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参考:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。 | 消費者庁

技術書典13にサークル参加しました【イベント前後にやるべきこと】

2023年2月4日

本記事の内容はサークル「ミライ・ハッキング・ラボ」の話になります。
そのため、他のサークルさんと状況が異なりますが、一部は参考になると思い、公開することにしました。
イベントは年に数回しかなく、やるべきことを忘れてしまうことがあるため、忘備録として残すことにしました。

技術書典

技術書典とは技術同人誌の頒布イベントです。

技術書典とは技術書のイベントで、広く技術のことについて知れるお祭りです。 技術書典は、いろんな技術の普及を手伝いたいとの想いではじまりました。 技術書を中心として出展者はノウハウを詰め込み、来場者はこの場にしかないおもしろい技術書をさがし求める、技術に関わる人のための場として技術書典を開催しています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000078130.html

技術書典13

2022年9月10日から25日まで、技術書典13が開催されました。

今回はオフラインイベントとオンラインイベントが用意されています。

オフライン2022年9月11日(日)池袋サンシャインシティ 展示ホールD
(文化会館ビル2F)
オンライン2022年9月10日(土)~9月25日(日)技術書典オンラインマーケット

サークル「ミライ・ハッキング・ラボ」とは

私が所属している同人誌サークルです。

現在のメンバー(ラボメンと呼んでいる)は、私の他に、齊藤(@miraihack)さん、こが(@kogaryuju)さんがいます。

当サークルは技術書典6から継続して参加しています。

本記事はオフラインイベント前後の話に終始しますが、その他のサークル活動については「同人誌」カテゴリーにまとまっています。参考にしてみてください。

印刷所に入稿する

申し込み

本の印刷を注文する際には、綴じやサイズ、冊数という単純な条件ではなく、紙の種類、表紙の紙・加工なども指定しなければなりません。

サークル「ミライ・ハッキング・ラボ」の注文内容については次の記事で紹介していますので、参考にしてください。

表紙データの入稿

入稿前にコンビニのマルチコピー機で印刷して確認します。

本文データの入稿

本文が白黒であれば、グレースケール化しなければなりません。

サークル参加するための準備

オフラインイベントに向けて物理アイテムを準備します。

持ち物リストについてはサークルによって個性が出ますが、当サークルでは以下の記事のものを揃えました。

揃えた準備品は事前にイベント会場に宅急便で発送しました。今回は段ボール1個で済みました。

※技術書典運営から提示されたルールにしたがって送り状を書く必要があります。

サークル配置図を宣伝する

おしながきを作る

Twitterの画像ピッタリになるように、新刊のおしながき画像を作成します。

その後、固定ツイートで宣伝します。

サークルページに本を登録する

サークルページに本を登録して、運営による審査を受ける必要があります。

審査に通過したものが販売可能となります。

審査に要する期間を考慮し、余裕を持たせて本を仕上げなければなりません。

なお、冊子版と電子版の両方を販売する場合、審査してもらう電子版は、印刷所の入稿に使ったデータではなく、電子版として配布するデータ(表紙付き、本文がカラー)のもので問題ありません

BOOTHに新刊ページを作成する【現時点では非公開】

新刊の商品ページを生成してURLを確定しておきます。これでDLカードに載せるべきURLが準備できます。

※昔は「一般向けのページ」と「DLカード所有者向けのページ」を分けていましたが、今回から止めました。アイテムのバリエーションを追加することで、1つの商品ページに複数の売り方を設定できます。

左の画像は編集画面です。

次の3つのバリエーションを追加します。

  • ダウンロード商品…電子版。
  • 物販商品(自宅から発送)…冊子版。これが自宅から手作業で匿名配送することに対応する。
  • ダウンロード商品…DLカード所有者向け。ゼロ円で暗号化済みZIPファイルをダウンロードできるようにする。

