、「買と売の対になっていること」「注文数が同数であること」「どちらも寄付かつ成行であること」「1日信用になっていること」を確認します。大きなお金を動かすため、念には念を入れてチェックしてください。
ステップ④ 市場が開いたら、クロス注文が通ったことを確認する
予約したクロス注文が約定したことを確認します。数量がすべて通ったこと、約定代金を2つ合わせて3,000万円を超えていれば成功です。
ステップ⑤ 大口優遇の条件を達成していることを確認する
マイメニューから「お客様情報の設定・変更」>「お客様情報一覧」>「申し込みが必要なお取引・各商品に関する設定」を開きます。
「国内株式」に「手数料コース」とあるので、[確認・変更]ボタンを押すと、条件の達成状況を確認できます。
大口優遇の継続条件を確認すると、2つの円グラフに「達成!!」と表示されました。
これで翌営業日から3ヶ月後(この例では2021年10月4日から1月末まで)、大口優遇が継続されます。
ステップ⑥ クロス取引を解消する
6a:買い返済(売建に対する返済)の注文を予約します。
以上で大口優遇の条件を達成できましたが、まだ安心してはいけません。いちにち信用の建玉を解消しておかないと、ペナルティの手数料がかかってしまいます。
マイメニューから「資産残高・保有商品」>「信用建玉一覧」を選びます。
次の内容で返済します。
- 売買:買埋
- 買い返済ではこう表示されている。
- 返済数量:全返済
- 価格:成行
- 執行条件:引け
- これで前引けで約定される。
6b:次に、売り返済(買建に対する返済)の注文を予約します。次の内容で返済します。
- 売買:売埋
- 売り返済ではこう表示されている。
- 返済数量:全返済
- 価格:成行
- 執行条件:引け
ステップ⑦ 返済の2注文の内容を確認する
返済の2注文の内容を確認します。
特に「執行条件が引けであること」「信用区分が一般(1日)であること」「注文数量が買建・売建の際の数量と一致すること」「2注文の注文数量が同数であること」に注目します。
問題なければ、前場が終わるタイミングでクロス注文が解消される予定です。後は待つだけです。
ステップ⑧ 11:30以降(前場の終了後)、返済の注文が両方とも通っていることを確認する
前場が終わったら、先ほどのクロス取引の解消がうまくいっているかを確認します。
条件達成の状況を再度確認すると、1つ目の条件の「達成!!」マークのみになりました。1つでも達成していれば、問題ありません。
お疲れさまでした。以上で終わりになります。
おわりに
大口優遇の適用条件は3ヶ月間有効です。1年にこうした条件達成の手続きを4回やることになります。
今は投資信託(インデックスファンドメイン)であり、将来的には投資信託の残高が3,000万円を超えて、何もせずに条件達成するような状況になればよいですね。
References
↑1 | その代わり、当日中にいちにち信用を解消しておかないと多額の手数料が取られるので注意が必要です。 |
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↑2 | 大きい順にソートされます。 |
↑3 | https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/margin/short_selling/ |