複数枚のサイン色紙にサイン入れする方法
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
ミジンコに転生したIPUSIRONです😀
事の顛末
2026年1月16日に秋葉原・書泉ブックタワーで開催する「オフレコ座談会2026」では、来場者向けに私のサイン色紙を50枚配布する予定です。
前回2024年の座談会では書籍『ハッキング・ラボのつくりかた 完全版』購入者にサイン色紙がセットされていましたが、今回は座談会イベントに参加者全員にサイン色紙がもらえます。
前回同様に今回も一般的なサイン色紙(小さめ)にサインを描きます。このサイン色紙は、真っ白[1]裏面が白、表面が黄色です。一般に謙遜の意味を含めて裏面・白側にサインします。で、紙質もしっかりしており、厚みもあります。
普通の厚紙であれば、トレース台に載せて下から透かして線をなぞるという方法が使えます。
しかし、サイン色紙は分厚く、トレース台に載せてもまったく透過しません。
フリーハンドで50枚描くことも考えましたが、以下に示す未来が容易に想像できました。
- 微妙なズレが必ず出る
- 枚数を重ねるほどバランスが崩れる
- 途中で集中力が落ちる
ピンホール方式で解決できる
求めていたのは、「きれいに」かつ「大量に」サインする方法です。
このときの条件は、かなりはっきりしていました。
- サイン色紙(透けない)
- 同一デザイン
- 50枚程度を安定した品質で
- 特殊な機材は使わない
つまり、「絵がうまく描けるか」ではなく、「どう仕組み化するか」という問題でした。
そこで検討した結果、採用したのがピンホール方式です。
ピンホール方式は、完成デザインを印刷した紙に、あらかじめ細かい穴をあけ、その点線を下の紙に転写する方法です。
型紙の工夫
今回作成した型紙は、サイン色紙と同一サイズにしました。
これにより、以下のメリットが得られます。
- 毎回の位置合わせが簡単
- 目測での微調整が不要
用意するもの
サイン色紙
サイン用ペン
私が愛用しているサイン用ペンは、FUDE BALL 1.5です。安定の書き心地で、サイン色紙だけでなく書籍のページにサインを入れる際にも使えます。
Amazonで1本単位で買えない場合は、ヨドバシ・ドット・コムや近所の文具店を覗いてみてください。
FUDE BALLの魅力については、以下の記事で触れています。
剥がせるタイプの両面テープ「トンボ鉛筆 PiTタックC」
ただし、型紙を載せるだけでは作業中にズレます。
そこで、貼って剥がせるタイプの両面テープを使って、型紙と色紙を軽く固定しました。
この両面テープによって、以下を実現できます。
- 作業中にズレることがない
- 貼って剥がす作業を50回以上繰り返しても粘着力は十分に保たれた
消しゴム
下書きの鉛筆を消すために用います。
プラスチック消しゴムとデッサン用の練り消しゴムのどちらでも構いません。
デッサン用の練り消しゴム(練りゴム)は、プラスチック消しゴムより消しにくいですが、以下の特徴が持ちます。
- アタリだけ消していける(完全に消したくないときにも有効)。
- プラスチック消しゴムは汚れた面で消すと、紙が汚れてしまう。練り消しゴムなら汚れたところを中に包み隠せる(黒光りするぐらいになったら交換)。
- 転がすように消せば、紙を傷めにくい。
今回のようなケースでは、消す対象の鉛筆線が少なく、用紙も強いため、プラスチック消しゴムでも構いません。
千枚通し
たくさんのピンホールを開ける必要がありますので、千枚通しのような工具が便利です。
鉛筆
芯が尖った鉛筆と丸まっている鉛筆の2本を用意します。
前者は点の打つため、後者は輪郭の下書きのために使います。
濃い芯の鉛筆が向いていますが、私は2Hの鉛筆を利用しています。
ピンホール手法によるサイン色紙へのサイン入れ【実践編】
1:任意の紙をサイン色紙と同一サイズにカットします(これは型紙を作るための紙)。
カットしたらサインとイラストをバランスよく描きます。過去のサインを活用したければ、拡大縮小コピーした紙を貼り付けて位置調整します。



四方の端をサインペンで縁取りします。これはコピーしたときに領域を明確にするためです。
下の画像では、机に線が写らないように紙を敷いて縁取りしています。

2:コピーして、縁取りに合わせて切り抜きます。
これが型紙になります。

3:型紙の下に段ボールを敷き、両面テープで切り抜いた紙を貼りつけます。
輪郭やサインの位置決めの場所に千枚通しで穴をどんどん開けています。この穴がピンホールです。穴が小さすぎると鉛筆の芯が通らずプロットできませんので、少なくとも紙を貫通ぐらい千枚通しを挿します。
ピンホールを基準にしてサインを描ける程度まで作業を進めます。




型紙を段ボールから外したら、明かりに透かしてみましょう。穴が小さすぎるところは裏側から千枚通しで突いて、穴を広げます。
※型紙が完成すれば、段ボール側はもう使いません。


以上でピンホール加工済みの型紙が完成します。
4:型紙をサイン色紙に貼りつけます。
ピンホールのところに鉛筆の芯(尖った芯)を当てていきます。
すべて終わったら、型紙を外します。すると、サイン色紙に点だけでイラストが浮かび上がるはずです。
※完全に浮かび上がっていなくても、点をベースにフリーハンドで描けるはずです。


5:芯が丸まった鉛筆を用いて、点をベースにして下書きを描きます。

6:下書きをベースにして、FUDE BALLでサインを入れます。

7:消しゴムで鉛筆の下書きや点をきれいに消します。

8:以上で完成です。
今回のサイン色紙では、ここから色を入れています。


ピンホール方式の課題から、フレーム方式へ
今回の量産作業では、ピンホール方式の型紙を用いてサイン色紙への下書きを行いました。この方式は再現性が高く、透けない色紙でも使える点では非常に有効でした。
一方で、50枚という枚数をこなす中で、明確な課題も見えてきました。
最大のボトルネックは、ピンホール一つひとつに芯を入れてドットを描く工程です。
輪郭線が点の集合として与えられるため、「視線が常に点を探す」「手の動きが細切れになる」「連続したストロークができない」といった負荷が積み重なり、結果として作業時間が大きく伸びたのです。
ここで気づいたのは、問題は「型があるかどうか」ではなく、「点でガイドしていること自体」にある、という点です。
点を追うのではなく、線としてなぞれる構造にできれば、作業は一気に流れ作業になります。
さらに、サイン色紙は規格サイズであり、四隅を物理的に合わせることができます。
この条件を活かすなら、色紙と同サイズの外枠を持ち、四隅で位置決めでき、内部を下書き用に使うフレーム型の型という発想が自然に浮かび上がります。
フレーム方式であれば、ピンホール方式で見えた課題を解決できます。
- 位置ズレは四隅で防止できる
- 型のセットが一瞬で終わる
- 内部は「なぞる」作業に集中できる
フレーム方式の型づくり
最終的にはOHPフィルムが素材として向いていますが、試作段階では工作用紙や厚紙でも十分です。
以下は工作用紙で作ったフレームになります。

きれいに切り抜けば、内側を切り抜いた型」と「外側が切り抜かれた型」の両方を同時に作れます。
今回のようなサイン色紙では、位置決めも重要であるため、前者の型が有効です。一方、本の表紙などに下書きするのであれば、後者の型が有効でしょう。


References
| ↑1 | 裏面が白、表面が黄色です。一般に謙遜の意味を含めて裏面・白側にサインします。 |
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