株主優待クロスにおすすめの証券会社とコース【楽天証券、SMBC日興証券編】
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
コーストFIRE中のIPUSIRONです😀
今回の記事は次の方に向いています。
・株主優待クロスに挑戦したい方
・慣れてきてもう少し在庫の確保を楽したい方
・楽天証券、SMBC日興証券に口座を持っている方
独断と偏見によるセミリタイアへの必須度
項目 | 概要 |
---|---|
シーン | 増やす力。 |
金銭的リターン | 株主優待クロスでは、ほぼノーリスクで株主優待をゲットできる。 しかし、ノーコストで株主優待をゲットできるわけではない。コストがかかるが、それを上回るように株主優待を狙うのである。株主優待の価値とコストの差分が得したことになる。 本記事ではコストをかからない証券会社について調べてみます。 |
金銭的コスト | 特になし。 |
時間的リターン | 特になし。 |
時間的コスト | 株主優待クロスの手続き自体は慣れれば5分程度で終わる。しかし、お得な株主優待は人気が高く、取得しにくい。ライバルたちを出し抜くためにはそれなりに時間がかかる。 本記事では2つの証券会社を使う方法を紹介するが、これにより人気の株主優待を取得する手間を軽減できる(チャンスが増える)。 2つの証券会社を使うので、資金管理の手間、 |
総合ランク(S>A>B>C>D) | セミリタイアへの必須度はAランク。 ミジンコ的には「株主優待クロスをやっているのであれば、楽天証券+大口優遇、SMBC日興証券+ダイレクトコースを検討すべき」と考えている。 |
本記事を読むにあたっての前提知識
株主優待とは
株主優待とは、企業が株主に対して行うプレゼントのことです。そのプレゼントの種類は、自社製品、商品券、QUOカード、ギフトカタログなど様々です。
株主優待クロスとは
株主優待クロスとは、買い注文と売り注文を同時に入れることで、ちょっとしたコストを払って株主優待の権利をゲットする方法です。株主優待の価値がクロスコストを上回れば利益が出たことになります。
売り注文をするためには、信用口座が必要になります。
証券会社ごとの株主優待クロスコスト
具体的な株主優待を例に挙げた方がわかりやすいので、ここではANAホールディングス(9202)を題材にします。
ANAの株主優待
ANAホールディングス(9202)の株主優待は次のような内容です。
- 権利日:3月末と9月末
- 100株で株主優待券が1枚
- 200株で株主優待券が4枚
- 300株で株主優待券が3枚
- 400株で株主優待券が4枚
- 超過分は400株ごとに1枚追加
- 1,000株で株主優待券が7枚
- 超過分は400株ごとに1枚追加
- 10,000株で株主優待券が254枚
- 超過分は800株ごとに1枚追加
ANAの優待チャンスが年に2回しかないわけで、その2回を活かすのであれば、資金に余裕があれば400株を狙うのが最も効率的でしょう。
余談になりますが、800株の株主優待クロスができる資金があれば、1つの証券口座でやるより、家族の証券口座を使ってそれぞれで400株の方が得ということです。1つの証券口座であれば株主優待券は5枚になりますが、2つの証券口座(別名義)であれば株主優待券は8枚(=4枚+4枚)になります。
ANAの株主優待券の相場を調べる
株主優待券を自分で使うのであれば別ですが、売ることが目的であれば売買時の相場を知っておく必要があります。株主優待クロスのコストより売買金額が低ければ、損をしてしまうためです。また値段だけでなく、本当に売れているかを調べてください。株主優待券の多くは有効期限があり、ずっと売れないとどんどんと市場価値が減少していきます。
自分が使っているフリマアプリやフリマサイトで検索してみます。ここではメルカリで調べてみました。
ANAは大手ですし、調べる前からそれなりに売買価値が高く、売りさばくのも難しくないと予想していました。実際に調べてみると、SOLDが多く値段が適正であり、タイミングがよければすぐに売れることがわかります。
相場としては、株主優待券4枚セットで5.4kぐらいです(2021年5月時点)。6kでSOLDになっているものがありますが、2021年はコロナウイルスの影響で例年より相場は少し下落している印象を受けます。