※BOOTHの倉庫から発送するパターンがあれば、それもここに追加されます(今回は使わない)。

ページの内容については、イベント前までに完成させればよいでしょう。

オフラインイベントに来られない人は多数いますので、BOOTHで物理本が買えることを事前にツイートしておきましょう。

技術書典13当日のムーブ

オフラインイベントは体力勝負です。前日はゆっくりと休み、イベント前には朝ごはんを食べておくべきです。

BOOTHのページを公開

朝起きたら、新刊のページを非公開から公開に切り替えておきます。

なぜ先にしておくのかというと、後回しで忘れてしまうと機会損失が大きくなってしまうからです。少々フライングしても、オフラインイベントの売上には影響しませんので問題ありません。というのも、オフラインイベントに行くと決めている人はすでにチケットを発行しているためです。

※技術書典13では来場者チケットが無料でした。ただし、ネットで発行しなければなりません(現場での当日券はなし)。

ラボメンと合流

ラボメンと合流して、会場に向かいます。

合流で手間取るのは本末転倒なので、事前に場所をマップ付きで情報展開しておきます。

各自、飲み物や昼ご飯については自分で用意するように事前に伝えておきます。
※売り子さんに対しても同様です。報酬に交通費・食事代を加えて渡す代わりに、自分の分は自分で用意するように伝えます。
会場を出て昼ご飯を食べるという選択肢もありますが、サンシャインシティということもあり時間帯によっては混んでいます。
もし忘れているメンバーがいればこのタイミングで買うようにします。

会場に移動・入場待機

参加するサークル数にもよりますが、技術書典13では30分前に行ったにもかかわらずほぼ先頭列でした。

トイレ時間を考慮して、30分がちょうどよいと思います。あまり早く到着すると、始まる前に体力を消費してしまいかねません。

サークルチケットを見せて、首から下げる入場証をもらって会場に入ります。

サークルブースの設営

サークルブースの机には、運営が用意した説明書きが置いてあるので目を通します。

サークルべんりカードも置いてあります。これはかんたん後払い用のQRコードが印字されており、重要なものになります。組み立てると立てられます。

印刷所からの直接搬入分はサークルブースに届いています。

ねこのしっぽの場合は、最初に開封すべき段ボールがわかるようになっています。それを開封すると納品数が記載された紙が入っています。納品数がよほど少なければ別ですが、通常は本の数をカウントする暇はないので、信頼するしかありません。

当サークルでは、搬入数、予備数、抜いた数(自分用・見本誌用・配布用)をきちんとメモして、忘れずに売上計算表に記入しておきます。

自宅から発送した荷物については、サークルブースへ自分の手で運びました。

設営は結構時間がかかります。

複数人のサークルメンバーがいれば、指示する人を決めておくか、役割分担を決めておくことをおすすめします。荷物を発送した人が一番持ち物を把握しているはずなので、指示役になるとよいかもしれません。

ポスタースタンドの組み立て、スマート本棚の組み立てについては、経験者が担当すべきです。

新刊は現地到着で、初見になります。現場で見本誌としてクリアカバーを取り付けることになります。慣れていないと手間取りますので、初めてのメンバーがいれば取り付け方を指南しましょう。

設営が完了した様子は次の通りです。

今回は左側に販売用の陳列、右側に立ち読み向けの見本誌を並べました。

設営完了から開始(ファンの方々の入場開始)直前までの数分間の余裕がありましたので、同じ島のサークルさんたちに挨拶しました。

※当サークルは「き01」だったので、カンバイオンレイパラダイスになります。

オフラインイベントがスタート

オフラインイベントの時間帯は11時から17時までになります。

新型コロナ・ウイルスの感染拡大防止のために、来場者を少しずつ入場するようになっています。

サークルに直行してくれる人には新刊を案内します。このパターンの場合は、当サークルを目的としており、すでに既刊は持っていると推測できるからです。

近くを寄ったファンに対して、如何にサークルや本に興味を持ってもらえるのかが重要です。そのためには見本誌を手に取ってもらわないと話が進みません。

多くの方は本の表値をチラ見して興味が少しでもあっても素通りしてしまいがちです。こういったファンを取りこぼさないためにも、一言声をかけるとよいでしょう。

実際に手に取り、1分ぐらい読むようなファンがいれば、本の解説を著者自らがしてしまいましょう。著者がその本について一番詳しいはずです。どんどんアピールするなり、情熱を伝えましょう。

