同人誌のカバーデザイン時には、タチキリ線(トンボ線)を基準する
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
コーストFIRE中のIPUSIRONです😀
同人誌のカバーデザインの入稿のために、印刷所で用意されたテンプレートを用いて作成していきます。
その際、タチキリ線を基準にしてデザインすべきことを忘れてしまうミスを何度かしてしまいました。ミスしてしまうと丸一日が無駄になってしまいます。
きちんと脳に刻みつけるべきですが、同人誌は年に1、2冊しか出さないため、どうしても忘れてしまいがちです。
人によっては、場合によっては入稿時にそのミスに気づかず、本が手元に届いてから配置の違和感に気づき、テンプレートファイルを見直してようやく原因がわかるということもあるかもしれません。
こうしたミスを少しでも減らすために、今回の記事を書くことにしました。
事の顛末
カバーデザイン用テンプレートの3つの線
印刷所「ねこのしっぽ」のカバーデザイン用テンプレートには、3つの線が描かれています。

左側に注目してください。以下の3つの線があります。
- 黒線:ここまで絵を描く。
- 赤線(仕上がり線=タチキリ線=裁ち落とし線=トンボ線):この線で裁断されて、本になる。
- 青線:切れては困る絵や枠線、文字はこの内側に収める。
【結論】基準にすべきはタチキリ線
青線の説明を読んで、ついつい青線が端だと勘違いしてしまうのです。
本当は赤線(タチキリ線)が端と認識しなければならないのです。
ここを間違えて認識してしまうと、表紙は左寄り、裏表紙は右寄りのデザインになってしまいます。
例えば、技術書典18で頒布する『ハッキング・ラボの冒険 初心者のサーバー侵入チャレンジ』の表紙で解説します。
以下の2つの画像を見比べて、違いはわかりますか?


左の画像が誤ったレイアウト、右の画像が正しいレイアウトになります。
- 左の画像:青破線を基準にした。
- ⇒レイアウトが左側に寄ってしまっている。
- 右の画像:タチキリ線を基準にした。
- ⇒レイアウトに問題はない。
タイトルや「帯内の白枠線」の左右の余白に着目すると、違いがわかりやすいでしょう。
気づきにくいミスであることが大きく影響する
このようなレイアウトミスは非常に気づきにくく、入稿時には見落としがちです。
書籍ページや電子書籍版のためにトリミングして表紙のみを作成した際に、初めてデザインが片側に偏っていることに気づくケースもあります。
人によってはそのタイミングでも気づかず、印刷された実物を手に取って初めて違和感を覚えるかもしれません。
その場合、原因がすぐにはわからず、入稿したファイルと照らし合わせることでようやく理由が判明することもあります。
【おすすめ対策】コンビニでの印刷を活用して最終確認する
入稿用のテンプレートが完成したら、コンビニで印刷して確認することをおすすめします。
これにより、以下のメリットが得られます。
- 誤字・脱字の確認
- イラストやデザインの配置確認
- 全体のバランス確認
- 色味の最終チェック
印刷時は実寸でなくても構わない
USBメモリーなどにデータを入れて、コンビニのレーザー複合機で印刷します。
どのコンビニでも構いませんが、持参する記憶媒体に対応しているかどうかを事前にネットで確認しておくと安心です。
印刷設定は、用紙は普通紙・カラー、サイズは大きめ(例:B4サイズ)を指定します。
ミニストップの場合、B5/A4/B4サイズが各50円で印刷可能です。
私はこの中で最も大きいB4サイズを使用しています。
冊子風に加工してバランスをチェックする
タチキリ線で折るか、カットすれば、冊子風にできます。
冊子状にしてからイラストやデザインのバランスをチェックすることで、基準線ミスがあってもこの時点で気づけます。




色合いチェックの有効性
家庭用として普及しているインクジェットプリンターと異なり、コンビニに設置されているのはレーザー複合機です。
レーザー方式はトナーを使用するため、色が鮮明で、印刷物の耐久性にも優れています。
印刷所での一般的な商業印刷はオフセット印刷が主流ですが、近年ではオンデマンド印刷も広く使われるようになっています。
オフセット印刷はさらに色合いや発色に優れており、コンビニのレーザー印刷機と比べても品質は高いですが、オンデマンド印刷の場合はレーザー印刷と近い色合いになることがあります。