ここでは、5.5kで売れたとします。メルカリの売買手数料が1割なので550円。発送にらくらくメルカリ便(ネコポス)を使ったとして175円です。
よって、売買益は4,695円(=5,500円-550円-175円)になります。
ANAの株主優待クロスコストを調べる
今回の例では400株を狙うことにします。
本日は2021年8月31日、ANAの権利付き最終日は9月28日です。ほぼ1ヶ月あります。いちいち手計算するのは大変なので、96ut.comさんのサイトを活用します。素晴らしいサイトなのでブックマークしておくことをおすすめします。
ANAのページを表示して「クロスコスト」というリンクを押します。株価や日付は自動で入力されています(必要があれば調整する)。今回は400株を狙うので、「株数」を「100」から「400」に修正して、[コスト計算(日数)]ボタンを押します。
すると次の表示になります。「証券会社別 コストサマリー」の下の表に注目します。
これがクロスコストの金額にあります。値段が低ければコストが小さいということになります。
SBIネオトレード証券+制度
「SBIネオトレード証券(制度逆日歩0)」が他と比べて激安ですが、これは制度信用取引だからです。制度信用取引はうまくいけば激安、失敗すればコストがバカ高くなってしまいます(逆日歩というコストが変動するため)。制度信用取引は上級者向けなのでここでは無視します。
楽天証券+大口優遇+長期
唯一3桁のものは「楽天証券(VIP・一日・長期)」の911円です。
「VIP」は大口優遇を適用、「一日」は買建注文で「いちにち信用」を利用、「長期」は売建注文の信用区分で「一般(無期限)」を選んだ場合を意味します。
以下の画像は楽天証券の4パターンのクロスコストの内訳です。
買建注文を「いちにち信用⇒現引」するのが一番コストがかかりません。今回の例ではANAを400株必要とするので、クロス取引の片道だけでも100万円を超えます。取引手数料は0円、(買方)金利は0%になり、買建注文のコストはまったくかかりません。現引もコストゼロです。
先の図において、左上、右上、右下の3つの買い合計が信用有利(いちにち信用が適用)でコストが0円になっていることからもわかります。
大口優遇が有利な点は色々ありますが、株主優待クロスでは信用取引の手数料です。次の図の右側を見てください。
信用取引の手数料ですが、大口優遇だと取引金額にかかわらず常にゼロ円です。一方、大口優遇でなければ、取引金額が高くなるにつれて手数料がかかります。
大口優遇の取得するには次の記事を参考にしてください。資金に余裕があれば、かなりの恩恵を受けられるので是非取得して欲しいです。
資金的に厳しければ、大口優遇を諦めてることになります。この例では、取引金額が50万円を超えるので、大口優遇でなければ385円かかります。
次にどのタイミングでクロス注文を入れるのかということに注目します。売建を長く持つほど(貸株料の)コストがかかります。しかしながら、権利付き最終日直前であればよいと単純にはいえません。近ければ取得できる在庫は少なくなっていて、取得できなくなるという機会損失が生じる恐れがあります。さらに、2週間以内になると、一般信用(無期限)ではなく一般信用(短期)を選ぶことになってしまうからです。これはかなり大きな影響があります。
売建の貸株料は一般信用(無期限)だと年率1.1%、一般信用(短期)だと年率3.9%です。3倍以上の差になります。つまり、圧倒的に無期限で売建を確保したほうが得ということです。
よって、2週間以上先であれば、積極的に一般信用(無期限)で取得したほうがよいといえます。もし2週間以内になったら在庫の状況と照らし合わせて、在庫がなくなる直前あるいは権利付き最終日直前まで粘ったよいといえます。
SMBC日興証券
次にコストが安いのは「SMBC日興証券」の1,230円です。次の図の左上を見てください。
ダイレクトコースを申し込みをすると「日興イージートレード信用取引」というサービスが利用できます。株主優待クロス取引には、このダイレクトコースの「日興イージートレード」一択になります。ダイレクトコースであれば、上限なしで信用取引の手数料が無料になるからです。