これが商業誌を書店で売る場合と違って、同人誌即売会で同人誌を売ることの楽しさだと思っています。

ついでに、既刊の紹介もします。これが最後の一押しになり、うまくいけば既刊を含む複数冊を購入してくれます。

見本誌のコーナーで迷っている人がいたら、内容の紹介より先に「これとこれが新刊になります」と新刊を促します。「新刊」というキーワードに食い尽く層がいるためです。

午前中はボーナスタイムです。午前中のチケットをゲットしたファンたちはかなりモチベーションが高いはずであり、この時間帯にどれだけ売れるのかが勝負になってきます。

正午過ぎに少し落ち着き始めたら、ラボメンには途中休憩を取ってもらいます。

サークルブースの込み具合、会場全体の人の流れを考慮して判断すべきでしょう。
後で揉めないように、状況次第では休憩時間が少し遅くなることを事前に伝えておきましょう。

この休憩で食事や自分の買い物をすることになります。今回は宣伝を兼ねたツイートもお願いしました。

私自身は「サークル参加の効果を最大化したい」「1人でも多くの方と交流したい」「1冊でも多く売れて欲しい」(持ち帰る本が少なくなる)という考えで、ついつい休憩を忘れてファン[1] … Continue readingに対応してしまいます。
これが課題だと思っています。私が休まないと、ラボメンにもプレッシャーになる可能性があるためです。

撤収作業

売れ残った本、持ち込んだ品を段ボールに詰めて、自宅に発送します。

ヤマトのブースの発送受付については、17:00以降です。

オフラインイベントの途中で売る物がない、そろそろファンが来ないと判断して早めに撤収作業するのは自由ですが、ヤマトのブースに段ボールをまだ持ち込めません。

荷物は日時指定、着払いになります。送り状は運営スタッフが配っていますし、取りに行けばもらえます。

※つまり事前に自分で用意する必要はありません。

「何度か参加して慣れている」「ラボメンが複数人いる」という状況でも、周囲のサークルと比べて、当サークルの撤収は結構時間がかかっている方だと思います。
※ポスタースタンドやスマート本棚についてはばらすだけであり、設営よりは楽といえます。

オフラインイベント終了後

人によってはオフラインイベントで多くの人が集まったついでに、打ち上げ・OFF会・懇親会を主催するのもよいでしょう。

当サークルも技術書典7(2019年9月22日開催)のオフラインイベント終了後にOFF会を実施しました。

技術書典が終わると疲れ果てているので、今回は見送りました。

1日中立ちっぱなしに加えて、しゃべりっぱなしで頬の筋肉が引きつり、ろれつが回らないほどです。
OFF会は交流が目的であり、まともにしゃべられなければ意味がありません😅
後はオフラインイベントの準備、終了後は撤収や売り上げ金の入金といった作業が残っています。色々やるべき重要なことがあるのに、わざわざOFF会の幹事という別のタスクを入れるのは体力面だけでなく精神面で少しきついと感じました。
※OFF会の幹事でなく、軽くおしゃべりをしつつの食事程度であれば、ちょっと状況は変わってきます。

戦利品をRTする

多くの方がTwitterで技術書典の戦利品をツイートしています。

「技術書典」「戦利品」というキーワードで片っ端から調べます。なぜなら大抵複数の本を並べて状態の写真でアップされますので、本のタイトルやサークル名ではヒットしないためです。

