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*目次 [#s8ac5a8b]

#contents


*塩 [#aa83c1e1]

-世界の資源別塩生産割合として、岩塩が60%、海水が35%ぐらいである。
--ただし、岩塩も元はすべて海水である。
-アメリカやヨーロッパは岩塩、メキシコやオーストラリアは天日塩が多く採れる。
-塩が白くみえるのは光の乱反射による。本当は無色透明である。
-血液の0.9%は塩分である。

*塩の結晶の形状 [#sb2d2926]

 塩の結晶は通常正六面体だが、条件によって塩の結晶の形状が変わる。

-トレミー
--逆ピラミッド型
-プレート
--薄い板状
-細い柱状
-球状


*カラーソルト [#u4c02757]

 塩の結晶の外を着色するのは簡単だが、色素を核に包むように内部から着色するには技術が必要である。


*塩の精製 [#g532955f]

**藻塩焼き [#l3ddd1de]

-海水の付いた海藻を天日に干して、表面に析出した塩を海水で溶かして濃い塩水を作る。その濃い塩水を煮詰めて塩を採る。
-また、焼いた海藻の灰(灰塩)から、濃い塩水を作るという方法もある。
-こうした採り方は『万葉集』にも「藻塩焼く」と表現されている。


**揚浜式塩田 [#l2e140b2]

-人力で海水を汲み上げて、塩田の砂に塩をかける。その後、塩田の砂に太陽熱と風により水分を蒸発させて塩分が付着した砂を作る。その砂を集めて海水で洗って、濃い塩分を作る。
-日本では、中世で利用されていた方法である。


**入浜式塩田 [#v8142262]

-潮の干満差を利用して海水を塩田に引き入れる。
-揚浜式塩田と比べて効率的が10倍に上がった。
-毛細管現象で砂層の上部に海水が供給され、太陽熱と風により水分を蒸発させ、塩分が付着した砂を集めて海水で洗って、濃い塩水を作る。
-日本では、江戸時代から昭和30年代まで利用されていた方法である。


**流下式塩田 [#e645d469]

-ゆるやかに傾斜した粘土地盤の上に海水を流し、竹の小枝などを組み合わせた枝条架【しじょうか】という装置にかけることにより、太陽熱と風の力を利用して濃い塩水を作る。
-入浜式塩田よりも効率よく濃い塩水を作ることができる。
-日本では、昭和27年から昭和46年まで利用されていた方法である。


**イオン交換膜製塩法 [#pde62b2b]

-日本で発明された方法。
-イオン交換膜と電気の力で、海水から濃い塩水を作る。
-日本では、昭和47年から利用されていた方法である。


**溶解再製法 [#d7e79006]

-海外から輸入した天日塩を、水に溶かして土砂などを取り除いて、製塩する方法。


*塩と味覚 [#q017d86b]

 人間の舌には味蕾【みらい】という部分があり、この部分では甘味・酸味・苦味・辛味・塩見を感じることができる。


*塩の応用 [#x67b40bc]

-タンパク質の溶解
--魚肉のタンパク質を水に溶けやすくさせて、粘り気や弾力を持たせることができる。
---ソーセージやかまぼこなどがそうである。
-発酵作用
--潮によって不要な雑菌の繁殖を防ぐことができる。つまり、繁殖を防ぎ、発酵に必要な微生物の繁殖を調整する。
---醤油、チーズ、味噌
-紫外線分光器
--純粋で透明な塩の結晶は、紫外線をほとんど吸収せずに通す。
-塩のプリズム
--製作が難しく、保存に手間がかかるので、現在はほとんど使われていない。
-グルテンの形成
--塩水を加えてこねることで、小麦に含まれるタンパク質が絡み合い、粘り気のあるグルテンができる。
-脱水作用・防腐作用
--塩漬けにすることで、水分が吸い出され、雑菌の繁殖が抑えられて腐りにくくなる。
--漬け物、塩辛
--皮を塩漬けにすることで腐敗を防げる。また、なめし剤の調整にも使われる。
---皮製品
-調味料
--食卓塩
-医療用
--[[生理食塩水]]や[[リンゲル液]]などの医薬品原料として使われる。
-塩析作用
--原料の液体に混ぜると、溶解度が低下して、[[石鹸]]の成分が分けられ、不純物を分離することができる。
-生体維持
--[[牛]]などの餌に混ぜたり、自由に舐められるように塩を固めて使われる。
-イオン交換樹脂の再生
--硬水を軟水化するイオン交換樹脂を再生するために使われる。
-ソード工業用
--苛性ソーダ
---紙やレーヨンの原料であるパルプを作るために、木材と溶かすときに塩が使われる。
---アルミホイルの素を作るために、原料のボーキサイトを溶かすときに塩が使われる。
--[[塩素]]
---塩素を[[次亜塩素酸]]にして、水道の消毒などに使われる。
---[[石油]]からできる[[エチレン]]と塩素で[[塩化ビニル]]が作られる。
--ソーダ灰
---[[ケイ砂]]や[[石灰石]]と一緒に塩を熱することで、ガラス製品を作れる。
---高温で鉄にガラスを焼き付けるホーロー製品作りに使われる。


*塩と人体 [#ye5aa184]

-食べ物を消化する消化液は塩から作られる。
--塩化物イオンは胃酸の主成分となり、消化を助けたりばい菌を殺す。
--ナトリウムイオンは小腸で栄養素の吸収を助ける。
-細胞を保つ。
--塩は細胞外液の中に含まれていて、細胞が縮みすぎたり、ふくらみすぎないように調整する役割を持つ。
-神経細胞での電気信号の伝達ではナトリウムイオンが働いている。


*塩と調理 [#t15800f5]

**酵素の抑制作用 [#q0132c3d]

 リンゴ・桃・レンコン・ジャガイモ・ゴボウなどは酸化しやすいポリフェノール系物質が含まれているので、空気に触れると褐色に変色しやすい。塩はこの酸化を抑える働きがあり、0.3〜0.6%の塩を加えると変色を抑えることができる。

**浸透圧による脱水作用 [#nf9f1956]

 トマトやキュウリをパンに挟むとき、あらかじめ塩を振って脱水させておく。そのためには野菜に塩を振って15〜20分放置しておくと、水分が外に出る。

**味の抑制効果 [#u9e2516b]

 酸味と塩味が出会うと、塩味は酸味を弱める働きが生まれる。寿司ご飯に少量の塩を加えるのはそのためである。

**味の対比効果 [#i3062798]

 甘味と塩味が出会うと、甘味を強める働きが生まれる。スイカに少量の塩をかけると、スイカの甘味が強められるのはそのためである。

**クロロフィルの退色効果 [#d162c47f]

 青菜を炒めるときに、熱した油に塩をひとつまみ入れてから炒めると、色鮮やかに仕上がる。これは[[ナトリウム]]が組織内に浸透し、[[クロロフィル]]が安定するからである。

**茶渋落とし [#ba86bba0]

 塩を少量振りかけてこすると、湯のみ茶碗についた茶渋を落とすことができる。これは[[陶磁器]]や[[ガラス]]よりも塩の粒の方が軟らかいという性質を利用している。塩の[[モース硬度]]は2〜2.5である。つまり、[[石膏]]と[[方解石]]の中間の強さである。


*参考文献 [#h8a8e2fb]

-『塩のミニ知識』