現引、現渡手数料は無料です。
日興イージートレード信用取引では、事務管理手数料も無料になります。
SMBC日興証券における具体的な株式優待クロスのやり方については後日記事にする予定です。記事ができたらここからリンクします。それまではお待ちください(他のサイトを参考にしてください)。
期待できる利益
クロスコストが911円、売買益が4,695円だったとします。
よって、期待できる利益は3,784円(=4,695円-911円)です。
なお、株主優待クロスで必要な資金はざっくりと200万円ぐらいです。株主優待クロスの片道で100万円であり、買建と売建でざっくり2倍としました[1]本来であれば信用取引なので3倍レバレッジの枠がありますが、結局現引するときの余力を考えると200万円以上あると安心です。。
ダブル証券会社という選択肢【結論】
比較した結果、 楽天証券+超割コース(大口優遇)がベスト であり、次にSMBC日興証券が有利ということわかりました。
結論としては次のようになります。
- 楽天証券+大口優遇がベスト… 一般信用(無期限)で積極的に取りに行く。
- SMBC日興証券+ダイレクトコース…補助的に使う。あるいは、楽天証券で大口優遇を取れないなら、こちらをメインにする。
以上を踏まえた上で、楽天証券とSMBC日興証券の両方を株主優待クロスに活用することをおすすめします。
メリット
- 楽天証券にない在庫がSMBC日興証券にあることもある。
- 在庫の補充タイミングが楽天証券では19時、SMBC日興証券では17時。つまり、在庫の争奪戦の時間がずれており、両方に挑戦できる。挑戦数が増えるということは、確保できる成功率が上がる。
- IPO投資と相性がよい。
- IPOの当選確率を上げるためにSMBC日興証券に口座を作っている人もいると思う。
- SMBC日興証券はBBから抽選までの間資金拘束されるので、IPO投資目的であればSMBC日興証券に常に余裕資金を確保していかなければならない。だがIPO投資で狙うべき銘柄がなければ、「お金を働かせる」という観点から損をしている。資金の一部を株式優待クロスに使えれば少しでも損を回避できる。
デメリット
- 資金管理の手間がかかる。
- 信用取引の保証金(および預り金)の余裕を考慮しなければならない。2つの証券会社に資金が分断されている都合上、資金に余裕がないとシビアに見ていく必要がある。
- SMBC日興証券では入手金が手数料無料だが、即時入金できる銀行が限られている。
- 楽天銀行だと、SMBC日興証券に即時入金できない。
経験のために挑戦してみよう【おまけ】
「1度も株主優待クロスをやったことがなく不安がある」「楽天証券の大口優遇が取れない」「SMBC日興証券の口座を持っていない」という方もいることでしょう。株主優待クロスのやり方は複雑そうに見えますが、一度やってみると基本は簡単です。メインで使っている証券会社で一度試してみることをおすすめします。初回は株主優待クロスで大きな利益を出すのではなく、やり方に慣れるという意味で損をしないレベルで挑戦してみるのです[2]私自身初めてのときは、本当にこれで合っているのか不安に思いつつ、操作するたびにページの解説と照らし合わせながら実行していました。。
上記の例では残り29日というそれなりの必須があり金利が大きかったので、株主優待クロスコストがちょっと高めでした。権利付き最終日が近づくに付ければコストはどんどん安くなっていくので、直前に株主優待クロスしてみてください。在庫が残っていて取得できれば、コストは数百円レベルで済むはずです。
楽天証券やSMBC日興証券に口座を作ろうとする方へ【おまけ】
証券口座を作る場合は、ハピタス経由だと数千ポイントをゲットできる可能性が高いです。
ハピタスのアカウントを作るのが面倒であれば、家族や友人で楽天証券を使っている人を探して、招待を受けてください。数百ポイントをゲットできるはずです。
もしいないようであれば、私の招待URLをお使いください。
おわりに
株主優待クロスが人気になればなるほど、争奪戦は激しくなります。そのような中でコストを削減し、在庫確保を効率化するためには、色々と策を練る必要があります。手持ちの策を増やして対抗しましょう。