自分の本(あるいは自分のサークルの本)を発見次第、RTします。

https://twitter.com/BunjiSquare/status/1568825622444797952

ここではほんの一部だけの紹介になりますので、ご了承ください。

「自然な形で本を宣伝できる」「ファンの方に自分のTwitterアカウントを認識してもらえる」「サークル活動のアピールができる」「成果物を出していることをアピールできる」などのメリットがあります。

オフラインイベントの翌日以降の作業

技術書典13が終わったとしても、同人誌を販売し続けるわけで、この作業も重要といえます。

本が売れることは重要ですが、それ以上にサークルや私自身の宣伝のためにもやらなければなりません。
わざわざ交通費や宿泊費、さらには参加のためのコストを費やして、技術書典に参加したわけです。金銭面は当然ですが、それ以外でも最大限の効果を得たいものです。

引き続きの宣伝活動

オフラインイベントが終わっても、オンラインイベントは続いているので、宣伝活動を継続して行っていきます。

BOOTHの注文分を発送する

東京での出稼ぎを終えて自宅に帰宅したら、オフラインイベント会場から自宅に発送した本を受け取ります。

その在庫を使って、BOOTHの注文分を処理します。

BOOTHを使った匿名配送の方法については、次の記事を参考にしてください。

B5・ネコポス用のプチプチ封筒の在庫が切れそうだったので、Amazonでチェックしてみたら2kちょいから3kちょいに値上げしていました。
もう少し安い代替品を探しましたが、値段がほとんど変わらなかったので、値上げに甘んじて前回と同じものを注文しました。
※オフラインイベントの参加が確定した時点から、封筒の在庫を調整しておけばよかったと思っています。そうすれば安いタイミングに買えたかもしれません。

サポートページを作成する

本書のサポートページを当サイト内に作成しました。

※WordPressの固定ページを利用しています。

売り上げの集計

一人サークル(or 一人だけの著者のサークル)では、誰かと分配することがないのであまり気にならないかもしれません。

しかし、複数人の著者がいるサークルであれば、売り上げを分配しなければなりません。そのためには、オフイベントで「冊子の売れた数」「ダウンロードカードの売れた数」を把握しなければなりません。当サークルでは売上計算表を用意しています。

※オフラインイベントの終了直後では現金の集計だけができます。かんたん後払いの分は、9月のオンラインでの売上に合算されます。つまり、9月のサークルページでの売上は「オフラインイベントのかんたん後払い」+「イベント期間中のオンライン販売」+「通常(イベント期間外)のオンライン販売」の分が合算されるわけです。

実際に分配するとしたら、9月分の売上が確定してから集計・計算することになるでしょう。

※一人サークルであれば、現金の売上をすぐに口座に入金し、9月分の売上が確定したらそれを振込申請するだけです。2回に分かれますが、どちらも同人誌の販売における売上なので、帳簿上では「売上」で仕訳するだけです。

刺され!技術書アワードに応募する

本の内容に自信があれば技術書アワードに応募するのもよいでしょう。

選ばれれば、技術書アワード特集に載ります。クラウドファンディングで商業誌化すれば、さらなる入手を期待できます。

国立国会図書館に納本する

国立国会図書館に2部寄贈すると、東京本館と関西館に所蔵されます。

NDLオンラインにも登録されます。

納本の仕方については次の記事を参考にしてください。

おわりに

ラボメンたち、技術書典の運営スタッフの方、サークル参加した方、来場してくれたファンの方、オンラインイベントやBOOTHで本を購入してくれた方、宣伝ツイートをRTしてくれた方など、この度は多くの方々にお世話になりました。
本当に感謝しております。
今後はサークル「ミライ・ハッキング・ラボ」を発展させつつ、自分自身も多くの挑戦に挑みたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

References

References
1 ここでいう「ファン」とは一般的な用語の意味ではなく、技術書典の用語です。いわゆる来場者やサークルに立ち寄ってくれたお客さんのことを指します。